死体を買う男:歌野 晶午です。

講談社文庫から。



死体を買う男 (講談社文庫)/講談社
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【裏表紙から】


乱歩の未発表作品が発見された。


「白骨鬼」というタイトルで雑誌に掲載されるや大反響を呼ぶ


何紀・白浜で女装の学生が首吊り自殺を遂げる。


男は、毎夜月を見て泣いていたという。


乱歩と詩人萩原朔太郎が事件の謎に挑む本格推理。


実は、この作品には二重三重のカラクリが隠されていた。



【ひとこと】


裏表紙の解説文では何がなにやらなので、ざっくりと説明を。


まず、本作の主人公は細見辰時という名のミステリ小説家です。

グロテスクさをイメージさせるタイトルですが、そうではなく

本編にも関係のある意味のあるタイトルであると、読後は思います。


細見は、作者不明の連載作品を読むことになります。

読めば読むほど、江戸川乱歩の特徴を前面に押し出した筆致であり

編集者に尋ねると、新人が書いたという。

本当に新人が書いたものか、確かめたくなり本人と会うことになります。


作者不明の連載作品「白骨鬼」は、作中作として全編が物語と

同時進行で挿入されていきます。

「白骨鬼」自体は、普通のミステリ作品なのですが、それにも2転3転する

良質の作品で、単品でもなかなかに楽しめると思います。


ふと思い立った細見は、著作者である西崎に対して、単行本化する前に

著作権を買取ろうと提案します。

当然西崎は反発しますが、細見にはどうしても譲ることのできない理由が

ありました。


と、大筋は上記のような感じ。

作中作と、本編との連動、クライマックスまでの構成等この作者は本当に

構成力があります。ぼーっと読んでたらわけがわからなくなるので

静かな部屋で集中して読むことをおすすめします。

そして読後には、最初に戻って「自序」の部分を再読して頂きたい。



オススメ度 ☆☆☆☆