今回は,神戸大学理学部物理学科編入試験

2015年7月4日実施の大問Ⅲの小問4を

とりあげます。

これと同様な出題は,九州大学理学部

物理学科平成27年度大問Ⅱの一部にとり

あげられてました。

ビリヤード台の上に存在しているビリ

ヤードの玉のどこを突けば,玉は,ビリ

ヤード台上を滑らずに転がっていくか?

という問いです。


玉とビリヤード台との接点をP点,キューで


玉を突く位置をQ点,とします。

このQ点の台からの高さが,h です。

このような剛体の衝撃運動の場合、

原則的には,2つの式をたてましょう。

1.剛体に,作用した撃力は,剛体の重心の

  運動量の変化として,現れる。

  M*vG=f・△t①

2.剛体の重心のまわりに,働いた撃力の

 モーメントは,剛体の重心のまわりの

 角運動量の変化として現れる。

 IG*ω=f*Δt*(h-a)②  

①よりVGが,②よりωが求まります。

ωを表す文字にhが含まれます。

で、滑らずに転がるとは、「P点において、

並進速度VGと回転速度a*ωとが

等大逆向き」、となることだから、

VG=a*ω

を満たすhを求めれば,いいです。

hは,ωの中に、含まれます。

これでも解けますが,九大・理・物理

平成27年度の大問Ⅱをとりあげた際に

述べたように,「相当単振り子の長さ」

の性質を利用すると,瞬時にできます。

相当単振り子の長さJとは,以下で定義

されるものです。

J=(IG+M*h^2)/(M*h^2)


IG:剛体の重心のまわりの慣性モーメント

h:剛体の重心と回転軸との距離

hは,本問では「キューで玉を突く位置と

重心との距離」 です。

またQ点とP点との距離が,相当単振り子の

長さに等しい場合,Q点をキューで突いた

瞬間,P点の速度は,0 です。

またQ点を回転軸として玉を微小振動

させた場合,その周期は,相当単振り子の

長さと同じ長さの質点の単振り子の周期

に等しいです。

このような便利な性質を持つ,

相当単振り子の長さを利用して問題を

解いていきましょう。

玉のビリヤード台との接点Pに対する

相当単振り子の長さJは,

J=(2/5*M*a^2+M*a^2)/(M*a)

 =7/5*a です。

よってP点から7/5*aだけ上にある点が,

求めるQ点です。

故に,h=7/5*a が解です。  

さらに,玉をP点を回転軸として微小振動

させたときの周期は,質点の糸の長さ

7/5*aの単振り子の周期に等しいです。







さて,最後の小問5ですが,これは,実在気体

の状態方程式を使うということで、

難しいのではないか、と身構えてしまい

そうですが,なんのことはない。

ただ,

P=   の式に変形し,PdVを積分すると

下図のように求まります。



これで2015年の神戸大学理学部物理学科

編入試験に全問あたりました。

問題の寸評については,後日,行う予定です

ただ2015年において始めて顔を見せた

大問Ⅲのような小問集合には,感動の一言

です。雰囲気が,一般入試のセンター試験

に似ています。

これからもこの出題形式は,続けて欲しい

と思います。
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今回も前回に続き,神戸大学理学部物理学科

2016年7月4日実施 の編入試験の大問Ⅲ

の続き,小問3のみをとりあげます。

小問3は,分子間力のポテンシャルの安定な

平衡点付近の振動,つまりポテンシャル

振動に関する問題です。

ポテンシャル振動の解法の手順は、

①ポテンシャルU(x) をxで微分てU'(x)=0

を満たすxを求めます。

これで得られたxが,U(x)  の平衡点の候補

です。仮にxの座標をx=a  とします。

また、これは ,F=-dU/dx  の超基本式

から,分子間力F が,釣り合う点x=aを求める

ことでもあります。

②得られた平衡点x=aの近ぼうで,

  U(x) をテイラー展開します。

 U(x) =U(a) +U'(a)(x-a)  

          +1/2*U''(a) (x-a)^2

        +O(x)^ 3    ※

③※上のU(x) のテイラー展開の式※に

  わかった事柄を含ませていく.

U'(a)=0:  x=a は,平衡点

O(x)^3以降は,微小量より無視

④③の事柄へのプラス事項

   x=aの近ぼうにおける粒子の運動方程式

  が,単振動の根拠となる事柄。  

X=a は,U(X)の安定な平衡点

でなければ,その近ぼうで,粒子は,

   振動しない。

よって,X=aは,U(X) の極小点で

  なければ ,ならないので

  U(x)のx=aにおける2階微分係数は,正.◎

  上の事柄を数式で書こうとしましたが,

  アメブロのアンドロイドアプリの調子が
 
  悪く,文章で表さざるを得ませんでした。

⑤以上のことよりポテンシャルU(x) の

  x=aの近ぼうでのテイラー展開※ は,

    以下のように表されます。

  U(x)=1/2*U''(a)*(x-a)^2  ☆

 上の☆の式と、

⑥F=-dU(x)/dx  から粒子の受ける分子

 間力Fは,

F=-U''(a)*(x-a)

となり,x=a付近の粒子の運動方程式は,

m*d^2/dx^2=-2*λ^2*U(a)*(x-a) ◆

U''(a)=2*λ^2*U0

ここで◆式において、

0

より◆式は,中心が,x=a,角振動数ωが,粒子

の質量をmとすると、

m*ω^2=2*λ^2*U(a)

で与えられる単振動を行います。

周期Tは、下図のようになります。















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今回は,神戸大学理学部物理学科

2016年7月4日に実施された編入試験の

大問Ⅲ をとりあげます。

小問5つから構成されています。

今回も大問Ⅲ全体の投稿は,ムリで、

小問1と2の投稿となります。

_(..)_

5つの小問から構成されています。

小問1は,摩擦の発生しない線路上を走って

いる貨車に雨が,たまり質量変化する貨車の

任意の時刻における速度を求めよ、

というものです。

これは下図のように線路をx軸にとると、

貨車にx軸方向の力は,働いていないので,

貨車のX軸方向の運動量は,保存されます。

それを利用して、

m0*v0=(m0+σ*t)*V'

より、

v'=m0*v0/(m0+σ*t)

求まります。





次の小問2は,中心力と速度に比礼する

大きさの摩擦力を受けて運動している粒子

の 時刻tにおける原点のまわりの角運動量

を求めよ、というものです。

下図のごとく水平な板の上に,原点O

として、

(x,y)座標と(r,θ)座標を設定します 。

本問の場合問われている力学量は,原点Oの

まわりの角運動量より(r,θ)座標を利用

します。

ところで、粒子の受ける力Fは,

F=f(r)*r*/r-μ*V  ①

より,中心力を表す第1項の具体例として,

バネをとりあげました。

つまり粒子がバネの端にとりつけられ、

原点Oのまわりを速度に比例する摩擦力を

受けながら回転している運動を具体例

として考えます。

また、下図に示したとうり,運動方程式

dP/dt=f  P=mv

の両辺に左から位置ベクトルrとの外積

をとると、

dL/dt=r×F    ② L=r×P

という「粒子の角運動量の時間変化率は,

受ける力のモーメントに等しい」

を意味する物理の基本式が得られます。

②式の左辺のFに①式のFを代入すると、

dL/dt=ーr×(μv)    ③

が得られ,さらに③の右辺を次のように

変形していきます。

③の右辺

=-r×(μv)

=-(μ/m)]*r×(mv)
  「この変形し,角運動量L をくくりだす

ところを始めに見切るのが、

案外ポイントかもしれない」

=-C*(r×P)

=-C*L

但しC=μ/m なる定数

左辺,右辺には,ベクトルは,同じ物理量Lの

1個しか存在しないのでベクトルLをスカラ

であるその大きさLに置き換えても,

その形のまま,成立します。

結果、変数分離型の微分方程式

dL/dt=-C*L  C=μ/mなる定数

を解けばよいこととなります。

以上の事柄より、

L(t)=L0*exp(-c*t)

L0:t=0における角運動量L の大きさ

C=μ/m

と、求まります。










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