人をイラつかせる無神経な言動と、いいかげんに展開する華麗な(?)推理。鵜飼杜夫は、烏賊川市でも知る人ぞ知る自称「街いちばんの探偵」だ。身体だけは丈夫な助手の戸村流平とともに奇妙奇天烈な事件解決へと、愛車ルノーを走らせる。ふだんに詰め込まれたギャグと、あっと驚く謎解きの数々。読めば読むほど癖になる「烏賊川市シリーズ」初の短編集。


東川氏のミステリシリーズから短編集が文庫で刊行されました。いわゆるユーモア・ミステリにカテゴライズされる本作。今回ははじめての短編集です。


本作は、烏賊川市という、いかがわしい架空の街を舞台に、探偵・鵜飼が活躍する本格ミステリシリーズです。第1作で容疑者として事件に関係した学生・戸村が、シリーズを通して鵜飼の助手をつとめています。そのほか、いつもは探偵事務所の大家さんが秘書として事件に絡んできたりしますが、本作は短編なので出番はなかった模様です。


「藤枝邸の完全なる密室」をはじめ全5編。どれもしょうもないけど笑ってしまうギャグ満載のミステリですが、驚きのトリックや絶妙な掛け合いが物語にスパイスを利かせてくれています。シリーズものですが、お話自体は繋がっていないので、この短編集を読んだだけでも著者の執筆スタイルはよくわかると思います。リアルさやシリアス感を求める本格派の方向けではありません。



オススメ度 ☆☆☆



はやく名探偵になりたい (光文社文庫)/光文社
¥609
Amazon.co.jp