貴志祐介「硝子のハンマー」です。
角川文庫から。
- 硝子のハンマー (角川文庫 き 28-2)/角川書店
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【裏表紙から】
日曜日の昼下がり、株式上場を間近に控えた介護サービス会社で、
社長の撲殺死体が発見された。
エレベーターには暗証番号、廊下には監視カメラ、窓には防弾ガラス
オフィスは厳重なセキュリティを誇っていた。
監視カメラには誰も映っておらず、続き扉の向こう側で仮眠を取っていた
専務が逮捕されて・・・。
弁護士・青砥純子と防犯コンサルタント・榎本径のコンビが難攻不落の
密室の謎に挑む。
【ひとこと】
貴志氏の本格ミステリ作品です。
日本推理作家協会賞受賞作です。
密室とトリックに重きを置いた本格ミステリ。
2部で構成されており、1部では殺人の経緯・純子と径の捜査活動が
展開されます。後半の2部では真犯人の生い立ちから犯行時点までの
真相が明らかになっていきます。
弁護士と泥棒というコンビがなかなか面白いです。
防犯コンサルタント(泥棒)の榎本径は、本職だけあってセキュリティに
関してはかなりの知識を持っている設定。
かなり細部にわたるもので作者の苦労が伺えました。
そのセキュリティのプロが調べに調べて、「侵入は不可」と判断した
密室の中で殺人を決行するトリックは見事、とても面白い。
叙述トリックではないミステリ小説で久々に興奮する作品でした。
オススメ度 ☆☆☆☆