「葉桜」や「死体を買う男」など名作を生み出している

歌野氏の文庫を見つけたので衝動買い。



世界の終わり、あるいは始まり (角川文庫)/角川書店
¥780
Amazon.co.jp


【裏表紙】



東京近郊で連続する誘拐殺人事件。


誘拐された子どもはみな、身代金の受け渡しのまえに銃で殺害されており


その残虐な手口で世間を騒がせていた。


そんな中、富樫修は小学6年生の息子・雄介の部屋から被害者の父親の


名刺を発見してしまう。息子が誘拐事件にかかわりをもっているのではないか


恐るべき疑惑はやがて確信へと変わり・・・。


既存のミステリの枠を超越した崩壊と再生を描く衝撃の問題作。



【ひとこと】


「葉桜」の前に書かれたミステリものの小説です。


「顔見知りのあの子が誘拐されたと知った時、

驚いたり悲しんだり哀れんだりする一方で

わが子が狙われなくてよかったと胸をなでおろしたのは

わたしだけではあるまい。」


印象的なエピグラムで始まる本作ですが

4人の小学生を連続して誘拐・殺害する事件が発生し

その物証が、無関係だと思っていた自分の息子の部屋から

次々と発見され、父親は悪い妄想に取り付かれてゆく、

そんなストーリーです。


息子の部屋からある物証がでたあと(序章)以降は

ほとんど全て父親の妄想。

息子が事件に関与していた最悪の妄想や

やはり息子は事件には関与していなかったという楽天的な妄想。

さまざまな妄想が章立てで語られ続けます。


前章を覆すような妄想ばかりなので、いったいどれが事実で、どれが

虚構なのか、まぁ小説なので全部虚構なのですが、分からなくなります。

ラストは謎を解くことをあきらめた、という終わり方なので、ミステリ

というジャンルに入れるにはちょっと・・・・不満の残る一冊。


子どもを持つ親にとっては何かと考えさせられる一冊になるのかも

しれません。

すっきりはしませんが、エンターテインメントとしては読みやすくて面白い

と思います。



オススメ度 ☆☆☆