○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●

【ス・○・ビ非公式ファンサイト有志同盟からのお願い】

原作画像を掲載しているなど、原作への著しい権利侵害が見受けられるサイト様からのリンクは拒否させていただきます。

心当たりのある運営者様へ。この【お願い】文章を載せているサイト&ブログに関しての名称と作品名、そしてリンクの即時削除をお願いいたします。
(原作画の無断掲載、原作のただ読み&アニメや音声等の違法ダウンロードなど、原作側の利益を大きく損なう行為に加担するサイトへのリンクは拒否いたします。関連二次壊滅の危機を迎える前に対処してください)

○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●

 

*一部記事をアメンバー限定に移動させております。無断で貼られたリンクが削除されるまでこの処置とさせてください。*

 


 ネジの落ちたキョコさんに蓮さんはどうでますやら?

 

 


✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄



 

俺がどれだけ肝を冷やしたと思ってるんだ……
 
 
 
本当に、世界から光が消え失せたようで食事どころか水さえ喉を通らずにいたんだ。
最上さんが倒れて意識が戻らない、そう聞かされたのはよりにもよって映画のPRの為に訪れていた日本から遠く離れた母国の地でだった。
スケジュールを詰めに詰めまくってもらって文字通りに飛び乗る勢いで乗った日本へと帰る飛行機。
穏やかな敦賀蓮の上っ面さえ被る余裕もなく、イライラと爪を噛み踵を小刻みに踏み鳴らしていた。どうか……彼女を失わないで済むのならなんだって、それこそ俺の魂だろうと喜んで差し出そう。
連日の詰め込まれたスケジュールと睡眠不足から、真っ白な服を着てどこかへふわふわと行ってしまいそうな最上さんを捕まえる白昼夢さえ見ながら、やっとの思いで辿り着いた空港。
社長から迎えを仰せつかったと待ち受けていたのは、褐色の肌をした社長の付き人。
原因不明の昏睡から持ち直したと教えてもらったけど、一時は心肺停止まで陥ったなんて聞かされて…………
もう逸早く、ひと目でも最上さんの無事な姿をこの目で確認して安心したいと、念のための検査で入院している病院へと車を走らせてもらったんだ。その道すがら、そわそわと挙動不振な俺に彼が言ったんだ。
「検査の結果、異常はありませんでしたが…………皆さま曰く、どうやらネジが数本程抜け落ちてしまわれた状態でいらっしゃるようです。」
ネジ……って、どういうことだ???
 
 
 
 
 
なるほど、こういう事か。
ネジ?なんだそれ?まさか後遺症とかなのだろうか?なんて、まだ彼女を失ってしまう可能性があるのかと心臓が痛くなる思いをしていたのに……
病室のベッドに座った最上さんは、俺を見ると少しびっくりした顔をして心配を掛けた事を謝っていた。その様子はいつもの最上さんで、本当に大丈夫なんだって安心していたんだけど……
社長の付き人の彼が、退院の手続きをして来ると言うので少し、ほんの少しそちらへ意識を向けていただけなのに。
振り返ると、ベッドの上の最上さんはもう俺なんて視界にもいないかのように、まるで自分だけの世界に引きこもったみたいにボソボソと何かを呟いていた。
「最上さん?」
名前を呼んでも、目の前で手をヒラヒラと降っても、ぼんやりとした様子で何かを考え込んでいる様子の彼女。
前々からメルヘン世界へ飛んで行く事はあったけど、ここまでじゃなかった。これが、ネジが落ちたって事なのか?
なんて思いながらも、本当に大丈夫なのかと容態を窺っていれば…………
本当に、この娘は……どうしてくれようか?



恋に傷付き恋愛を拒絶したラブミー部の彼女から存在を抹消されてしまわないように、それとなく匂わせるような俺のアピールなんてすっぱりと綺麗に切って捨てていた手強いラスボス。
そんな先輩と後輩の立場からいまいち踏み込めないままに、焦がれて来た愛しい彼女のボソボソと唇からこぼれ落ちる
「……今なら……仕事、調整…………育休、ケア…シングル……費用」
なんて首を傾げたくなるような言葉たち。
そうして、何かを決意したのかグッと手を握りしめた最上さん。
「だって、欲しいんだもの。」
「……何が?」
思わずに聞いてしまった俺に、ぼぅっとしたまんまで答えた君。
彼女が欲しがったもの……彼女の子ども。
「誰との?」
恋人でもないのに身勝手に燃え滾る嫉妬。
最上さんが、もし誰か男の名前でも口にしていれば……どうなっていたか自分さえわからない。
思い返せば、俺のそんな感情に敏感な最上さんがビクリとも反応さえしなかった事も……ネジが落ちていた所為なんだろう。
「誰、との……?」
でも、きょとんと不思議そうに小首を傾げた彼女。
「誰……?……誰か……誰でも?男のひと…………お酒?」
最上さんの唇からボソボソと続けられる言葉。それが「……ゴムに穴?」までこぼされた時、決めた。
ネジの抜け落ちた彼女へ、優しく言い聞かせるように告げた。
「そんな行きずりの男、危険だよ。それに、そうだな……君の希望は?」
世の女性がよく言う、3高?だっけ。高学歴……はあんまり自信ないんだけど、ふん?と首を傾けた彼女に拘りはないようで、高収入……ブンブンと首を振る彼女はこれも食い付きはなし。残りの高身長……には「背、は……高い方が……いいかな?」との答え。うん。問題なし。
「じゃぁ、見た目は?」
……はじめて出会った頃に彼女の王子様の座を得ていたアイツ、それなりに整った容姿をしている。最上さんが、メンクイだったとしてもおかしくはないだろう?
俺だってよく美形なんて言われてはいるし、最上さんだってよく神の寵児だとか言ってはいてくれてたし……と、少しドキドキしながら最上さんの目の前へと顔をかざして
「そう。例えば、こんなのとかどうかな?」
と、自分の顔を指差して尋ねてみる。
「……この上ありません!!」
キュッと胸の前に指を組んで、キュラキュラと輝いた瞳で俺を見上げてくれた最上さん。
「じゃ、決まりだね。」
そんなかわいい彼女へと、にっこりと笑って決定を告げてみせる。
なんの問題もない。そうだろう?
彼女は子どもが欲しい。
俺も彼女となら子ども、も欲しい。
何よりも、最上キョーコが欲しいんだから。
身重になれば彼女の機動力も落ちだろうし、ゆっくりと口説き落とす。
デキ婚、上等!望むところだっ!!



あぁ、タイミング良く付き人の彼が帰って来た。退院の手続きが済んだみたいだ。
少し腑に落ちないって顔はしているが、まだ数本はネジが抜け落ちている様子の最上さんの肩へ腕を回して病室からエスコートする。



さぁ、一緒に帰ろうね?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
最上キョーコから抜け落ちたネジ、しりませんか?
 
 
 
……ん?ネジをどうするって?
そんなの、ネジが戻って彼女が正気に戻って逃げ出したりしないように。
完璧に俺のものになるまで、キョーコの手の届かないところに厳重に保管するに決まってるでしょう?
 
 
 
 
✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄

 
 
| 壁 |д・)……ほらね、いつものアホ話。
このいまいちネジの足りないでいるままなキョコさんを、やんわりと言いくるめてはまんまとうまうま既成事実を作ろうとなさるだろう似非紳士。


その詐欺師から水を得た魚な夜の帝王の手口と口八丁な胡散臭さっぷり……とかとか妄想すると楽しいんすけど……
どうでしょうかね?
(σ・∀・)σ



↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


web拍手 by FC2