先月のバレンタインデーのお話チョコレートの食べ方。のふたりの続きな話となります。


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やっぱり、恋なんてするんじゃなかった!!




敦賀さんの嘘つき!
あんなに社さんの顔色が変わるくらいふにゃふにゃくにゃくにゃに溶けたみたいに甘く笑ってくれたのに………あの笑顔も演技なの?
そりゃ、私なんて地味で色気もないし胸だってないし、つまんないかもしれないけど………飽きたら、また捨てらるの?
もう、いや………そんなの耐えられない!!


もうこれ以上、そばになんていられない。あの笑顔と甘い言葉に騙されてどんどん好きになっちゃう自分が馬鹿みたい………
だから、もうお付き合いなんてしてられない。
最上キョーコ、敦賀さんとお別れします!!



そう決めて、今日この人の楽屋を訪れました。いや、メールで呼び出されて来たんだけど。
目の前には、にこやかな敦賀さん。
その笑顔も今は憎い。
そんな私など気にもせずに楽屋の中へと優雅にエスコートする。
「ねぇ、最上さん」
「今日はホワイトデーですね。バレンタインにお渡しした私の気持ち返して下さい!」
敦賀さんの言葉を遮って、きっと睨みつけるようにそう言った。


敦賀さんから笑顔が消える。
「……どうゆう事かな?」
大魔王が地を這うような声で凄んでくる。
「もう敦賀さんとお付き合いしてられません。だから、私の気持ち返して別れて下さい。」
ちょっとだけ声が震えるけど、別れを告げる。
箱から出してしまった恋心が痛くて泣いてしまいそう。でも、敦賀さんに涙を見せるのが嫌で部屋を出ようとすると手を掴まれた。
そのまま、引っ張るように半ば無理矢理にソファーへと座らされる。私の前に跪いた敦賀さんの手がソファーの背もたれを掴み、その腕との間に閉じ込められた。
「なんで別れようなんて言うのかな?………それに、最上さんの気持ちは君がこの手で俺に食べさせてくれたから、俺の腹の中だよ。もう、返せない。」
掴まれたままだった手が敦賀さんの顔に運ばれ、指先にその形のよい蠱惑的な唇が触れる。


そう、先月のバレンタインデーに私の気持ちだと贈ったチョコレートは、ふにゃふにゃに笑み崩れた敦賀さんのおねだりによって、私の手で食べさせるといったちょっと恥ずかしい方法で敦賀さんに食べられた。
しかも、この人は私の指先までパクリと食べて、私の指を………な、舐めるなんて破廉恥なマネまでしたのだ。




なのに
だけど




「敦賀さんの馬鹿っ!遊び人っ!浮気者っ!そりゃ、敦賀さんなら選び放題よりどりみどりではべらし放題でしょうけど、私は、恋人がたくさんいる方とはお付き合いできません!!」
叫ぶように言い切る。




我慢するはずの涙が頬を伝うのが忌々しい………ただ、そう思っていた。




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とろけた蓮さんにまさかの浮気疑惑。
そんなお話。
下は明日。
( ´ ▽ ` )ノ




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