立川駅近くの雑居ビルで殺された三十代の女性。七年間交際していた男は最近、重役の娘と付き合い始め、被害者に別れを切り出したようだ。しかし、唯一最大の容疑者であるその元恋人には完璧なアリバイが。困った麗子は影山に{アリバイ崩し}を要求する。

その後も、湯船につかって全裸で死んでいた女性の部屋から帽子のコレクションが消える、雪のクリスマスイブに密室殺人が起きる、黒髪をバッサリ切られた死体が発見されるなど、怪事件が続発。令嬢刑事と毒舌執事コンビのユーモアミステリ第二弾。



東川氏の代表作となった、シリーズの第二弾が文庫化されています。主人公・宝生麗子は生粋の正真正銘のお嬢様。国立署へ刑事として勤務しているのに、誰もお嬢様だと気づいてくれません。そんな麗子のもとへ今日も不思議な事件が起こります。上司の風祭警部とともに、現場ではトンチンカンな推理を披露し、毎度毎度やむにやまれず、毒舌執事・影山にそれとなく相談し、影山はその期待に見事こたえ、謎を解き明かしていく、という安楽椅子探偵をモチーフとした本格ミステリです。


「失礼ながら、お嬢様は相変わらずアホでいらっしゃいますね。――いい意味で」


謎が解けた影山は、毎回のごとくお嬢様を貶める毒舌発言を連発。それだけではなく、この謎解きはディナーの後で、というシリーズ、いえ、東川氏の作品はそのほとんどがユーモアミステリ。真剣な殺人現場に、ふんわり流れるコメディの風味。本作でも存分に発揮されています。また、このシリーズは、オムニバス形式をとっていて、長編ではありませんので一編一編さらっと読めて暇つぶしにはぴったりです。


安楽椅子探偵という形式をとっているため、証拠がでてきたハイ逮捕!ということにはなりませんが、切れ味のある推理で、麗子との掛け合いはなかなか楽しめるものがあります。殺人現場に愛車のジャガーで颯爽と駆けつける、風祭モータースの御曹司・風祭警部も濃ゆいキャラクターでして、ユーモア感たっぷりのキャラクターです。第3巻の文庫化はよ!



オススメ度 ☆☆☆☆



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