鉄の骨:池井戸 潤

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鉄の骨 (講談社文庫)/講談社
¥905
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中堅ゼネコン・一松組の若手、富島平太が移動した先は”談合課”と揶揄される、大口公共事業の受注部署だった。今度の地下鉄工事を取らないと、ウチが傾く――技術力を武器に真正面から入札に挑もうとする平太らの前に、「談合」の壁が。

組織に殉じるか、正義を信じるか。



池井戸氏「鉄の骨」です。

舞台は中堅ゼネコン、一松組の若手技術屋が、談合を専門に扱う部署に配転されるところからはじまります。現在でもどのくらい残っているのか知りませんが、ゼネコンの談合をメインテーマに置き、中小企業との折衝、大物フィクサーの存在、そして当局の捜索など、ミステリ的要素を絡めて日本経済を風刺的に描いた氏らしい作品です。


談合や贈収賄、最近はあまりニュースになりませんね。一段落しただけなのか、根絶されてしまったのかよくわかりませんが、本作品では、そういった談合があることは暗黙の了解。どのようにうまく談合していくか、そういった交渉も描かれます。氏の作品では、ラストでぼこぼこにされる悪役がよく登場しますが、本作品も例外ではなく、おかげさまで読み味もすっきり。


物語も、リアルに感じられ興味深いものでしたが、平太の恋人であるヒロインがいただけない。職場の先輩といい感じになり、ふらふら浮気する銀行員を演じています。このキャラクター必要だったのか。平太に説教かましながら、そんな感じなのでどうにも不愉快なキャラクターになってしまいました。「空とぶタイヤ」に出てきたような、素晴らしいキャラクターをお願いします。



オススメ度 ☆☆☆