ちょっと北の国に遊びに行っておりました猫木です。
2度ほど転びそうになりました。
まっしろ雪景色、きれいでした。
北の幸、うまうまでございました。
ペンギン、らぶりー極まりなかったっす。


さて、そんな中、この勢いだけで作ってしまった妄想駄文の書き散らしブログ、1周年を迎えておりました。
んで、半年の時にフリーであげた
の続きなものを予約投稿してたつもりで……………


失敗してましたとさ。そんで、今の今まで気付きもしなかったとさ。
ごめんなさーい(´Д` )
はてさて、そんなまぬけた理由で遅くなりました。
あ、需要があるのか謎ですがフリーとさせていただきまっす☆


 

゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,




この機械仕掛けの鉄の箱、いつも思うのだけどもっと上昇速度を速くするべきだ。
彼ひとりのエレベーターの中、珍しくも早めな時間で帰宅出来る事なり、もう外面温厚真摯な敦賀蓮などベロッと脱ぎ棄ててしまった久遠の頭の中はそんな不満でいっぱいである。
それもその筈、彼は如何とも冷まし難いドロドロに粘着質で重量級の重っくるしいまでのアツアツな情熱をただ己の妻ひとり、その一身に捧げる度を越した超絶な愛妻家なのだから。




『ハニー・マーブル・ヴィタヴィーノ☆』




やっと最上階へと辿り着いたエレベーターのドアをこじ開ける勢いの久遠。
いそいそとその長いコンパスを駆使して、でもどこか気配を殺すよう静かに、フロアにひとつしかないドアへと歩く。
ピッと小さく響く電子音の後、その大きな身体をドアの内側へとすべらせた。玄関から続く廊下、そこを足音を立てないようこっそりと、今ならコソ泥役なんかも上手く演れそうだなんて久遠のビジュアルとキャラクターから到底来そうもないオファーを思いながら忍び歩く。
何故、久遠がこんなにもこっそりと帰宅しているのか………それは
嬉しそうにお出迎えをしてくれる妻もかわいいが、突然の帰宅に驚く妻もたまらなくかわいい。
などと言う、どうしようもないある意味バカバカしいものだが、久遠本人は至って真面目である。
そんな真面目久遠がセンサーでも搭載されているのかの如く妻の気配を探り辿り着いたのは、結婚に際して妻にも無断で無理矢理に劇的なビフォーでアフターにしてしまったアイランド型キッチン。
そこにいた久遠の贈った白いふりふりなエプロン姿の後ろ姿までかわいらしい最愛の妻。
ふんふんとちょっぴり古臭いような鼻歌を歌いながら挽肉を捏ねている。どうやら今夜のディナーはハンバーグであるらしい。
なにか良いことでもあったのかな?などと、久遠が思いながらもご機嫌な様子を愛でていると……
「やっぱり……驚くかなぁ?」
愛らしい妻の唇から溢れるつぶやき。
どうやら久遠の愛しい妻はなにかしらの『さぷらいず』があるらしい。
久遠は先手必勝とばかりに、まだ背後の久遠に気付かぬ無防備な妻の後ろへとサッと移動するとぎゅぅっと抱き寄せた。
「なにで驚かせてくれるつもりなのかな?」
「きゃぁ!……もぅびっくりするじゃないですか!?敦賀さん!!」
ビクッと跳ねた身体が、久遠だと確かめるとふにゃりと安心したように笑う。その笑顔に久遠の心臓はきゅぅっと締めつけられてしまう。
ただいまとおかえりなさいを、べったべたに甘ったるい空気の中で交わすふたり。
「キョーコはいつまで俺のこと「敦賀さん」って呼ぶの?敬語もちっとも取れないままだし……」
久遠は、ハンバーグの形成を終えソース作りをしている妻の肩を抱いたままその栗色でふわふわの髪に頬を寄せ、ちょっと不満げにぼやく。
「だって、もう癖になっちゃってるんですよ………それに………」
べったりと背中に久遠を貼り付けたままキョーコはそう言って少し黙り込む。
「それに?」
久遠って呼ぶと寝室に連れ込まれちゃうじゃないですか?あたりの返答を想定しながら、続きを促せば
「………『パパ』って呼び慣れる方が速いかもしれないですよ?」
俯くキョーコ、そう小さく小さく囁くように言って久遠の手を薄いおなかの上に乗せる。
衝撃に息を飲む久遠。
「…………『さぷらいず』じゃ…ないよね?」
「サプライズの方が……よかったですか?」
久遠に向けたままのキョーコの背中、きゅぅっと細い肩が不安に揺れている
「まさかっ!!嬉しい!……嬉しいよ、キョーコ……ありがとう」
その肩をぐるりと振り向かせた久遠。
破顔したその瞳には薄っすらと涙が滲んでいた。
ぎゅうぎゅうに抱き締められキョーコの手が久遠の背中を撫でる。





決して、光に満ちたなだらかな道ばかりではなかった。
壁に阻まれて腐り、闇に飲まれそうになったことだって、幸せになることも本来の自分も許せなかったのとだってあった。

 

それでも……あぁ
今ここある、目の眩むような蜂蜜色に輝くあたたかな幸福。
それを、ただ強く抱きしめていた。





゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,



新婚さんでいちゃらぶったら、次はベビーじゃね?………なんてね。
まぁ、猫木には妊娠した経験がないのでどっか変でも許してあげておくんなんし。


んで、こちら1周年の企画っぽいものな「妄想、募集中です!?」
に、ちびぞう様よりいただきまし続きリクっぽいものからぽちぽちとした物体にございます。


これからしばらくは、こんな感じの続きっぽいものを作ってこうと思いますのですよ。
よろしければ、これからもこんな猫木の駄文にお付き合いくださいまし。
( ´ ▽ ` )ノ



↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


web拍手 by FC2