モダンタイムス

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伊坂幸太郎「モダンタイムス」です。

講談社文庫から。

上下巻です。


モダンタイムス(上) (講談社文庫)/伊坂 幸太郎
¥590
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モダンタイムス(下) (講談社文庫)/伊坂 幸太郎
¥690
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【裏表紙から】

○上巻


恐妻家のシステムエンジニア・渡辺拓海が請け負った仕事は


ある出会い系サイトの仕様変更だった。けれどもそのプログラム


には不明な点が多く、発注元すら分からない。


そんな中、プロジェクトメンバーの上司や同僚のもとを次々に


不幸が襲う。


彼らは皆、ある複数のキーワードを同時に検索していたのだった。


○下巻


5年前の惨事―――


播磨崎中学校銃乱射事件。奇跡の英雄・永嶋丈は、いまや


国会議員として権力を手中にしていた。


謎めいた検索ワードは、あの事件の真相を探れと仄めかして


いるのか?追手はすぐそこまで・・・・・大きなシステムに覆われた


社会で、幸せを掴むには―――


問いかけと愉しさの詰まった傑作エンターテイメント!




【ひとこと】


上下巻なので、あらすじが長すぎました。

伊坂氏「モダンタイムス」です。



舞台は「魔王」の約50年後の世界、21世紀半ばごろの世界です。

連続した世界観ですので、「魔王」に出演した兄弟や関係者も

登場します。なので、「魔王」については読んでおいたほうが

面白く感じると思います。


「魔王」は設定が良かったのに活かしきれなかった印象がある、

と以前に書いたような気がします。

本書を読む限り、前作の主人公である兄弟や安藤一族の持つ

不思議なチカラは、世界を動かすようなものではなく、世界観に

ちょっとしたアクセントをつけるような位置づけなのでしょう。


本作も、「魔王」「ゴールデンスランバー」などに見られる

政治色の強い物語になっていて、「ゴールデンスランバー」では

国家からの逃亡が描かれたのに対して、本作では国家への

抵抗が描かれます。


読了した時点でいくつか疑問の残る部分もありますが、

伏線の張り方、ラストの締めはあいかわらずすばらしいです。


2060年付近の物語なのに、インフラやインターネット周りの

未来化がほとんど描かれないというのが個人的にかなり違和感。

時代は変わらないということか。


なお、文庫化にあたり、真相に関しては手が入れられています。

単行本を読んだ方でも楽しめるのでは、というのは巻末の

評論です。



オススメ度 ☆☆☆