現代の名工:フレンチシェフ・坂井宏行さんら150人--09年度
テーマ:文化現代の名工:フレンチシェフ・坂井宏行さんら150人--09年度
日本のものづくりを支える卓越した技能を持つ第一人者を表彰する09年度の「現代の名工」150人が9日決まった。表彰式は10日、東京・明治記念館で開かれる。
厚生労働省が毎年選定しているもので、航空エンジン部品の研削加工で公差0・00035ミリを100%合格させる技法を標準化した金属工作機械技術の水野和美さん(59)=愛知県▽注文洋服の仕立てで科学的に分析して新技法を確立した紳士洋服仕立て職の鈴木誠二さん(68)=東京都▽フランス料理シェフの坂井宏行さん(67)=同=らが選ばれた。
現代の名工は67年度から表彰が始まり、表彰者は今年度で計4988人となった。
◇信念貫き「新しい料理」追求--フレンチシェフ・坂井宏行さん(67)
真っ白なコックコート、胸にオレンジのチーフがのぞく。開店を控えて準備に追われる調理場で、立ち姿には一分のすきもない。坂井さんは「白いコスチュームに背の高い帽子が格好良くってね、それでフレンチを選んだんですよ」と笑う。名工への道の第一歩は、スタイルへのあこがれからだった。
そんな坂井さんだから、センスや個性が料理の重要な要素と考える。「1+1が2のままなのか、3にするのか、4にするのかで自分のスタイルが作られる」
今回選ばれる理由となった「フランス風懐石料理」は、そんな発想から生まれた。バターやクリームなどの濃厚な味付けを控え、素材の味を生かし、一皿の量を少なくして、幾つもの料理を味わえるようにした。店に出し始めると、専門家などの評判は「坂井はフレンチを作れない」「フランスで修業していない」と散々だった。
けれど動じなかった。連日盛況を続ける店の様子が答えだ。「これは僕の料理。味は客が評価するものだと揺るぎませんでした」。その後、本場のフレンチでも素材を生かした料理が主流となった。
中国を訪ねた時、老僧から「勇往精進」という言葉をもらった。「勇往邁進(まいしん)」の言葉が知られるが、料理人だから“精進”の方がぴたりとはまる。「『自分の信じたものを勇気を持って続けなさい』と、自分の歩みと重なる言葉に感激した」。後進のシェフたちに、そんな思いと姿勢を伝えていきたい。【東海林智】
(毎日新聞 )
流石、『料理の鉄人』ですね.




