現在悪意を持ってイソジンを飲むように勧めているように思われる方が多数います。注意してください。

一方、茨城県薬剤師会の薬事情報:
http://www.geocities.co.jp/wallstreet/1795/datugenpatu/991226yousozai.html
ウィキ:
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A4%87%E6%96%B9%E3%83%A8%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%82%BB%E3%83%AA%E3%83%B3
ルゴール液はヨウ化カリウムを含んでいるので、有効なようです。

しかしイソジンについては:
色々調べてみたのですが、イソジンに含まれるのはPovidon iodineと呼ばれるもので、吸収効率があまり良くなく、毒性も少しあります。

ポビドンヨードに触れている記事は私が見た限り、以下の一件だけでした:
”Disaster medicine By David E. Hogan, Jonathan L. Burstein”
305ページにWHOが1999に発行したiodine prophylaxis guidlinesの中で皮膚に塗布した場合に必要な量の確定の必要性について述べていたとのことです(皮膚への塗布は有効であるとも述べられています)。
Google Books:
http://books.google.com/books?id=hgLccSb8DIUC&pg=PA305&lpg=PA305&dq...

他の多くの記事では、ポイドンヨードを多量に飲んだりしないようにとのことです(水質改善剤としても使用されるので、3~5滴ほどなら飲んでも問題ないと思いますので、飲んでおられてもご安心ください。):
http://www.portland-or.com/survive/index.html

Elemental (free) iodine is poisonous, except in the very small amounts in water disinfected with iodine tablets or a few drops of tincture of iodine.

ですから、よほど状況が悪くないない限り口径摂取ではなく、肌からの摂取に限ったほうが良いでしょう。

P.S
通常放射性ヨウ素の体内への侵入対策に使われるのはヨウ化カリウムです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A8%E3%82%A6%E5%8C%96%E3%82%AB%E...
わかめを食べたり、昆布だしのスープでもヨウ素は多少摂取できます。

P.P.S
以下どうしてもイソジンが飲みたい、あるいは被爆の可能性が高い人へ。
=================
まず誤解されていそうなので、説明させていただきますが、イソジンが全く有効でないと言っているわけではありません。

ただ口径摂取で必要とされる量は恐らく数滴ではなく(よく聞くのは大人で三滴から12ml程度ですが、どっから出てきた数字やら・・・)、それだけの量を 取り続けるとなると、ある程度の量の放射性物質に曝される可能性がなければ割が合わないと言っているのです(アナフラキーショック等が起きないとも限りま せん)。

原発の半径100キロ以内に在住で且つメルトダウンが起き、ヨウ化カリウムの入手が困難なときはイソジンを飲み、体に塗り、薄めたイソジンで嗽をすることは十分妥当な行動かもしれません。

ただいくら探してもポビドンヨードの口径摂取についてのコメントは毒だから飲むなという1979に発行された以下の本に書かれたものしか見つからないのです:
"Nuclear War Survival Skills, Original Edition by Oak Ridge National Laboratory, a Facility of the U.S. Department of Energy"

一方でマテリアルデータシート:
http://www.docstoc.com/docs/39310063/Material-Safety-Data-Sheet
によると、ポビドンヨードのネズミでの致死量は8g/KG、75mgから750mgの12週間連続投与で可逆的甲状腺組織の変化と体液中タンパク質と結合したヨウ素の増加が見られたとだけありました(脳への影響は不明です)。

ポビドンヨードを腸内の殺菌用に使用するなどの記事もあるにはありましたから、飲んでもなかなか死にはしないんだろうなぁとは思います。

しかし、国内の医療機関のソースでもイソジンを放射性ヨウ素対策に取ることはすべきでないとしか書かれていません。
緊急被ばく医療研修のホームページでも同様です:
http://www.remnet.jp/kakudai/11/kichou.html

以上の情報で私が言えるのは、「飲んでも多分死なないと思うけど、放射性ヨウ素対策に良いと書かれているのはどれも皮膚からの吸収に限ってなので、少量飲んで効果があるとは限らないし、安全性も保証されていませんよ」と言ったところです。

実際私もどうせ水に入ればKIもPovidone Iodineも電離するから、同じだと思っていましたし、なぜPovidone IodineがKIの代用品として推奨されていないのかは私には解りません。(ただ、KIが金属のカリウムとヨウ素の化合物であるの対して Povidone Iodineはヨウ素と非金属分子の化合物なので、電離する比率や電離のしかたが違うのかもしれませんね。塩素も一度イオン化してしまって水に溶けたとき は少量であれば無害ですが、塩素ガスなどは毒です。あとはヨウ素イオンの状態によって吸収効率が変わるのかもしれません)。

イソジンを飲み過ぎれば当然具合が悪くなりますし、アレルギーを持っていらっしゃる方は死にます。長期的に取り続ければ胃腸内の菌が殺菌されてしまい、後々イーストなどの健康被害をもたらす菌の繁殖を許すことに繋がるかもしれません。

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