アメリカのある小さな町、ニュージャージー州チェリーヒルは人口1万1千人。この町で連続難病死が続出した。


100万人に1人という難病にかかった女性が29歳で亡くなった。


病名はクロイッフェルト・ヤコブ病―――。


だがヤコブ病で亡くなったのは1人ではなかった。


また一人、また一人で3人。町のボランティアが調べてみると、この町で、ほぼ同じ時期に17人も亡くなっていた。


1日1700頭を処理する、ある牛肉加工工場で、へたれ牛が1日に20頭いたと証言する農務省の元検査官。


だがこの町で、このアメリカで、17人が亡くなった問題もBSEも問題になることはない。


アメリカの新聞、テレビはBSE問題を報じることはなかった。


チェリーヒルまで日本のTBSが取材し、4月23日、報道特集でこの町で起きた奇怪な事件を追った。


番組では、全頭検査を導入したい加工業者にアメリカ農務省は業界団体が反対しているため、それを認めない不条理を報道していた。


ようやくアメリカ政府の正式発表で、ヤコブ病で亡くなった人数は2名、いずれも原因はイギリスの牛肉を食べたためとするが、自由と民主主義を最高の価値観とするアメリカで報道統制が敷かれているとは。


アメリカのテレビ、新聞メディアは一体何をしているのだろう。


日本では食の安全性を求める声が強く、原料生産の場から食卓までのトレーサビリティ(追跡可能性)が欠かせない。


健康に敏感になった消費者がトレーサビリティに関心が高く、これが広がることで食の安全性に担保と安心を与えている。


食の安全と安心にTBSの果たした役割は大きく、同時にアメリカのメディアも食の安全性にもっと敏感にならなければ。


アメリカ国民の命を守るべき政府が、国民の生命でなく業界を守っていては政府の役割を果たしていない。


このことを糾弾できなくてはメディアなどあってないと等しいし、政府を監視するメディアの役割を自ら放棄したことになる。




















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