ハンター様がいらっしゃっいまして、籠に詰めたら持っていってくださるとの事をでしたので
狩人魔人sei様の4周年企画第2弾に参加させていただく事となりました。
ありがたいっすねー。( ´ ▽ ` )ノ☆


蓮さんの誕生日、なにか出来やしないかと……仕事終わってから急遽拵えた即興ものにてございます。
更に言えば、甘さナッシングです。←
ぬるりと生あたたかな目でご覧いただけますようお願い致しますのよ?
( ´ ▽ ` )ノ 


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この恋はなんて俺に不利なんだろう。
こちらは最初っから総崩れなボロボロの戦況、両手を上にして武装解除完了で白旗掲げて全面降伏ってくらいのあっぱれなまでの惨敗っぷり。
でも、しょうがないじゃないか。
惚れたほうが負けって言うだろ?
そんな俺に君が言ってくれたんだ。


『あの……お誕生日のプレゼントに欲しいものとかって何かありますか?』


この好機、逃がしてなんてなるものかっ!!



*****



からかって遊ぶ腹づもりでいた俺の馬鹿。
いや、朝一はご機嫌だったんだよ!!見慣れた筈の俺が眩しいなんて思うほどに麗しく幸せそうなほくほく笑顔で。
蓮くんも俺にいろんな表情を見せるようになったよなぁ~、これって絶対キョーコちゃんの影響だよな!なんてニヤニヤしてたんだよ。
左ハンドルを違和感もなく握っているそいつは言ったんだ。


『今日は仕事、全力で巻きでお願いします。そうですね、21時には上がれるようにしますから。』


ちょっと待て、オイ!?予定より2時間以上だとっ!?



*****



にぃっこぉ~り。


今、この場所に最上キョーコがいたならば『キュゥラキュゥラの似非紳士スマイル』とでも、小動物のようにぶるぶると身を縮め震わせながらそう表現したかもしれない。
が、幸か不幸か今、巷で話題の来期からの敦賀蓮主演なドラマの撮影現場なる現状には、そんな蓮の心内など思い計って感じとってしまえるのは、顔色悪く薄っすらと冷や汗をマネージャーにしておくには惜しい美貌に浮かべた社ただひとりであった。
本日のお仕事予定ラストなここまでは、恐ろしく順調だった。
肌の色艶ハリさえいつも以上に良い蓮がトロけるような笑顔で、わらわらと降りかかるようなお誕生日の夜のお誘いを掛けてくる女優アイドルタレントスタッフなどの一切合切をスマート紳士に振り切って。
もちろん、仕事の質も落とさずに。口八丁と笑顔プレッシャーで周りを巻き込みに巻き込んで。
ちょっぴり……いや、だいぶハラハラもののドライビングテクニックを社に披露しながらの本日の移動中の車内。そこで、好奇心を抑えきれない社が聞き出したご機嫌と今日の終わりを巻きにしたい理由。
「誕生日にリクエストしたんですよ、彼女の『ひとさしゆび』を。」
それを早く受け取りたいのだと。
人差し指?お約束な左手薬指……少し捻くれて拇印な親指でさえなく人差し指?と、不思議がる社はあの手この手で蓮に白状させようとはした。
結局、あの闇の国のお方をチラリと召喚してしまっただけで終わってしまったが、そう語る蓮の年相応な恋をする男の欲を滲ませた笑顔、その嫌になるベタベタな甘さと色気に………どうせ、ちょっとアレな事だろうと社は蓮に見つからないようにニヤけるだけにして全力でスケジュールの調整に精を出したのだった。
なのに、ここに来て何故か衣装の紛失騒ぎに小道具のミスにカメラの故障までもが重なり、トドメにドツボにハマりNGを積み重ねる共演者。




『どうしても……どうしても、それじゃないと…ダメ…ですか?』
うにゅぅっと眉を落とし、恥ずかしげに頬を真っ赤に染めて蓮が無表情で硬直してしまうあの上目遣いでもじもじとそう尋ねるキョーコを拝み倒す勢いで強請った誕生日プレゼント。
蓮がその重っ苦しいまでの重量なる想いで、外堀を埋めに埋めながらもわらわらといた馬の骨を威嚇し蹴散らし、油断させて追い詰めて脅して言いくるめて懇願し逃すものかと愛を告げて絡め取り……ついに蓮の手に堕ちてくれた最愛なる恋人。
その彼女は、天然記念物的な歩く純情さん。
お国柄的にもオープンでスポーツのような感覚でさえあった彼とは、経験値はもちろん……許容範囲さえ段違いなレベルで。
もう絶滅危惧種なまでに奥床しい大和撫子な彼女、異性と肌を重ねた経験などある筈もないそんな真っさらな彼女は……ある意味とても頑なだった。
蓮がしたいとひっそり密かに望んだあんな事やこんな事など夢のまた夢。シャワーを浴びた後の夜の暗い寝室のそこ以外で楽しむなども問題外で………
つまり、涙目でキョーコに嫌がられるとどうしても折れてしまわざるを得ない蓮は、手に入れた愛しいキョーコ、その熱と肌と声をまだ己の腕と皮膚と耳でしか味わえてなかったのだ。
それこそ目に入れても痛くもないほどにかわいいキョーコ、その滑らかな肌が色付く様を……艶めいた声をあげ啼くその表情を……目に焼き付けるまで堪能したいと渇望した蓮が願った誕生日のプレゼント。
最上キョーコの『ひとさしゆび』。
羞恥に頬を耳を、首すじまで堪らなく美味しそうに薔薇色に染めたキョーコとすこーーーし強引に取り付けた約束。 


寝室の照明ランプ、そのスイッチを押す彼女の『ひとさしゆび』を今夜プレゼントしてもらえるのだ。


 

時計の針はもうそろそろ22時を指す頃合い。
より一層に深くなっていく秀麗なる蓮の笑みと反比例する張り詰めていくスタジオ内の空気と社の顔色。




そんな蓮はまだ知らない。


彼の事務所の傍迷惑なまでに本気な愛の伝道師たる社長。
ラブミー部のラスボスの攻略報告をしてなかった事でご立腹であるその社長が、嫌がらせの勢いで開いた企画者が楽しむための本格的すぎるゴージャスな事務所の看板俳優の誕生日パーティー。
そこへ、蓮を誘き出すためのエサとしてキョーコが既に拉致されてしまっている事も
勝手に彼を主役として開かれたそのパーティーをキョーコと共に抜け出すのに四苦八苦して………



彼の特別な誕生日のこの夜が終わってしまうだなんてそんな事を、まだ。




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限定行きな蓮さんがイイ思いをするお話にしようかなぁ……とか、思ってた筈がなんでこうなったやら?
まぁ、いっか。オアヅケ情けな哀蓮さん最近の猫木のブームだし。笑
(´艸`)*


気が向いたらバレンタインと連動させて『ひとさしゆび』な限定なやつでも作ろうかなぁ?需要ないかな?そうだよな。



とりあえず
敦賀さん、お誕生日おめでとうございます☆


。゚✶ฺ.ヽ(*´∀`*)ノ✶゚ฺ



↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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