平山夢明「独白するユニバーサル横メルカトル」

です。

光文社文庫から。



独白するユニバーサル横メルカトル (光文社文庫)/光文社
¥600
Amazon.co.jp


【裏表紙から】


タクシー運転手である主人に長年仕えた一冊の道路地図帖。


彼が語る、主人とその息子のおぞましい所業を端正な文体で綴り


日本推理作家協会賞を受賞した表題作。


学校でいじめられ、過程では岐阜の暴力に晒される少女が


絶望の果てに連続殺人鬼に救いを求める「無垢の祈り」


限りなく残酷でいて、静謐な美しさを湛える、ホラー小説史に


燦然と輝く奇跡の作品集。



【ひとこと】


平山夢明の全8編の短編集です。

ジャンルはホラー。グロテスクな表現もかなり多いので苦手な方には

おすすめできません。


「ニコチンと少年・乞食と老婆」


ホームレスと少年の出会いから別れまでを

描いた作品・・・だと思います。

個人的には意味不明。


「Ω(オメガ)の聖餐」


人ならざるものに変貌してしまった元人間のΩ(オメガ)の物語。

グロすぎます。


「無垢の祈り」


あらすじのとおりです。

まだ救いのある物語。


「オペラントの肖像」


近未来SFもの。

条件付け(オペラント)という方法で、人間を管理しようとした世界。

ミステリテイストでなかなか面白いです。


「卵男(エッグマン)」


説明が難しい話です。

連続殺人鬼に全ての犯行を自供させるため、心理学的手法で

殺人鬼との対話を図る・・・物語。


「すまじき熱帯」


言葉のほぼ通じない国へと出稼ぎにいく主人公。

そこでは独裁が行われており、囚われた主人公たちは

処刑の憂き目にあいそうになります。

これもかなりグロテスク。


「独白するユニバーサル横メルカトル」


やはりこれが一番面白いと思います。

地図帖の心情を綴った物語。

ホラーテイストではありますが、モノには魂が宿ると信じた

日本人的な感覚を共感できます。

主人への忠心がなかなかよいです。



「怪物のような顔の女と溶けた時計のような頭の男」


男が女を拷問する話。

意味不明でした。



おおむねグロテスクなのでかなり人を選びそうです。

表題の作は一読の価値があると思います。

一部映像化されている作品もありますが・・・・

見るには少し勇気が要りそうです。


オススメ度 ☆☆