私が書いた小説の通りに起こる連続殺人事件の犯人は・・・?


私は小説家だ。そしてこれは私の小説だ。私が心血を注いだ惨殺があり、私が身を削るように描いた苦悩がある。文の始まりから果てまで、すべてが私だ。

事件は私の書いた小説の通りに起きていた。犠牲者、殺害の方法、現場の描写。全てが私の描いた通りに。私の見る「小説」どおりに。こんな殺し方ができるのは誰だ。こんな小説がかけるのは、なぜだ。警察も、被害者も、加害者も私を疑う。「犯人」と決め付ける。

だが私は「犯人」ではない。私は、小説家なのだ。



入間氏の文庫を手にとってみました。書き下ろしミステリーという帯に誘われて購入してみました。主人公は伸び悩む若手小説家。あるとき、通っている病院の医師から、才能を治療する施術を受け、閃きが頭の中に苦痛とともにやってくるようになります。そうして描いた一冊の小説でしたが、その小説に描かれたとおり、まったく同じことが起きてしまいます。


という導入部までは大変面白く読ませてもらいましたが、結末的にはちょっとガッカリな感じ。帯には「新感覚ミステリー」と書いてあるので、まぁ確かにそうかもと思いながら、悪い意味でやられた小説です。イラストもなかなか気合の入ったものですし、帯も面白そうな文句。メタ的なのが苦手な人は回避したほうがいいでしょう。


ミステリーというカテゴリが広すぎて、単に人が死ぬだけの話ならなんでもミステリーになっているような気がしないでもありません。読みやすいことは読みやすいです。特に感想という感想も。



オススメ度 ☆



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