模倣の殺意:中町 信

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模倣の殺意:中町 信氏の作品です。


模倣の殺意 (創元推理文庫)/東京創元社
¥777
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【あらすじ】


七月七日の午後七時、新進作家、坂井正夫が青酸カリによる服毒死を遂げた。


遺書はなかったが、世を儚んでの自殺として処理された。


坂井に編集雑務を頼んでいた医学書系の出版社に勤める中田秋子は、彼の


部屋で偶然行き合わせた遠賀野律子の存在が気になり、独自に調査を始める。


一方、ルポライターの津久見伸助は、同人誌仲間だった坂井の死を雉にするよう


雑誌社から依頼され、調べを進めるうちに、坂井がようやくの思いで発表にこぎつけた


受賞後第一作が、さる有名作家の短編の倒錯である疑惑が持ち上がり、坂井と


確執のあった編集者、柳沢邦夫を追及していく。


著者が絶対の自信を持って読者に仕掛ける超絶のトリック。



【ひとこと】


近所の本屋で平積みされていたので、手にとって見ました。

ミステリ界では知る人ぞ知る不朽の名作のようで、一読。


内容は、上記に書いたように、主人公の二人が独自の視点で謎を追っていくという

スタンダードなミステリ。自殺した坂井正夫に関する不審な謎を違う立ち場の二人が

追っていくことになります。


あとがきでも描かれていますが、本作は、いわゆる「叙述トリック」といわれる

ミステリジャンルの’はしり’、だそうです。

叙述トリックを用いた名作は、たくさんあります。

ですから、そちらと比べると質は落ちてしまうのかもしれませんが

叙述という発想を表に出した、という意味では、非常に価値のある作品なのかなと

思います。


内容自体は、やや古い時代に書かれたものです。1970年代に初版が刊行されて

います。改題・改稿を行い、本作は2004年に出版されたものです。


時代背景としても、ケータイ電話やそういったIT関連の言葉はほとんど出ませんし

固定電話がトリックに使われるくらい古い時代に書かれた物語です。

少し分かりくいプロットである、と作者も述べていますが、ちょっと読みにくいです。


今読むと確かにそこまでの驚きはないのかもしれません。

ですが、本作が発表されたとき、すごい衝撃だったでしょうね。


オススメ度 ☆☆☆