練馬みち研 研究員の部屋

みち研の研究員が、日頃、みちについて感じていることを綴ります。


テーマ:
(文責 駒井康一郎 蒔田實)
5. 近年の自転車事故の責任と損害賠償保険
 
自転車相互の事故は当然として対歩行者の自転車事故では、多くの場合加害者は自転車側になる。加害者になった場合には、当然ながら刑事責任と賠償責任を負わなければならない。自転車は、子供から高齢者まで手軽な乗り物として、日常的に使用されているが、自転車には運転免許も損害賠償保険への加入も法的には義務付けられていない。そのため、事故を起こして初めてその責任の重大さを認識させられることになる。
 近年、自転車による事故に対する社会の目は厳しくなり、刑事責任、賠償責任が大変重いものになってきている。即現行犯逮捕や一億円近い賠償責任の判決も出されている。すなわち、ある日突然、平穏な日常が刑務所生活あるいは自己破産に追い込まれることになる。しかし、多くの住民は、このことをニュースなどで知っていても、自らの問題として事の重要性を認識していない。


 5-1 刑事責任並びに賠償責任と判決事例


 過失や障害の程度によって賠償額は異なるが、可なりの高額になっている。加害者が少年など子供の場合は、当然保護者が賠償責任を追わなければならない。判例 5 の小学生の場合は、母親の監督義務の責任が厳しく問われている。さらに、判例 3 の少年の場合には保護処分とされ、判例4 の成人男性には禁固刑の実刑が課せられている。

 5-2 自転車に関する損害保険
 1)区民交通傷害保険 
 小額の保険料で、自動車、オートバイなど様々な交通機関による交通事故にあった場合に、保険金が支払われる制度で、自転車賠償責任の特約がある。自転車などに起因した事故に対して、補償額は最高1,000万円となっている。現在、港区 文京区 台東区 墨田区 江東区 渋谷区 豊島区 北区 荒川区 練馬区10の区で、実施されている。
 2)民間の傷害保険
 一般の障害保険では、自転車特約に加入すれば自転車事故に対しても、補償金が支払われることになっているが、一般に年間数万円の費用がかかる。
 近年の自転車事故による高額な賠償金の判決が出されている状況を受けて、自転車向けの保険が出されている。自転車事故に限ったもので、年額、5千円~1万円程度で、1億円までの補償金が支払われる内容で、子供を含め同居する家族として加入できるものもある。

 おわりに -

 
今回の調査報告は、主として都内を対象としたものであり、東京と云う都市特有の条件がもたらしている事故の現状を明らかにすることができた。また、近年の施策の動向並びに道路交通法の改正などの新たな自転車事故対策や、事故責任に対する社会の見方がより厳しくなって来ている状況を示すことができた。しかし、身近な問題の具体的な解決には、地域に密着した状況をより正確に把握する必要がある。
 機会を改めて、第二報として「大泉学園駅周辺を中心とした現状と課題」を調査する予定である。



参考文献

1 ) 「第32回 総合的交通基盤整備連絡会議 資料7. 都市交通としての自転車の利用について」
2 ) (財)自転車産業振興協会 「自転車国内販売動向調査年間総括表」
3 ) Weekly雑誌ニュース、 「第32回 総合的交通基盤整備連絡会議 資料7. 都市交通としての自転車の利用について」 より
4 ) 警視庁「都内の自転車事故発生状況」( 警視庁ホームページ・平成25年2月)
5 ) 筆者らが、上記 1 ) のデータから算出、整理したもの
6 ) 練馬区HP、東京都HP、電動アシスト自転車(Wikipedia)より
7 ) 練馬区自転車走行環境整備指針 1.2位置付け より
8 ) 「第九次練馬区交通安全計画」「練馬区自転車利用総合計画」「練馬区自転車走行環境整備指針」より
9 ) 「道路交通法」「道路法」「自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律」より
10 ) 「道路交通法」「東京都道路交通規則」「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」
11 ) (一社)日本損害保険協会「知っていますか? 自転車の事故」
12) 岸本 学 「裁判例に見る自転車加害事故」“予防時報”251号(2012年)
13) 産経ニュース 2013,7,13 、 読売新聞 2013, 10, 23   など

AD
いいね!した人  |  リブログ(0)

テーマ:
(文責 駒井康一郎 蒔田實)
4. 近年の道路交通法の改正と新たな自転車ルール
 4-1 自転車に関わる主な法律 9)



 4-2 近年の自転車に関わる主な法律の改正と新たなルール10)



AD
いいね!した人  |  リブログ(0)

テーマ:
(文責 駒井康一郎 蒔田實)
3. 近年の自転車事故に施策の動向
 3-1 近年の自転車に関する施策の動向6)

 上表に示す通り、練馬区においては、平成3年に「練馬区自転車利用の基本計画」が策定されて以来、自転車のより安全な利用促進を図るための様々な施策が講じられてきており、自転車に対する社会的な関心が近年急速に高まって来ていることを示している。特に、平成23年3月11日の東日本大震災以降、非常時にも使える交通手段として、自転車での通勤需要が拡大するなど、自転車の利用はさらに増加していることを受けて、施策が講じられている。

 3-2 近年の練馬区の各施策の位置づけ7)

 自転車利用の中心となる施策は「練馬区自転車利用総合計画」で、これを具体的に推進するものとして、「練馬区自転車走行環境整備指針」が位置づけられている。最上位の計画としては「練馬区基本構想」、「練馬区長期計画」があり、他の計画(「みどりの基本計画」など)とも整合、連携をとりながら計画をすすめることになっている。

 3-3 近年の練馬区の施策の概要8)

  「第九次練馬区交通安全計画」の中では、「自転車の安全利用の推進」が施策として挙げられている。その内容は、「安全利用の推進策」として、①自転車運転免許制度、②幼児用ヘルメットの普及、③自転車利用のルールとマナーを学ぶ機会の拡大、④その他の啓発活動、⑤指導・取締りの強化があげられている。「安全性の確保」として、①安全な自転車利用のための環境整備、②自転車走行空間の整備、③自転車の点検、整備が、また、「放置自転車等の対策の強化」として、①自転車駐車場の整備、②放置自転車等の撤去、③広報活動が挙げられている。
 「練馬区自転車利用総合計画」の中では、基本的に「第九次練馬区交通安全計画」の中で挙げられていた施策が、より具体的に書かれており、それ以外に新たに「ねりまタウンサイクルの充実」が挙げられている。
 「練馬区自転車走行環境整備指針」の中では、「練馬区自転車利用総合計画」の中の「自転車走行環境の整備」に特化し、モデル整備路線の計画が挙げられている。

AD
いいね!した人  |  リブログ(0)

テーマ:
(文責 駒井康一郎 蒔田實)

2. 東京都内の自転車事故の現状
 2-1 自転車関与率(交通事故全体に対する割合)の推移 4)

 自転車関与率は、全国が20%前後で推移しているのに対し、都内では概ね36%前後で全国の1.5 倍の高い傾向が続いていている。

 2-2 自転車乗用中の負傷者数と死者数4)


 自転車乗用中の死者の割合は、全国に対して都内は、自転車関与率と同様の約1.5倍となっている。都内の負傷者の割合は、さらに高く、全国のおよそ2倍になっている。

 2-3 自転車関与事故の内訳 (平成24年中) 5)


注)  全国の自転車単独は、自転車対自動車に含まれる
 自転車関与事故のほとんどは対自動車であるが、対自転車と対歩行者との事故を詳しく見てみると、全国では合わせて 5 % 以下であるのに比較して、都内では 11 % 以上と、およそ全国の 2 倍以上になっている。また、都内の対自転車事故、対歩行者事故とも、全国のおよそ 35% にもなっている。

 2-4 都内の自転車関与事故と事故の場所 (平成24年中) 5)

 対自動車事故は、 6 割以上が交差点で起きており、交差点付近を含めるとおよそ 四分の三になっている。これに対して、対歩行者と自転車単独事は、半数以上が単路で起きており、際立った違いがみられる。

 2-5 練馬区内の自転車関与事故件数 と3カ年の推移 ( 都内全域との比較 ) 5)
  a. 練馬区内


  b. 都内全域


 総件数、自転車関与件数とも、練馬区内は都内全域のおよそ 4~5% であるが、自転車関与率は都内全域よりもさらに高くなっている。また、平成 22 年以降、事故総件数、自転車関与件数がかなりの減少傾向を示している。

いいね!した人  |  リブログ(0)

テーマ:
(文責 駒井康一郎 蒔田實)

はじめに
 練馬みちづくり研究会では、住民参加による道路整備の先進事例として、「千川通りにおける緑道整備」や「中村橋駅周辺のバリアーフリー化事業」を学ぶとともに、道路整備が計画されている「石神井公園駅南口の公園通り等の商店街」、「大泉学園駅南口の135号線」などについて、自由な意見交換をしてきた。
 これまでの約 1 年にわたる 6 回の研究会を振り返って、改めて今後の研究会の活動の方向を見直すこととし、第7 回の研究会では、「道づくりに対する研究会メンバー各人の想い」を語り合った。その結果、最も関心の高い課題の一つとして、「自転車」がクロースズアップされた。

 そこで、筆者らは、「これからの道路と自転車の在り方」を検討するために、自転車にはどの様な危険にあるのか、事故はどの様に起きているのかなどの現状を調べることから、問題点を明らかにするための調査をすることとした。

 限られた期間と素人の作業で不十分なものであるが、とりあえず、得られた調査結果をここに取りまとめ報告する。今後の研究会での議論に少しでも役立つことを願っている。


1. 自転車事故をとりまく背景

 1-1 自転車及び自動車保有台数の推移 1)


 2008年の都道府県別の自転車普及率は、埼玉、大阪に続き、東京都が72.2台/100人と高い普及率となっている。自転車の普及には地理的影響など様々な要因が考えられるが、比較的都市部での普及率が高くなっている。(社会実情データ図録HPより)

 1-2 1店当たりの車種別販売台数(平成14年~平成24年)2)

 シティ車、ホーム車と呼ばれる自転車が販売台数の大半を占める。ほとんどの種類の自転車の販売台数が横ばいか下降している中で、スポーツ車、電動アシスト車の販売台数が着実に伸びてきている。


 1-3 年代別自転車雑誌創刊数3)

 近年、自転車に関する雑誌の創刊が増えている。創刊年が古い雑誌は、スポーツとして自転車を楽しむ内容のものが多いが、ここ数年の間に創刊された雑誌はライフスタイル、ファッションとして気軽に自転車を楽しむ内容のものが増えてきている。


いいね!した人  |  リブログ(0)

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。