避暑客が去り、冷たい秋風が吹き始めた九月のメイン州の避暑地。ニューヨークから六人の男女が休暇をとって当地にやってくる。最初に到着したのは書籍編集者のカーラ。すこし遅れて、彼女の現在のボーイフレンドのジム、彼女の妹のマージーとそのボーイフレンドのダン、そしてカーラのかつてのボーイフレンドのニックとそのガールフレンドのローラが到着した。六人全員が到着した晩に事件は勃発した。当地に住む<食人族>が六人に襲い掛かったのだ。<食人族>対<都会族>の凄惨な死闘が開始する。



J・ケッチャム「オフシーズン」を読みました。

日本では「隣の家の少女」など、ホラーを中心とした作品で有名な作家です。アメリカでは非常にマニアックな作家らしいですが。つまり、本作もそういうマニアックなホラー作です。

本書はケッチャム氏のデビュー作ですが、「復元無削除版」と題されていました。あとがきにも記されていますが、簡単に申し上げると生原稿のままでは「グロすぎて出版できない」と出版社から修正に次ぐ修正がかかり、最終的にかなり内容を削って出版した過去のデビュー作のことを、氏は非常に不満に思っていたようです。そして、再販する際に、無削除版として改めて出版した経緯のようです。


前述していますが、本作は6人の男女が季節はずれに避暑地を訪れてパーティを開きます。その避暑地、メイン州の某所は、近年行方不明者が多発しており、警察も目をつけている地域でした。別荘へ到着した六人は、遠くからの視線があったことに気づかず、パーティを始めます。そして、みなが寝静まったとき、六人は、世界から隔離された<食人族>の襲撃を受けることになります。


囚われた女性の一人は、生きたまま肉を切られて、内臓を取り出されてそのまま食べられる、とかいう残酷描写がありますので、グロ耐性がない人は正直無理だと思います。人間もかなり死ぬことになります。


何が面白いのか、と問われれば難しいところです。

単なるスプラッター小説でないことは確か。様々なタイプの主人公たちが6人もいるので、自己に投影して物語に入り込めば、得体の知れない<食人族>から追われる恐怖を体感できるかもしれません。

クライマックスでも、米小説でも割と珍しいかもしれないハッピーエンドとは言いがたい結末なので、読後は精神が落ち込みます。


オススメ度 ☆


オフシーズン (扶桑社ミステリー)/扶桑社
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