大手銀行にバブル期に入行して、今は大阪西支店融資課長の半沢。支店長命令で無理に融資の承認を取り付けた会社が倒産した。すべての責任を押し付けようと暗躍する支店長。四面楚歌の半沢には債権回収しかない。夢多かりし新人時代は去り、気がつけば辛い中間管理職。そんな世代へエールを送る痛快エンタメ。



ご存知「半沢 直樹」原作本です。ドラマ版では、1話から5話。融資課長・半沢が、産業中央銀行へ入社したバブル期の頃から物語は始まります。バブルがはじけ、中間管理職となった半沢は、支店長・浅野の融資目標必達の大号令のもと、気のすすまない融資稟議を部下に書かせ、融資を実行することになります。融資実行後、融資先である西大阪スチールの決算に粉飾が発覚。半沢は、融資額の5億円を回収するため、西大阪スチールへ単身乗り込んでいきます・・・。


ドラマ版半沢直樹の3話あたりを見た直後に原作が気になり本屋さんへ駆け込んだ記憶があります。それまで、金融というジャンルの小説に触れたことがなく、本作を読んだときは衝撃でした。これは文句なしに面白いと。

筆者の実体験がもしかすると含まれているのかもしれませんが、上司や上役は仇ばかり。半沢に責任をなすりつけようと必死、かといって銀行員の矜持として、部下に責任を負わせるわけにもいかない中間管理職の諦めみたいなものを、打破してくれる強烈なキャラクター・半沢直樹の魅力が充分に詰まった一冊でした。ひとむかし前にサラリーマン金太郎という作品が一世を風靡しましたが、彼は男気や暴力でサラリーマン界に風穴を開ける感じのキャラクターでした。半沢は、理論と証拠、弁舌を武器に上司だろうが、役人だろうが、完膚なきまでに叩きのめします。その勧善懲悪的なストーリー、爽快感が人気の秘密なのかもしれません。ウラのウラをかく心理戦も読み応えあります。


ちなみにドラマ版とは細部が違っています。原作のほうがシンプルな話で、割と入り込みやすいと思います。久々に読んでいて体が熱くなる作品でした。オススメです。



オススメ度 ☆☆☆☆



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