パラレルパラレルー。


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重たく感じる足を引きずっておとなりのおうちへ。
お弁当と朝ごはんを作る。
「俺、朝はパンがいいのになぁ。」
と、ぐちる久遠と一瞬だけ納豆に嫌そうな顔を覗かせる蓮。
駅前に新しくオープンしたパン屋でパンを買って帰る約束をしながらの食事。
私、いつもどんな顔で笑ってたかな?



家から続くなだらかな坂。
それを下りながら告げる。
「蓮も久遠もお昼、私の教室まで来ちゃだめよ。」
教科書とお弁当の入ったスクールバッグをぎゅっと握りしめながら。
「どおして?」
「なんで?」
左右から迫ってくる高い肩に身を縮めてしまいそうになってちょっと歩く速度が落ちる。
「キョーコちゃんと一緒にお弁当食べたいのに?」
「キョーコちゃんは俺たちとお弁当食べるのいやなの?」
耳を伏せてしっぽを落とし、きゅーんとでも鳴き出しそうなわんこ。
昔っからその表情に弱い私は、結局、昨日お昼を食べたテラスでの待ち合わせを約束させられてしまってた。



お昼休み、お弁当を抱えてとぼとぼと歩く。
学園の真ん中にある食堂。そこへ続く連絡廊下、ふと見下ろしすと女の子達と笑ってなにかしゃべりながら歩くふたりが見えた。
「………アメリカに彼女がいるくせに………」
ちいさくちいさくつぶやいて………踵を返して来た道を戻る。
なんとなく食堂へ行きたくなかった。


ずんずんとあてもなく下を向いたまま歩いてたら、廊下で男の子とぶつかりそうになった。
「ごめんなさい」
顔を上げれば、もうひとりの幼なじみと呼べる男の子。
「………キョーコ、お前、いい気になんなよ、あいつらが地味で色気もねぇお前なんに構うのなんか、昔馴染みの今のうちだけなんだからな。」
苦々しく吐き捨てられた。
ばたばたと足音荒く遠ざかる気配。


そんなの知ってる。だって、
『あのふたりと当たり前って顔で一緒にいるけど似合わないよね~』
『あー、あのぱっとしない地味な子でしょ?不釣り合いだよね~』
そんな感じの会話をいろんなところで耳にしていた。



だから………
「ショーちゃんに言われなくったって………わかってるもん。」
そんな声が廊下に落ちた。




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ちょっとこれから勤め先の花見会に行って来ます。花見会という名前の昼からの飲み会です。
( ´ ▽ ` )ノ



↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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