前回の記事は、こちら─、
『 ヒュンダイの車を買おうとは思わないのはなぜ…? 』
今年も、流行語大賞が発表される季節となったが、
近年─、
「 お・も・て・な・し 」なる言葉が、
大賞に選ばれたことは、まだ記憶に新しい。
この言葉に集約されるように、こと日本においは、
お客様第一主義が徹底されて来た。
もちろん─、
このこと自体は、良いことだと思うし、
日本が世界に誇れることの1つでもあると思う。
しかし─、
よくよく考えてみれば、我々とて、
企業や組織に所属する職業人である以前に、
マーケットを構成する、いちユーザーであり、
いち消費者でもある。
これまでにも─、
少々、値の張る家電製品の購入から、
日々のランチや、ドリンクの1本に至るまで、
お金を出して物を購入することも、散々やって来た。
つまり─、
通常、社会人であれば、既に十年以上から、
数十年の消費者としてのキャリアがあるわけで、
そういう点では─、
お客様や消費者の目線で考えるなどというのは、
さして難しいことではない。
むしろ─、
難しいのは、そういった消費者が望む、
商品やサービスを実際に形にすることであり、
それだけの商品を形に出来るだけの、
確固としたノウハウを確立するなどというのは、
これまでにも繰り返し述べて来たように、
一朝一夕で築き上げられるものではない。
それでも─、
世間の議論に長けたビジネスマンなら、
お客様あっての技術研究であり、
商品開発だと主張するかも知れない。
しかし─、
これも繰り返しになるが、
例えば、音声データを 10 分の 1 に圧縮し、
UDP パケットでリアルタイムに送受信し合うような、
アプリケーションを、
去年、プログラミングの勉強を始めた者が、
今年には開発出来るようになるのなら、誰も苦労はしない。
不思議なことに─、
必要と思える技術だけを厳選して学んでも、
目的とするものを確立するには不十分なのである。
そもそも─、
人間は「 お客様のために 」などという建前だけで、
十年も一つの物事に打ち込めるほど、お人好しでもない。