NGW 小園『真・解体新書』
第十一回

お問い合わせの多い『Fender ムスタング』です。



1964年から製造が始まりました。
最初はスチューデントモデルだったそうです。

ストラトキャスターやテレキャスターと違うパーツ、ネック、ボディが魅力の一本です。
話が長くなるので、少しずつ書いていきます。
今回は『ブリッジ』です。

●『ダイナミックビブラート』
ストラトキャスターは、『シンクロトレモロ』、テレキャスターは、『ハードテイル』ですが、ムスタングは形も機能も違います。


『ダイナミック ヴィブラート』と言います。
2つのパーツを組み合わせて使用します。
ジャガー/ジャズマスターに使用しているフローティングブリッジの土台に、バレルサドルを搭載。ジャガー/ジャズマスターは、スパイラル。
この場合のフローティングとは、土台が2本の支柱で支えている事で浮いている状態を作る為だそうです。


ブリッジプレートに弦のボールエンドを引っ掛けるテールピースバー。


このバーはトレモロ機能も兼用になっています。


『シンクロトレモロ』同様トレモロスプリングが仕込まれています。


シンクロトレモロのスプリングは、スプリングハンガーを固定しているビスを回すとスプリングの引っ張る力を変化出来ます。
ムスタングのトレモロスプリングは、ブリッジを取り外してスプリングを引っ掛けているバーの位置を変えます。


引っ掛ける位置は2~3ヶ所しかないので、細かな設定が出来ません。強いか、弱いのどちらかです。
テンション感は、ボールエンドを引っ掛けるバーの位置でも変化出来ます。
基本は、バーを一番下に下げる事でブリッジサドルまでの角度をつけてテンションをかけます。


この状態が一番テンションがきついです。
バーを上げていくと、サドルまでの角度が浅くなるので、テンションが緩くなります。


このブリッジはかなり癖のある代物です。
トレモロアームを前に倒すと、チューニングが下がります。アップは出来ません、ダウンのみのブリッジです。
では、何故アップ出来ないのか?
2本の支柱で支えているブリッジと、トレモロバーはアームをダウンすると同時にネック側に倒れます。


アームを元の位置に戻すとブリッジとバーも元の位置に戻ります。


アームをアップすると、ブリッジがそれ以上後ろに倒れないので、元の位置に戻すと、ブリッジだけが前に傾きます。
これにより、チューニングがダウンします。
アームアップ出来ないのでは無く、してはいけないのです。

また、このフローティングブリッジは各弦の高さ調整が出来ません。


イモビス無しのバレルタイプのサドルを採用している為で、ジャガー/ジャズマスター/デュオソニック等のスパイラルサドルはイモビス有なので微調整が出来ます。


しかし、利点もあります。 スパイラルサドルよりも弦溝が深いので、弦落ちがありません。
スパイラルサドルの溝は浅くて沢山切ってあるので弦落ちが多いです。
この為、スパイラルサドルからバレルサドルに交換するユーザーも多いです。

トレモロアームを使用しない、フローティングブリッジの動きが慣れない場合は、T.O.Mブリッジに交換する事があります。


T.O.Mブリッジに交換する場合、ブリッジが前後に動かなくなるので、サドルの溝切りの精密な角度調整が必須になります。
サドルの溝切り調整がされていないと、弦がサドル溝に引っ掛かってチューニングが落ちます。
T.O.Mを取り付ける際は、ネック角をノーマル時よりもきつくします。
T.O.M本体の高さが有る為で、ネック角をつけないと、ブリッジを一番下まで下げても弦高が高くなります。


T.O.Mを取り付ける利点は、フローティングブリッジよりも重く密度が増す。
これにより、倍音とサスティーンが期待出来ます。
ブリッジ本体が前後に動かなくなる事で、チューニングが狂いにくくなる。

不利点は、サドルの調整がされていない時にトレモロアームを使用すると、チューニングが大幅に狂う。
弦を外した時に、T.O.Mのエレベーションが動くと弦高が変わる。
フローティングブリッジよりも、定期的な調整が必要。
トーンプロス等のブリッジとスタッドがロック出来る場合は、サドル溝角度だけを調整すれば使えます。


次回は、『ボディ』についてです。


毎月、必ず後楽園ホールに全日本プロレス…というか、ウルティモ・ドラゴン選手を観に行っているわけですが、8月は後楽園ホールの改修工事だそうで見る事が出来ません…


9月の観戦が楽しみです!
8月は、野球観戦に専念します!!!
目指せ!最下位脱出……
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