実力派バリスタが集結する関西バリスタ大会に出場した珈琲店<タレーラン>の切間美星は、競技中に起きた異物混入事件に巻き込まれる。出場者同士が疑心暗鬼に陥る中、付き添いのアオヤマと犯人を突き止めるべき奔走するが、第二、第三の事件が・・・。バリスタのプライドをかけた闘いの裏で隠された過去が明らかになっていく。コーヒーは人の心を惑わすのか、癒すのか―――。

美星の名推理が光る!



岡崎氏の珈琲店タレーランの事件簿シリーズ、第3作が刊行されています。

本作は、日常系ミステリと呼ばれるカテゴリに分類される、”人の死なないミステリ”だと思っています。本作に関しても血なまぐさい事件はおきませんが、ちょっとした事件(異物混入事件)が発生し、事件の解決に向けて、主人公アオヤマとバリスタ・美星が腕を振るうというストーリーです。


三作目なので、物語の雰囲気やキャラクターは通じています。前作の感想にも書いたような気がしますが、日常系ミステリということで、大事件は起こらないためか、どうしてもスケールの小さい話になってしまう点で、読み手の判断は分かれそうな気がします。イジワルな言い方をすれば、事件がしょうもない。


ですが、今回は、バリスタが集まる関西バリスタ大会中の異物混入事件、ということで割りと大きな風呂敷を広げてきたなー、という印象を持ちました。気になった点が少し解消された気がします。


フーダニット・意外な結末・トリックなど、ミステリ的要素を抑えたオーソドックスな作品です。これは美点ですが、人が死なないのでそういう本が苦手な人でも割りと安心して読めると思います。

毎回コーヒーに絡めたネタなので、そろそろ尽きてくるんじゃないかといらぬ心配をしてしまいますが、アオヤマと美星さんの関係もなかなか醸成されてきたので、そのあたりも読みたいなーと思いつつ。



オススメ度 ☆☆☆☆



珈琲店タレーランの事件簿 3 ~心を乱すブレンドは (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)/宝島社
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