壁|д')さーて、皆様
クリスマスが終わったとお思いか?
否、クリスマス……いやキョコ誕は終わらない!
何故なら曲解な君と臆病者への贈り物。の続きをって言ってもらった猫木が調子に乗ってしまったから!!
24日の深夜な気分になるまで時計の針を巻き戻してくださいな☆


んでも、なんだか期待していただいであろう方向性から間違えた気がひしひしと……
まぁ、いいか。箱に詰めて置いていってしまおう。
ピューッ!≡≡≡ヘ(*゚∇゚)ノ



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男はその扉を開け部屋の中、ドレッサーの前に座りこちらを見上げる琥珀色の瞳ににんやりと笑ってみせると部屋の隅にあったスツールをドレッサーの横まで引きずって来て腰を下ろした。
きょとんと不思議そうな表情は、きっと男がジャケットを仕舞いに数秒ほど前にウォークインクローゼットに入って行った筈なのに、寸分かわらずスーツ姿のまんま出て来たせいなんだろう。





「……最上さん」


膝に肘をついて覗き込むように、蜂蜜のように甘く低い声でキョーコをそう呼んだ。
彼女を呼び捨てに呼ぶ事を許されてから後は、浮かれはしゃいだように『キョーコ』と、事あるごとに嬉しそうに頑としてそう呼び続けていた男が。
「どうしたんですか?」
細い首が小首を傾げると同時に、アップにセットされた長く伸びた髪もさらりと揺れる。今年、蓮が彼女の為に用意したのは、雪の妖精みたいな銀色に煌めくビスチェドレス。ブラウンカラーの髪の上にあった髪飾りと、ちょうど今その片耳から外されているイヤリングと白いデコルテを飾るネックレスは、光によって色を変える魔法の碧の石と金剛石。
綺麗に、咲き誇る大輪の花のようにしなやかに美しくなった乙女。
「いや、そう呼べるのも……あと少しだねって」
足長おじさんなんて、開催者に躍り出て一番の注目を集めないと気が済まない事務所のお騒がせな社長の手に完璧に主催が渡ってから数度目のグレイトフルパーティ。
イブから彼女の誕生日の祝いへと日付けが変更された後も長々と続くのがお約束となってしまっていたそのパーティから、今年こそはキョーコを独り占めするべく前々から水面下で火花を散らして奪い取って攫って来たのだ。
ほわりと、ほのかに赤らむ頬。誤魔化すみたいに蓮から目を逸らして外したイヤリングをドレッサーの上に並べる。
あぁ……綺麗になった。と、そんなキョーコを見つめる蓮は素直にそう実感する。
イヤリングを追ってネックレスが鏡台の上に置かれたところで横から伸びて来た男の腕がキョーコの身体を自分の膝の上へと抱き寄せると、いつもの視線の高さと違って少し見上げる形になった少し戸惑ったキョーコの表情を覗き込むように見上げて告げた。


「ねぇ、さっきまで俺が…年前の過去に行ってたんだって言ったら、信じてくれる?」


企てた悪戯を唆すみたいな笑みをその形の良い唇に浮かべて歌うように楽しげに。
きょとっと、視線を目の前の男のオールバックの黒髪からその完璧な比率の骨格と体躯を包むダークグレーのピンストライプのスーツ生地へと滑らせるその時間にして2.04秒ほどの間を置いて「あっ!」っと思い当ったらしいキョーコ。
クスクスと喉の奥で笑う蓮はさり気無く左手の腕時計を確認する。ちょうど、カチリと針が12時を刻む。
「誕生日おめでとう、キョーコ」
嬉しげに、少しだけ得意げに低い声が囁く。
誰よりも真っ先に誕生日を祝う喜びも、止まっていた腕時計の時を動かそうと思えたのも、全部この腕の中の愛しいひとが蓮の手を取って寄り添ってくれたから。
だだ漏れな神々スマイルで、キョーコの唇にくちづけようと抱き寄せた蓮は
「…………なんか、複雑です。」
ぺしっと顔に降ってきたキョーコの白い手に押し退けられてしまう。
あれからどれだけ大変だったか……私もわかんないのに勝手にひとりで大魔王だし、話ちっとも聞いてくれないし、妖精を捕まえたなんて嘘つくし、最初に祝うのは譲るとか言って置いてお祝いしてくれたのなんて25日の日付が変わりそうになってからだったし、夜の帝王で迫って首に噛み付くなんて破廉恥だし……
ぷいっと頬を膨らませ、ぶちぶちと不服を零すキョーコ。押し付けたキョーコの手のひらの下、蓮の唇が震える。
プッ……くっ、あははは
堪え切れないと肩を震わせて噴き出す蓮。ゴージャスターでパーフェクト大人紳士な敦賀蓮のイメージから外れた笑っぷりに、更に頬を膨らませるキョーコにますます蕩けるように笑う。
「ヤキモチ?大丈夫、曲解してるキョーコもどうしてくれようってほどかわいかったけど、今のキョーコもかわいくて綺麗だよ……それこそ、噛み付きたくなるくらい?」
本当、誰かに奪われちゃう前に臆病者の背中蹴飛ばして来て良かったなんて揶揄うように笑う蓮と、むーむーとその腕から逃げようともがくキョーコ。もちろん、そんなキョーコを逃すつもりなど小指の爪の先ほども持ち合わせてやしない蓮はぎゅうぎゅうとキョーコの身体に腕を巻き付けて強請る。


「ね、『嫉妬深いなんて言うくらいだったら……好きな子に噛み付けばいいじゃないですかっ!!』って言って?」


あの日、綺麗にドレスアップしたキョーコに馬の骨が付かないように廊下で待機して誰も入らないようにしておいたのにキョーコの首に付けられたキスマークと歯型に揺さぶられていた蓮の枯れたゴム紐の理性、その最後の一本をぶっち切りにしたキョーコの言葉。
「っ!!ダメです!絶対に言いませんっ!!」
ただでさえ混乱の極みにいた、蓮の恋心故の嫉妬が向けられてるだなんて微塵も思いもしていなかったキョーコを襲った嵐みたいな熱を思い出してしまったキョーコは頬を真っ赤にしてそう叫ぶのだけど……
「ふぅぅん、絶対ね。それは……どうしても言わせてみたくなるね?」
飢えた瞳をした獣は妖艶に、そう宣告すると膝の上のキョーコの身体を横抱きに抱き上げる。
その腕が運ぼうとしている先が容易に想像出来てしまったキョーコは焦って叫ぶ。


「ダメですからね!だって、明日は……」




蓮の、その生涯に渡ると余裕で言い切ってしまえる程の執着と重量級の愛情を天然タラしてコマしな遊び人の戯れで、きっといつかキョーコを捨てる時が来るだなんて言い切ってのけたキョーコ。
信じられないと啖呵を切ったキョーコの目の前で見せ付けるみたいに署名して突き付けた書類。そう、まだ交際もなく、もちろんなんの予定も心構えもキョーコにはないあの頃でだって、何かのきっかけさえ有ればキョーコの人生ごと即座に絡め取るつもりで寝室の奥の奥に密かにこっそりと隠して所持してしまっていた程のそら恐ろしい執念。
俺はいつだって、今すぐにだって大丈夫だから、いつか君が俺の愛を信じらるって思えたら提出してくれ。君が信じてくれるまで、全力で愛してみせるから!』
その胸に秘めた恋心を白状したくせに頑固な恋愛拒絶曲解者のままだったキョーコに、ケンカ腰な勢いでの言い合いの末にまるで果し状かと思う勢い蓮がで叩きつけた言葉とそれ。
普段滅多におねだりどころかプレゼントさえ許してくれないキョーコが、今年の誕生日の贈り物にと蓮に願ったこと。
『貴方の人生が欲しいんです。一緒に提出に行ってくれますか?』
それは最愛のキョーコへと贈ると同時に、なんとも幸福なる蓮への贈り物。





じたばたともがくキョーコを悠々と腕に抱き上げたままウキウキと楽しげに歩く。
ニヤリと笑ってみせる笑顔は、キョーコが夜の帝王と呼んでいるそれで。
ブンブンと振られているだろう尻尾、それがかわいい捨て犬のものじゃなくって狼のものだと身をもって知ってしまっていたキョーコ。
キョーコは叫ぶ。





「私……歯型とキスマークが首に付いた会見なんて嫌なんですからねっ!!」






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キョコさん、反撃に噛み付いちゃいなよ。
(*ΦωΦ)


ふたりしてキスマークと歯型を付けて金屏風の前に並んじゃったり?
きっと、キョコちゃんは始終真っ赤で小さくなってるけど蓮くんは嬉しそーに浮かれて見せびらかすんでしょうよ。笑



某まじーん様、ぽぴ様、ちびぞう様
こんなものに成り果てましたー、期待外れだったらごめんなさーい。
εεεεεヾ(*´ー`)ノトンズラッ


↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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