橋下市長、「第3の案」で夏の電力不足克服へ
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120511-OYT1T01082.htm

 関西電力大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)が再稼働しない場合、関電管内で今夏、15%程度の電力不足が生じるとの政府試算を巡り、大阪市の橋下徹市長は11日の記者会見で、再稼働や強制的な節電策を行わずに乗り切る「第3の案」を、大阪府・市で独自に策定する考えを明らかにした。

 政府の有識者会議は10日、〈1〉大飯原発を再稼働すれば電力不足はほぼ解消〈2〉再稼働できなければ15%程度の電力不足――との試算を提示。〈2〉の場合、計画停電や電力使用制限令などが想定されている。

 第3の案は大阪府市統合本部のエネルギー戦略会議で検討する。橋下市長は「政府の案に並ぶぐらいの具体案を示し、関電管内の府県民の力で危機を乗り越えていきたい」と述べた。

 同会議ではこれまで、中部電力などからの電力融通や、電力ピーク時に昼間の数時間を休業とする「シエスタ休暇」の導入、電力の大口需要企業が輪番操業するなどの案が上がっている。
(2012年5月11日21時16分 読売新聞)

 お……お……お……
お前らは鳩山由紀夫か!

 『政府の案に並ぶくらいの具体案』などと言ってますが、1年のピーク時期までに、もうそろそろ1ヶ月を切ろうかって時期なんですが……そして、出てきてるシエスタ休暇だの輪番操業だのって、電力が足りないという前提で持ち出すべき、強制節電策以外のなんだというのでしょうか?てか、シェスタ『強制』って、それは本当にシェスタと言えるのやら。訳がわかりません。
 最終的にそうした方法しか無くなるにしても、それを口に出すなら、足りる足りると喚き散らしていた、顧問の飯田氏や橋下市長の責任を明確にした上でやるべきじゃないですかね?
 どうせ関電に全責任を押しつけてくるのでしょうけど、関電は早くから原発抜きでは電力不足に陥ると訴えていたわけですし、それを黙殺、あるいは努力不足だなどと罵倒して無視してきたのは、橋下市長率いる大阪府市統合本部のエネルギー戦略会議なのですから。

 そして、政府も案を出してきましたが……これもまた酷い。

■政府、他社節電分融通で関電の強制節電回避へ──西日本4社に5%節電要請
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20120512-OYO1T00214.htm
政府が検討している今夏の節電対策案がわかった。原子力発電所の再稼働がなければ深刻な電力不足が見込まれる関西電力管内に融通する目的で、西日本では供給余力のある電力会社の管内に一律5%の節電目標を定める。これにより関電管内への電力使用制限令など強制的な節電手段の発動を回避する。政府は関係省庁によるエネルギー・環境会議(議長=古川国家戦略相)を開き、来週中にも決定する。

 西日本は電気の周波数が同じで電力会社間の融通がしやすい。西日本の節電要請は、猛暑だった2010年比で関電管内を15~20%、関電と並び電力不足が見込まれる九州電力を12%程度とするほか、中部、北陸、中国、四国の4電力会社に5%ずつを求める。(後略)


 あ、あんたらなあ……orz
 これ、関電管区以外の西日本の国民や企業に、どーやって納得させるつもりなんでしょう?
 「大井原発動かせば電力足りるとまでいかなくても、不足が最小限に収まるのは解ってますが、政治的に責任取るのイヤだから西日本全域で節電お願いします」とでも言うつもりなんですかね?この西日本4者管区内への節電要請って、平たく言ってしまえばそういう意味になってしまうのですが。

 だいたい、この分散節電要請案にしても、関西への強制節電令や計画停電、はたまた政府の責任下による原発再起動と言った、政治的に責任を問われる事態を回避するためだけに立案されたように感じるのは、あたいだけなのでしょうか?
 負担を関西だけではなく、西日本全域に薄く伸ばせば責任回避出来ると思ってるのかもしれませんが……法的な強制力のない『要請』で、どれだけの効果があるのやら。
 もし達成できず、また、計画無しでの大規模停電(ブラックアウト)が起きた場合、政治責任どころの騒ぎではなくなるのですが。その辺、いい加減自覚して欲しいものです。

 また、西日本4社に5%の節電をってのも、また別の問題が。

$巡る因果の猫車
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 これ見ていただければ解るとおり、4社の内、5%の節電を達成できたとしても、それによって生じる余力が本来必要とされている供給余裕である10%を辛うじて超えるのは中部電力のみ。
 つまり、関電管区が足りようと足りまいと、各社共に原発動かさない限りは、先んじて節電要請を出さないとまずい状況なんじゃないかということ。
 もういい加減、現状で原発抜きってのは、記録的な冷夏でも訪れない限り、もう無理だという認識を持つべきなんじゃないでしょうか?

 よしんば今年を乗り切ったとしても、来年はどうなるんでしょう?再来年は?

 いつ完成するか解らない画期的なクリーンエネルギーが出来るまで、経済活動を制限された上で、札束をくべるかのような火力発電を続けるつもりなのでしょうか?
 それって、ABCD包囲網に陥った大日本帝国より愚かな選択のような気がするのは、あたいだけでしょうか……?
 国民の生命財産をチップにしたチキンゲームじみた政治決断の先延ばしは、いい加減やめにしてくれませんかね……アホな反原発派しか喜ぶのいないんですから(連中にしても、いつまで喜んでられるのやら)。


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