この国ではあまり見下ろされる事がない。
それよりも会話相手の首とかが心配になる事の方が多い。
モデルの仕事もあるし、趣味がトレーニングみたいなものだからそれなりに身体もがっちりしてる方じゃないかな。
そんな俺の身体と愛しい恋人の身体を横たえてもまだまだ余裕がある寝台。
そのスペースを広げるみたいに腕に頭を乗せて眠る恋人を抱き寄せる。
目を閉じて眠りに囚われた恋人はより一層いとけなく幼気に見えるのに、薄く開いた唇が食べてくれと俺を誘うようだ。
そう言えば、昨日、共演者が言ってたな。
『明日、世界が終わるとしたら最後になに食べたい？』
食べ物系の質問には窮地に立ってしまう俺と違い、和気あいあいとしたその現場にいた人はさまざまな答えを述べていた。
高級な料理や食材、自分の好物、普段制限しているハイカロリーなジャンクフードや甘いもの、おふくろの味なんかもあったな……………俺は、母の手料理は特に遠慮したいと心から思ったけど。
似た系統の質問で『これから死ぬまで同じものしか食べる事が出来ないとしたら何を食べる？』みたいのもあったかな。
君と会う前の俺ならきっと、なんとかインゼリーやらカロリーなんとかって、君が聞いたら角でも生やしそうな答えだったと思うんだ。
今なら俺の答えはひとつ、最上キョーコ。
あぁ、はやく起きてくれないかな？
前に寝てる君にくちづけて止まらなくなって………その後、「人の寝こみを襲わないでください！」って、しばらく口も聞いてくれないくらい怒られたからね。
君は「私の唇に栄養値はありません！」ってご不満みたいだったけど、俺にはカロリーやビタミンミネラルたんぱく質なんかよりよっぽど、俺に必要必須な栄養素なんだよ？
明日、例え世界が終わるとしても、ずっとずっと君のキスだけ食べて生きてたいんだ。
そんな事を考えながら、眠る恋人の甘い頬に唇で触れた。
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明日、世界が終わるなら最後になに食べます？
因みに、猫木の答え「うちの娘(愛猫)の肉球」でした。友人に心底呆れた顔されました。
だって別に明日世界が終わるなら別にそんな満腹ならなくてもいーじゃん！って思うんすけどね。Σｄ(｀・ω・´)
そんなもんより愛しいものに触れてたい。だから、猫木は肉球を食べる！たぶん、背後に旦那がへばりついてる。笑
