慟哭:貫井 徳郎

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貫井 徳郎:慟哭です。

創元推理文庫から。


慟哭 (創元推理文庫)/東京創元社
¥780
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【裏表紙から】



連続する幼女誘拐事件の捜査は行き詰まり、捜査一課長は


世論と警察内部の批判を受けて懊悩する。異例の昇進をした


若手キャリアの課長をめぐり、警察内に不協和音が漂う一方


マスコミは彼の私生活に関心を寄せる。


こうした緊張下で事態は新しい方向へ。


幼女殺人や怪しげな宗教の生態、現代の家族を題材に、人間の


内奥の痛切な叫びを、鮮やかな構成と筆力で描破した本格長編。



【ひとこと】



ミステリというかは単なる警察小説のテイストが強いかもしれません。


最初に提示された謎、たとえば誰が殺人を行ったか、どのようにして

殺人を行ったか、という謎が全て明らかになるものがミステリ作品

という定義だとすると、ミステリには当てはまりません。

何しろ犯人については指名できていませんし、読者が判断するための

材料もありませんので。


本作については、刑事課長が幼女誘拐殺人事件の指揮を執り、犯人を

捜索するパートと、新興宗教にハマっていく犯人らしき男のパートが

交互に描写されていきます。


これまで読んだものでは、東野圭吾氏のパラレルワールドラブストーリーや

乾くるみ氏のイニシエーションラブが同様の構成をとっていたように思います。

それほど真新しいものではなく、なんとなく新興宗教の男が誰のことなのか

予想はついてしまいます。


せっかく出てきたヒロイン的な女性もうまく活かされることなく消えていって

しまいました。


宗教が大変儲かります、ということが分かる小説ではありましたが、なんとなく

消化不良な作品です。



オススメ度 ☆☆