貴志祐介「硝子のハンマー」です。

角川文庫から。



硝子のハンマー (角川文庫 き 28-2)/角川書店
¥780
Amazon.co.jp


【裏表紙から】


日曜日の昼下がり、株式上場を間近に控えた介護サービス会社で、


社長の撲殺死体が発見された。


エレベーターには暗証番号、廊下には監視カメラ、窓には防弾ガラス


オフィスは厳重なセキュリティを誇っていた。


監視カメラには誰も映っておらず、続き扉の向こう側で仮眠を取っていた


専務が逮捕されて・・・。


弁護士・青砥純子と防犯コンサルタント・榎本径のコンビが難攻不落の


密室の謎に挑む。



【ひとこと】


貴志氏の本格ミステリ作品です。

日本推理作家協会賞受賞作です。


密室とトリックに重きを置いた本格ミステリ。

2部で構成されており、1部では殺人の経緯・純子と径の捜査活動が

展開されます。後半の2部では真犯人の生い立ちから犯行時点までの

真相が明らかになっていきます。


弁護士と泥棒というコンビがなかなか面白いです。

防犯コンサルタント(泥棒)の榎本径は、本職だけあってセキュリティに

関してはかなりの知識を持っている設定。

かなり細部にわたるもので作者の苦労が伺えました。


そのセキュリティのプロが調べに調べて、「侵入は不可」と判断した

密室の中で殺人を決行するトリックは見事、とても面白い。


叙述トリックではないミステリ小説で久々に興奮する作品でした。



オススメ度 ☆☆☆☆