前回は、フーリエ展開のイメージを


既知の数学的事項


と対応させて、


つかもうとしました。


今回は、初期条件で、与えられている関数形を


フーリエsin 展開で、


表すことを考えます。


初期条件で、与えられている関数f(x)とは、


t=0における波の形です。


すべては、下図に書いてあります。


初期条件よりあたえられる波の形f(x)つまり、


t=0における波の形は、


f(x)=L/(2:a)*x(0≦X≦2/L)


=L/(2a)*(L/2≦x≦L)


です。


フーリエsin展開の展開係数An は、小問4で得られたように、


An=2/L*∫(X=0→X=L)f(x)*sin(kn)dx ①


で与えられます。


これにf(x) を代入して、


0≦x≦L/2とL/2≦L で、f(x) の関数形が、


異なるのに注意して、部分積分で、求めていくと下図のごとく、


解が得られます。



newⅢ-2-no.5



newⅢ-2-no.6


これで、九州大学理学部物理学科平成25年度


問題Ⅲー2の解答は、終わりです。


しかし、フーリエ展開においてまだ、押さえておきたい


事柄がありますが、それは、次回の投稿にて。



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前回は、フーリエ展開の展開係数を求める際には、


関数内積という数学的な方法を用いている。


という事実とベクトルの内積から関数内積へ、


具体的な例を挙げて示しました。


今回は、フーリエ展開とベクトル線形結合との対応を見て、


フーリエ展開の具体的なイメージを見ていきましょう。


言いたいことをすべてまとめると下図になります。


物理でRLC直列交流回路と空気抵抗を受ける


強制振動との対応で、


L⇔M、1/C⇔k、R⇔β(空気抵抗係数)


という対応は、微分方程式の対応により導きました。


このように、数式の類似性から対応関係を見ていきます。





no.4-op5


まずは、完全正規直交系についての対応を見ていきます。


Ⅰ:x軸方向の単位ベクトル または、x軸の基本ベクトル


J;y軸方向の単位ベクトル または、y軸の基本ベクトル


K;Z軸方向の単位ベクトル または、z軸の基本ベクトル


と、言います。


とすると、


①:Ⅰ、J、Kの3つのベクトルの大きさは、すべて、1


②:Ⅰ、J、Kの3つのベクトルはすべて直交関係にある。


上の①、② を満たすとき、Ⅰ、J、Kは、


完全正規直交系をなすと、言います。


また、周期2Lの三角関数も完全正規直交をなします。


次式は、フーリエ展開の際に用いた重要事項ですね。


∫(x=-L→x=L)sin(Km1*x)*sin(Kn*x)dx=L/2*δm,n ③


①、②より次式の成立は明らかでしょう。


ēi・ℯj=δij ④


③式と④式は形が似てますね。


つまりこれは、ēiとsin(Kn*x)とは、どちらも、


完全正規直交系をなすことを示しています。


次に、ベクトルãを


ã=(a1,a2,a3)=a1*ēx+a2*ēy+a3*ēz ⑤


と表します。


この時、次の3つの式⑥、⑦、⑧の成立は、明らかでしょう。


ax=ã・ēx ⑥


ay=ã・ey⑦


az=ã・ez⑧


次に、関数f(x)のフーリエ展開は、一般に次式で与えられました。


f(x)≆a0/2+Σ(an*cos(Kn*x)+bn*sin(Km*x)) ⑨


また、フーリエ展開係数は、次式で与えられました。


an=1/L*∫(X=-L→ X=L)f(x)*sin(Kn*x)dx ⑩


さて、結果は、始めあたりで図で示しましたが、


改めて示しますと、


ベクトルでの④式⇔フーリエでの③式。


これは、


ベクトルでは、基本ベクトルを用いてすべてのベクトルを


表すことができる。ということを示しています。


フーリエでは、sin(Kn*x) とcos(Km*x) を用いてすべての関数


を表すことができる。ということを示しています。


ベクトルでの⑤式⇔フーリエでの⑨式は、


実際に、それを行ったことを示しています。


さらに、次式の対応関係も見えてきます。


ベクトルの⑥、⑦、⑧⇔関数の⑩


これは、ベクトルの線形結合の係数と関数のフーリエ展開の係数


が、対応していることを示しています。


āベクトルのx成分を知るには、āとx軸方向の基本ベクトルīと


の内積を取ればよい、ことを示しています。


Ī、j、K は完全正規直交系をなしています。


関数f(x)の完全正規直交系 sin(Kn*x)


におけるフーリエ展開係数を知るには、


関数f(x)とsin(Kn*x) との、x=-Lから X=Lにおける


関数内積を取ればよい。


ここまでくると、フーリエ展開と既知の展開との対応が見えてくる、


と思います。






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関数内積

テーマ:

前回は、フーリエ係数を求める際に必ずとお、言っていいほど使う


sin,cosの和積の式について書きました。


この時点で、小問4まで終了しました。


実は、フーリエ係数を求める求める際に使った方法は、関数内積


というものです。


そこで、今回は、その関数内積について触れていきます。



no.4-op3


上図のように、ある点を原点にとり、右向きのx軸を設定します。


X軸上のX=0から、X=Lまでの区間に、


X1,X2,X3,…・・・・Xi,Xn-1,Xn というようにn個の点を取ります。


次に以下のような2つのベクトルãとbを考えます。



ã=(X1,X3,X5,…・Xi・・・,X2n-3,X2n-1)


b=(X2,X4,X6,・・、X2i…,X2n-2,X2n)


次にāベクトルとbベクトルとの内積を考えると、それは、


ã・b=X1X2+X3X4+X5X6+X7X8+…・・・・Xn-1Xn ①


で与えられます。


ここで、次のような2つのベクトルⅭとベクトルⅾを考えます。


ⅽ=(f(x1),f(x2),f(x3),f(x4),…・・・・,f(xn))


ⅾ=(g(x1),g(x2),g(x3),g(x4),・・・・,g(xn))


すると、ベクトルⅽとベクトルⅾとの内積は、次式で与えられます。


Ⅽ・ⅾ=f(x1)g(x1)+f(x2)g(x2)+f(x3)g(x4)+f(x5)g(x5)+f(x6)g(x6)+・・…f(xn)g(xn)

 

       =Σf(xi)g(xi) ②


ここで、XiとXi+1との間隔を無限に小さくすると


離散的なXiは、連続となり、②式は、以下のようになる。


②=∫(x=0→x=L)f(x)g(x)dx ③


③式を関数f(x)とg(x)との関数内積と、言います。


③式は、初期条件よりられる関数f(x)の


フーリエsin展開の展開係数Anを求める式



An=1/L*∫(x=0→x=L)f(x)sin(Kn*x)dx ④


に類似していますね。


ちなみに④式は、小問4の解でもあります。


④において、sin(Kn*x)→g(x)と置き換えると③式のような形に


なりますね。


An つまりf(x)のsinフーリエ展開の展開係数を求めることは、


関数f(x)と関数sin(Kn*x)とのx=0からx=Lまでの関数内積


として、与えられます。


この時点で、小問4まで、終わりました。


以降は、次回の投稿で。






 

 


 


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