青年の想いを古書は静かに見守ってきた。

静かにあたためてきた想い。無骨な青年店員の告白は美しき女店主との関係に波紋を投じる。彼女の答えは、―――今はただ待って欲しい、だった。ぎこちない二人を結びつけたのは、またしても古書だった。謎めいたいわくに秘められていたのは、過去と今、人と人、思わぬつながり。もろいようで強固な人の想いに触れ、何かが変わる気がした。だが、それを試すかのように、彼女の母が現れる。邂逅は必然――彼女は母をまっていたのか?すべての答えのでるときが迫っていた。


三上氏のビブリア古書堂シリーズの最新巻が刊行されています。前作で、ついに想いを告げてしまった、五浦と、それに対する答えを出そうとする古書堂店主・栞子さんの物語です。古書がテーマのこの作品ですが、今回は『愛のゆくえ(リチャード・ブローティガン)』『彷書月刊』『落穂拾ひ・聖アンデルセン(小山清)』『ブラックジャック(手塚治虫)』『黒いハンカチ(小沼丹)』『われに五月を(寺山修司)』などが取り扱われています。ブラックジャックと手塚治虫の裏話なんかは、とっても興味深く読ませてもらいました。


主人公の五浦大輔は、本を読もうとするとめまいが起きたり、体調が悪くなってしまう特異体質。それでも本は好きなので、古書堂でアルバイトをしています。バイト先の店主、栞子さんは本大好きの変人。対人能力は最低値だけど、いったん本の話になるとスイッチが入ってしまい、熱く熱く語りだし、周囲はどんびき。アルバイトも何人かやめてしまった経緯も。

メインストーリーはそんな二人の恋愛模様。古書をきっかけに生まれた謎が古書堂に持ち込まれ、二人が協力?しながら解いていく、という流れです。


あとがきによると、シリーズとしてはもう半分を超えて、後半に差し掛かっているようです。二人の結末、まだまだ波乱がありそうですが、気になります。



オススメ度 ☆☆☆



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