【筆者プロフィール】 

初めての外国。初めて接する中国語。初モノづくしの50代半ばを過ぎた中国駐在は、会社からの「非情」命令。コミュニケーションは殆どが手振りに頼る日常生活は、日々グローバル化が進む中での「浦島太郎状態」とも言えようか。それでも疼く、持ち前の好奇心とその行動が吉と出るか凶と出るかは神のみぞ知る?! 

※ブログは毎週3回更新します。内容はすべて現在進行形の実話に基づいております。また、中国ニュースサイトNEWS CHINA にて掲載中!

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2007-10-16 09:23:29

第42回  美味しい! 知る人ぞ知る、とんかつ「浜ちゃん」

テーマ:「駐在あれコレ」編

 時間があればブラブラしてみるもので、打ち合わせを済ませてから会社への帰途、陽気に誘われて歩いてみた。会社の方向だけを頼りに、気の向くままにである。武定路―新開路―胶州路と歩いて通り過ぎざまに、「浜ちゃん」の店名が目に入った。一瞬、「あの店かな?」と思い戻ってみると、確かにとんかつのお店である。しかし、似たような名前もあるし…何よりその店の場所が分からなかった。会社に戻り名刺を見ると、やはりあの店で、以外に近いところで営業しているのに驚いた。

とんかつ屋浜ちゃん

昨年8月、長楽路にある焼き鳥の店で浜ちゃんこと濱崎雅彦氏にお会いし、名刺を交換していた。この焼き鳥「福ちゃん」も日本人駐在員には大変な人気で、いつ訪ねても狭い店内は客で満席である。日本語が飛び交い一瞬、ここが上海であることを忘れてしまうほど味も確かだ。昔懐かしいしょうゆ味のラーメンがまた泣かせる。ラーメン食べたさに通うのだが、つい焼き鳥とビールに手を出す悪循環で、結局、ラーメンは2回しか食べていないのが残念。


とんかつ

話は逸れたが、濱崎氏が今の地に店をオープンさせたのは2004年の頃ではなかったか。ある雑誌で、日本人駐在員に支持されている飲食店の特集を企画した時、とんかつ「浜ちゃん」が一番に候補に挙がった。実際の取材は、K氏が行ったものだが、濱崎氏の経歴が私の脳裏に焼き付いていた。

もともと日本では設計技師のエリートとして活躍していた浜崎氏は退職後、10年以上も前から上海に来て2つの飲食業にチャレンジしたが、詐欺や裏切りといった「中国リスク」に遭遇。裸一貫になったことは上海では有名な話と言う。失意のどん底から一念発起、日本の味を守る決意を固めとんかつ店をオープンさせた。その味は口コミで広まり、正直、立地条件は決して良くはないものの、噂を頼りに日本人駐在員が訪れる店になったのである。

先週、突然思い立って店に足を向けた。地下鉄2号線静安寺駅の久光百貨店の裏手から北京西路を過ぎて5,6分ほどの胶州路にひっそりと佇む。とんかつの大きな文字がなぜか郷愁を誘う。午後1時を過ぎて客は一組しかいなかったが、落ち着いたシックな内装が濱崎氏の日本の味を守る信念を感じさせるような気がした。とても柔らかい肉に自家製ソースが絶妙にマッチし、口中に日本の味が広がっていく。味噌汁、漬物と日本にいる時と少しも変わらない味に大いに満足。否、上海で味わえるからこそ、さらに大満足する絶品だった。シェフオーナーの濱崎氏にお会いするのも忘れ、日本の味を堪能させてもらった。次回は濱崎氏にお会いしようと思う。

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    第41回 国慶節連休中、人や車も少なく快適。だが、またもやトラブルぼっ発

    テーマ:「駐在あれコレ」編
    この国慶節の大型連休中、帰国せずに上海に止まった。今月末には帰国する予定があるのと7月に帰国しており、その必然性が薄かったことが主な理由だ。それならと、中国の大型連休をウオッチするのも楽しいものと考えたわけである。

    しかし、またもやトラブルが発生した。毎度のことで書くのも嫌になるくらいだ。今回は、10月2日の朝にシャワーを浴びていると、お湯が出るシャワーの頭が取れて落ちてしまった。ネジが緩んだのだろうと思い締め込もうとするが、利かない。見ると、ネジ山がすり減っているようなのだ。すぐに、日系不動産会社のEさんと大家さん顔が過ったが、連休に入ったばかりで連絡はつかないだろう。彼女とて田舎に帰っている可能性もある。どちらにも連絡するのを諦めた。しかし、何とかしなければこの連休期間中、シャワーを使えないことになる。



    そこで急きょ、修理することになった。幸い、こんなこともあろうかと強力瞬間接着剤を買っておいていた。シャワー本体と頭が接触する部分に接着剤を塗りこんで装着。さらには幅広のゴムを接着させてから巻き付けて半日放置しておいた。恐る恐るお湯を流してみると、見事! 成功である。早速シャワーを浴びたものの不安な連休のスタートとなった。

    その不安は見事に的中し、4日の昼にスパゲッティーを作ろうと電気調理器にスイッチを入れるが入らない。先週あたりから接触が悪いのかその兆候はあったが、今度はついに…。しかし、これが壊れれば、簡単な自炊にしても何もつくれない。試しに、コンセントの場所を変えるとスイッチは入る。またぞろ、台所のコンセントにプラグを差し込むと、今度はスイッチが入った。人を小馬鹿にするような電気調理器を投げ飛ばしたくもなるが、所有権は大家さんにあるのだ。やはり途中で電気が入らなくなる、接触が悪いのだろう。使用して7ヵ月でこの体たらくである。今日現在、だましだまし何とか使っているが、「寿命」は時間の問題だろう。



    気分転換に外出も何度かしたが、人の数は普段の4割減といった感じだ。もちろん車の通行量も半減し渋滞は見られない。そう言えば、マンションの住人たちも帰省したのか、いたって静かである。その意味で私は、静かな環境で過ごせた。だが、その逆のケースもあるようだ。

    知人が、昼食に上海一高いバイキングに友人と出かけた。230元(約3500円)もするらしい。ところが、いつもよりすごい人出で、優雅な雰囲気を楽しむ思いも気分は最低だったという。こんな高い店に、なぜ人が集まってくるのか、と不思議でならない様子。「何でこんなに金持ちが多いの」と驚くが、連休中に地方からのお金持ちのおのぼりさんが上海を訪れ、有名な高級料理店に入り故郷に土産話にと訪れる行動パターンはいずこも同じだろう。かくして、知人は高い代償を払わされるはめになり、憤懣やるかたない様子である。

    2007-10-05 12:32:05

    第40回 4階上の騒音が私の部屋に届く? キッチンで寝る羽目に…

    テーマ:「駐在あれコレ」編
     地震の無いと言われる上海。知人は30年ほど前に震度3ほどの地震を経験しているが、日本人が抱くいつ来るかも知れない地震に対する恐怖は殆ど持ち合わせてはいない。16階以上の高層ビルが4000棟も聳える上海。日本中を合計してもその数には及ばないが、どこまでも垂直に伸びる都市空間の発展には一抹の不安を私は抱く。日本と違って基本的には耐震設計ではなく設計構法も異なるのだろうが、工期の早さにも舌を捲く。とにかく早いのである。会社の周辺でも高層ビル3棟が竣工を控え、都市再開発の大規模工事が少なくとも2ヵ所着工している。地下鉄の工事も進み、埃っぽい空気はすっかり上海の代名詞のようだ。



     そんなことを思っていたら、1ヶ月ほど前から私の住むマンションの階上からステレオを鳴らす音が徐々に高くなり、ついには46時中その音が絶えること無く鳴り響きだした。当然、隣室や周囲の住人から注意らしき物音が聞こえるのだが、そうした行為が火に油を注ぐようでますます音量は過激になりどうにも止まらない。さすがの私も深夜1時頃、注意を促しに非常階段を駆け上がった(考えてみれば中国語を話せなかったのも忘れていた)。ところが、10階は寝静まって静かである? 耳を澄ますとさらにその上から音が流れ落ちてきている。不思議に思い、「音源」を確かめるべくまた非常階段を上ったが、なんと、大音量を放つ「音源」は13階であった。私の常識では測れない事実を前に、そそくさと部屋に戻らざるを得なくなった。

     普通、隣室や階上、階下からの音が伝わり騒音苦情になるのであって、4階も上の部屋からの騒音が私の部屋に伝わることが理解できなかった。だが、それを証明するように、「音源」に抗議するかのような壁を叩く音が階上の四方八方から聞こえだした。そうなると私の部屋を含め、相当数の住人が騒音被害に悩まされているのだろう。基本的に鉄筋コンクリート造か鉄骨コンクリートで構造体はできていると思うのだが、音の伝わり方が分からない。今度、帰国したら専門家の方に聞いてみたいと思うが、それを機に、私の関心は騒音ではなく建物の構造について考えるようになった。

     そうは言っても、騒音に悩まされる被害住民と同じく私も一サラリーマンである。朝が来れば出勤が待っている。寝不足は堪えられない。騒音で朝の3時、4時でも目を覚ます。全く熟睡できない日々が続いた。どうせ眠れないならと起き出し、ネットサ-フインに時間を潰す。そもそも、46時中、大音量で音楽を聴き続ける人間とは…。俄然、その人間に興味が湧いてきた。日中は部屋にいなくとも、少なくとも夜の7時から翌朝9時までは大音量の流しっぱなしである。土日ともなると、正に46時中である。いつ寝るのだろうか…常識では考えられないが、考えられない現実を体験している。

    自室にて

    そんなことに関心が移っていて、キッチンに食料をとりに入った。すると、何かが違う。そう、音が消えた、騒音が全く聞こえなくなったのである。これもまた不思議な体験だった。ベッドのある居間は煩いが、ここは別の場所にいるように環境が違っている。いったい全体このマンションはどうなってるのだろうか? 試しに、居間との境界から台所側に頭だけを出して横になってみた。やはり音は全く聞こえない。途端、睡魔に襲われてしまった。何とも情けないというのか、異文化での駐在は、思わぬところで苦労をするものである。

    2007-10-04 11:11:54

    第39回 なぜ私の隣に座るの!? 自己都合を優先させる中国人に戸惑う私

    テーマ:「駐在あれコレ」編

     やはり上海の夏は暑かった。しかし知人によると、今年は例年より暑くはなかったという。仮にそうであったとしても、日本とは暑さの質が違うと感じる。経験したことのない、体がジリジリと痛く溶けていくような強烈な暑さなのだ。これには参った。私の唯一の健康法である、会社までの徒歩通勤が上海の夏の暑さの前にもろくも崩れてしまったのだ。7月中旬までは何とか歩いたものの、会社に着くと汗で体が濡れ、不快でしょうがない。バスタブが無く、朝にシャワーを浴びるように変えた習慣もこれでは何の意味ももたない。さらに、仕事にも差し支える。というわけで、言いわけではないがとうとうバスに頼ることになってしまった。

     朝の道路ラッシュは酷いの一言。車道には通勤の車やタクシー、バスは当然幅を利かせて走る。さらに、二人乗りのバイクや荷物を一杯に積んだ自転車、はたまたダンボールを2メートルも積んだリヤカーまでが一緒に動いている。クラクションが一斉に鳴らされるが、誰が何を注意するクラクションなのか全く分からない。交差点では右折車が合流するため、さらに混乱に拍車がかかる。混沌、ファージィーの中にも「規則」があるのだろう。自然と渋滞している交通が流れていく様は、何度見ても見あきないほど絶妙である。バイクがクラクションを鳴らしてバスを煽る様は圧巻で、思わず吹き出してしまうのだ。



     そんな通勤バスの車内はどうなっているか。私のマンションの近くから始発バスが出ている。停留所2つで会社に着き、料金は2元(約31円)と格安だ。しかし、歩けば25分はかかるのだ。先発のバスが一杯で座れなければ、次のバスを待つようにしている。街の様子を眺めるのが楽しいので、敢えてそうしている。一人用の座席は4席しかなく、あとは2人用だ。できれば一人用に座りたいのだが、なかなか空きは無い。二人席の窓側に座っていると、うら若き女性が隣に座る。!?…。周りを見ると殆どの座席が空いている。どうして私の隣に座るの? と訊きたくなる。このようなことは日本では、まずあり得ないし経験したこともない。知人いわく、「出口に近いとか、その時の「感じ」で座るらしく、「他意」は無いとのこと。しかし、いきなり横に座られ、そのような習慣に馴染みのないこちらは大いに戸惑う。

     そんなことがあってから、バスの車内でウオッチを続けると、確かに乗客は老若男女を問わず、勝手に好きなところに座る。最も驚いたのは、学生風の男二人は、他に席が空いているのに女性が座っている横に一人、その後ろの席に一人が座るというケースもあった(何故一緒に座らないの?)。日本では、他に座る席がなければそいうこともあり得るが、つくづくこんなのあり得ないと思ってしまう。距離が近いというのか、個我が強いというのか、改めて中国人と日本人との感性、行動パターンの違いを考えさせられるバス通勤なのである。異文化の中で、朝から頭は100%回転しています。


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  • 2007-09-28 15:50:14

    第38回 益々グローバル化する日本人 

    テーマ:「友人・知人」編

     日本にいては殆ど聞く機会のなかった話も、上海では身近に聞けることに驚く。中国で一旗揚げようと、独立を目指して意欲的に働くビジネスマンは珍しいことではない。週末などの休日には様々な会合や異業種交流会、県人会などに出席し人脈構築と情報収集のために忙しく動き回っている。中国を拠点に、東南アジアでの人材ビジネスの展開を思い描くA氏もそんな一人で、訊くとすでに叔父が異業種でビジネスを起こして成功しているようで、立派な先達に刺激されているところもあるようだ。その心意気は大変なもので、日本でくすぶる若者にはない清々しさが伝わってくる。


     B氏はすでに成功を収めている日本人といえよう。ただ、物事の考え方や進め方が「日本人離れ」している。香港人、韓国人と家具製作会社を立ち上げて軌道に乗せると、次には、カットだけでも1000元(約1万6000円)はする超高級美容院を上海で開業した。日本から一流の腕利き美容師を招き、技術の違いが口コミで広まり、瞬く間に芸能関係者や富裕層のセレブ御用達の美容院として定着してしまった。

     上海(中国)でビジネスを展開するに当たっての彼の持論は、「日本での成功は通用しない。方法論を持ち込むな」「市場を自分の足でくまなく歩き、肌で感じ、研究せよ」「最上の品質を提供し、最高級の市場を狙え」と言うことだろうか。こうして書くと、どれも当たり前のように思えるが、実際、多くの日本のビジネスがこれの逆を行き躓いている。つまり、日中両国を、同文同種や一衣帯水などの「親しい」関係で形容するメディアの論調によく出会うが、当然、中国は外国である。文化の違いもあり物事の考え方や気質、行動パターンは明らかに日本人とは似て非なるものである。中国人を信用するなということではなく、あくまでも外国人であるとの認識が大前提になる。日本では絶対に物事の順序を間違えない日本人が、簡単に脇の甘さを見せる不思議が理解できない。

     さらに最上の品質の提供。ようやく日本の自動車や家電メーカーも最上品質の製品を市場に投入するようになったが、誰よりも購入者である中国人がそれを見ている。従来、二流品や三流品を持ち込んで「見下されている」と感じていた中国人の気持ちを忘れてはいけない。近年、文化度や消費者の権利も格段に向上した中国人にとって、最高級のモノやサービスを提供しなければ誰も相手にしてくれない時代になった。そして、それら高価なモノやサービスを受け入れる階層は着実に大きくなり、日本の人口をはるかに超える富裕層が市場を形成している事実を忘れてはいけない。なかなか売れなかった同じ洋服に「1000元高い値札をつけたら即、売れた」、という話が示すように、「高い=高品質」的な神話が存在する不思議な世界でもある。日本人が得意とする、本物の最高品質のモノとサービスを投入して勝負できる時代、市場が形成されているということである。



     くだんのB氏。趣味が昂じて欧米人バンドを作り、生演奏を聴かせるライブハウスまでオープンさせた。「儲からなくても、マイナスにならなければ良い」との弁。収支はともかく、上海と言う外国で、しかも欧米人を仕切ってビジネスを展開していく感覚。私の知り得る日本人にはいなく、B氏のビジネスセンスには目を見張るばかりである。フーテンの寅さんには決してない「退路を断つ」強さがあって、潔い。次の展開が気がかりでならない今日この頃である。


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