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2009-09-17 19:53:36

第二十四回『有村武くん』(作家コース)

テーマ:ブログ


『作劇的人々』
高田:本日は有村くんに来ていただきました。先ほど、教室の後ろでパソコンをいじっておられましたが、あれは何をされてたんですか?


有村:この前、撮影した映画の事でちょっと確認事項がありまして。


高田:なるほど、それでモニターに映像が流れていたんですね。それではさっそく本題に入らせてもらいます。まず作劇塾 を知ったきっかけを教えてください。


有村:僕は元々、専門学校で映像を学んでいたんですが、卒業してから三、四年、映像関連の事を何もしない日々が続いていたんです。また何かやってみたいなと思ったので、ネットでそういう事を検索しているうちに、偶然、中山先生のブログ を見つけ、それで塾の存在を知りました。塾長ブログ を読んでいるうちに、興味を惹かれたので五月末頃、見学に来させてもらったんです。


高田:何の授業でしたか?


有村:小説の合評の授業でしたね。みなさん、いろんな意見をおっしゃるので面白そうな場所だなと思いました。それで、その翌月に入塾して現在に至るという流れですね。月単位の受講システムも自分に合っていると思いました。


高田:いざ入られてみてどうでしたか?


有村:バイト生活が結構続いていたので、塾に来ると刺激がもらえて、それが嬉しかったですね。やっぱり自分はクリエイティブな事が好きなのが再確認できました。


高田:塾生の人たちの印象をお聞かせ下さい。


有村:いろんな事を知っているなと思いました。やっぱり中山先生の教えを受けているだけあって、たくさん映画を見ていたり本を読んでいたり、自分の知らない世界を知っている方が多かったので、話を聞いているだけで為になりましたね。


高田:塾に入った直後から、飲み会の場でよく有村くんと顔を合わせていた気がするんですが。


有村:飲み会は非常に勉強になるんですよ。話しが上手い方もおられるので、例えば相手を楽しませる話術とか、そういうのをこっそり観察しながら、学んだりもできますからね。


高田:一度、塾長宅で有村くんとカマレンジャー が監督した各々の作品を上映した事がありましたけど、あれも確か飲み会の場で、今度やろうかみたいなノリになって実現した話でしたよね。


有村:はい。まさかああいう事になろうとは思ってませんでしたけどね。


高田:今までに見た映画で、印象に残っている作品を教えて下さい。


有村:『ポンヌフの恋人』ですね。


高田:どういった所に惹かれたのかを教えていただけますか?


有村:最悪の環境で生きている、自堕落な薄汚い男の愛を描いている話なんですが、フランスならではというか、気恥ずかしいくらいの演出の仕方で男を生き生きとさせているんですよ。あとは見ていて胸が締め付けられるような、ギスギスしたストーリー展開も良かったです。


高田:塾長宅で上映した映画には、芸人さんが出ていらっしゃいましたが、あれは直接交渉したんですか?


有村:彼らは友人なんですよ。作劇塾でも、あのように横の繋がりを使ってコラボできたらいいですね。


『作劇的人々』

高田:映画を撮影する上で、自覚されている弱点があれば教えてもらえますか?


有村:ストーリーですね。ストーリーを考える力がまだまだ弱いので、今後はそこを克服していけたらなと思います。小説の授業に出ていると、みなさんいろんなお話を考えてこられるので、読んで合評の授業に参加するだけで得るものがたくさんありますね。


高田:七月、八月と十人を越える塾生が映画撮影に臨んでいましたが、有村君はその約半分の撮影を担当されたとお聞きしましたが。


有村:僕自身、ブランクが長かったので早く感覚を取り戻したいというのがありました。それで、こっちから「使ってもらえませんか?」とお願いしたんです。


高田:感覚を取り戻す事はできましたか?


有村:そうですね。やっているうちに段々と戻ってきました。


高田:つい最近、ご自分が一分映画で監督を務められたそうですが、その時の撮影について聞かせて下さい。


有村:監督を務めるのは卒業制作以来だったんですけど、やっぱり撮影しているとアドレナリンが出るんですよ。「生きている」という実感があっていいですね。


高田:撮影されたのはオリジナルの映画ですか?


有村:いえ、山田誠二監督の書かれた1分映画の脚本を、映画化するというものです。上映会がまだなので反応はわかりませんが、全力は尽くせたと思っています。


高田:そういえば、八月は塾長の怪談イベントで撮影を担当されていましたよね。


有村:はい。イベントを撮った事はなかったので、スキルアップになるかなと思い、お手伝いさせて下さいとお願いしたら、快く了承していただけました。こういう現場実践を体験できるのは、作劇塾ならではだと思います。これはあくまで僕の希望という事ですが、今後はイベントの演出とかにも関わらせていただけたらなと、思います。


高田:ストロベリーソングオーケストラ さんと塾長のコラボイベントでは、撮影中に怖い思いをされたとか。


有村:ええ、まあ中山先生のファンの方だったら、よく知っている話なんですが、『新耳袋』第四夜に収録されている『八甲田山』話を、先生が舞台でお話されていたんです。


高田:新耳袋の中でも“最恐”の部類に入るのではないかと、言われている話ですよね。


有村:まずお客さんが塾長に「八甲田山の話を聞かせて下さい」とおっしゃったんです。僕も新耳袋に書かれている程度の事は知っていましたが、あれって第四夜に全てが書かれている訳ではなくて、実はタブーとされている部分があるというのは、他の塾生の人から聞いていたので、実は内心ワクワクしていたんです。


『作劇的人々』

高田:ではその場で初めて、全てを聞いたという事ですか?


有村:はい。しかしですね。先生の話を聞いているうちに、僕の両足が痺れてきたんです。はじめは気のせいだろうという感じだったんですが、今度は段々と足が冷えてきたんですよ。話の中で足を凍傷で失った日本兵の幽霊がやってきて「わしはこいつの右足が欲しい」という所があるんですけど、その台詞を先生が口にした瞬間、ああそういう事かと。足が冷たくなった理由がわかって、背筋が凍りました。しかも、耳元で誰かの唸り声が聞こえるし……。


高田:会場にいるお客さんの声とかではなく?


有村:周囲を確認しましたけど、それらしき人はいなかったですね。その後すぐにちゃんと撮影できていたかを確認しようと、カメラの再生ボタンを押したらテープが勝手に止まってしまい、電源が勝手に落ちるというトラブルもありました。あまりああいう事ってないんですけどね。


高田:あの話を記録に残して、他の人にそれを伝えようとすると、機材トラブルなど様々な理由で伝えられないというのは、以前から塾長から聞いていましたが、直接こういう事をお聞きすると、改めて信憑性の高い話だと思いますね。


有村:武層新木朗さん も同じような目にあったという話を後から聞きました。


高田:最後に今後の目標を教えて下さい。


有村:身近なところでは、シナリオの合評(新耳袋をシナリオに直す授業)に課題を出す事ですね。それによって、自分の弱点であるストーリー面を強化できると思います。そして、できれば監督、脚本の両方を自分でできるようになりたいですね。

あと僕自身、落ち込んでいる時に映画を通して元気をもらえた経験があるので、今度は逆に、自分が作った作品で誰かを励ます事ができたらいいなと思います。



※昨日(916日)有村君からメールがありまして、八甲田山の話を収録したテープを、改めて自宅のパソコンに取り込んで作業をしようとしたところ、パソコンがフリーズしたそうです。買って間もないパソコンなので、今までそういう事はなかったようですが……。



2009-09-03 17:51:23

第二十三回『かなたさん』(作家コース)

テーマ:ブログ


『作劇的人々』

高田:かなたさん は、作劇塾 に入る前から塾長とお知り合いだったんですよね? 


かなた:そうなんです。ある方に飲みに連れていってもらったんですが、たまたまそこへ中山先生がいらしたんです。

高田:その頃は、どういう立場だったんですか?

かなた:放送作家や構成作家などの、お笑いに携わる仕事を目指している身で、見習いといった感じでした。現在は芸人さんにネタを書いたり一緒に作ったりしながら、勉強させていただいてます。

高田:その時、塾長とどんなお話をされたのか、覚えていますか?

かなた:先生に「最近、なんの本読んでるん?」って聞かれて、僕が「今、黒澤明監督のドキュメントを読んでるんです」と答えたら、先生が止まらなくなって怒涛のトークを展開されていました(笑)。

高田:たまたまお会いして、その時に偶然にも塾長の好きな黒澤監督の本を読んでいたと?

かなた:はい。今から考えると凄いタイミングですね。その後もちょくちょく先生と会う機会がありました。何でそうなったのか忘れましたけど、ある時に「落語サークルを作ろう!」という話になったんです。

高田:それが、現在の『へたなら寄席』をやっている桐の一門なんですか?

かなた:そうです。もう五年ほど前になりますけどね。

高田:最初に聞き忘れたんですけど、お名前の由来をお聞きしていいですか?


かなた:中山先生に命名してもらったんですけど、最初は『桐のかなた』だったんですよ。でも先生に「どうもお前の芸風は桐の一門と違うなあ」と言われ、気づいた時には『闇のかなた』になっていた(笑)。

高田:何だか米朝一門だったのに、いつの間にやら月亭になっていた可朝さんみたいですね(笑)。

かなた:へたならで演者として出演した事は、後々すごい僕の武器になりましたね。やっぱり板の上に立ったという事で、芸人さんの気持ちが多少なりともわかるようになりましたから。

高田:お笑いは子どもの頃からお好きでしたか?

かなた:これは映画に関してもそうなんですけど、同級生よりはよく知っている方でした。兄の影響なんですけど、やっぱり兄弟でそういう話ができたら楽しいという事で、お笑いや映画に関する“英才教育”を受けていたんです。小学校三年生の頃に『爆笑BOOING』を見ていたんですが、中山先生がこの番組に放送作家として関わっておられたというのを後で知りました。

高田:ちなみにどんな子どもだったんですか?

かなた:今から思うと、ちょっとズレていた子だったのかなと思います。イジメられてても、本人はイジられてるような感覚でいたりとかね(笑)。よく覚えているのが、中学の頃なんですが、クラスの人間をどうやって笑わそうか一日中考えていた事です。登校前、家で「この話をあいつにして笑わせよう」とか、夜、風呂に入ってる時に「あんまり受けへんかったけど、何があかんかったんかなあ」と反省したりっていうのを、三年間、毎日やってました。

高田:“継続は力なり“と言いますが、三年間、毎日というのはすごいですね。

かなた:何かモノ作りをしたいという考えも、その頃にはすでに固まっていました。あと、「面白い人間になりたい」というのも、昔からずっとありました。


『作劇的人々』

高田:放送作家を目指す前に、すでにアイデアを考える習慣が付いていたという事なんですか?

かなた:そうですね。アイデアに関してはずっと考えていました。そもそもの根本的な疑問として「アイデアって、どうして生まれるんだろう?」というのがありました。そこで思ったのが、もっと人間の事をわかるようになれば、その謎も解けるのではないかと考えて、医療系の大学に進んだんです。

高田:大学で長年の謎を解くことは、できましたか?

かなた:ここから少し長くなりますけど、いいですか?

高田:お願いします・

かなた:高校時代に読んだ本の中で『全ての芸術はクロスオーバーする』と書かれていたんです。それがすごい印象に残っていました。それともうひとつ心に残っていた事があって、広辞苑の全ページを読破した人が、読み終わった瞬間『全ては繋がっている』ことを知ったという話があるんです。この二つの言葉が、僕の中ではずっと残っていたんです。その後、人間の身体の仕組みを、大学で学んだ時に僕も「全てが繋がっている」感覚と「クロスオーバーする」感覚を同時に体験したんです。


高田:どこかが悪くなれば、連動して他の場所も悪くなったりしますからね。

かなた:そうなんです。言葉として伝えるのは難しいですけど「アイデアが生まれるというのはそういうことか」と、体感で理解できたんです。この体感を足がかりに、これをどう言う風に自分の手で形にしよう?と考えている時に、大学の友達と幼馴染の子から全く同じ事を言われたんですよ。「放送作家に向いてるんちゃう」って。

高田:それを言われてどうでしたか?

かなた:まず、放送作家がどういう仕事なのか自体をその頃は知らなかったんです。で家の近くにあった古本屋に走って、放送作家についての本を買って調べたぐらいですから(笑)。

高田:その勉強をしている時に、偶然にも塾長とお会いしたという事ですね。


かなた:はい。ラッキーでした。


『作劇的人々』

高田:塾でのかなたさんの立場って、みんなと違いますよね。創作落語を学びに来られていますが。

かなた:将来のことを考えている時に、「自分はピン芸人のネタを考えるのが得意な方だったので、突き詰めて行くうちに落語作家はどうだろう?落語作家になろう!」という結論に至ったんです。そこで落語に興味を持つキッカケとなった、中山先生に相談しました。さっそく先生に電話して「授業を見学させてもらっていいですか?」って聞いたら「来たらええがな」って。それで見学した翌月には、もう入塾していたという流れでしたね。僕ってこういう事が多いんです。気が付いたら入ってたみたいな。

高田:作劇塾に通っている人は、おおまかに分けると、作家志望、漫画家志望、映像志望の三つに分類されると思うのですが、そこで落語を学ぼうと思われたのはどうしてですか?

かなた:まず中山先生が無類の落語好きであったことと、あとさっき言ったクロスオーバーの話ですよ。作家コースに入って、文章を書いたら、多分お笑いの仕事にも、いきてくるだろうと。

高田:その辺りは塾長の理念と共通するところでもありますよね。「いろいろな事をしていると、後で繋がってくるよ」と、よくおっしゃってますからね。では次に作劇塾に入られてからの印象を教えてもらえますか。

かなた:まず自分と価値観の近い人が多いなと感じました。

高田:価値観と言いますと?

かなた:口では「あれやる、これやる」と言いながらもやらない人っているじゃないですか? ああいうのではなくて、ちゃんと自分のすべき事をしている人たちが多いなと思いました。それとチャレンジ精神旺盛というか、へたなら寄席にせよ、映画にせよ、すぐにたくさんの人が「自分もやりたい」という風に手を挙げるじゃなですか。そういう部分も共感できましたし、モチベーションも上がりました。あと、ここに来て良かったと思える事がもうひとつあるんです。

高田:ぜひ教えて下さい。

かなた:ここの塾って無料でいろんな本や資料が借りられるじゃないですか?

高田:塾長が提供してくれた数多くの本や映画がありますね。

かなた:僕が「ちょっと、これ読んでみたいなぁ。目を通しておきたいなぁ」っと思った本が塾に来れば必ずあるんですよ。バイロンの詩集とか歳時記なんて、その最たる例です。物作りをするにおいて、こんな恵まれた環境はありません。

高田:小説やシナリオの授業では、こまめにメモを取っているかなたさんの姿をよく目にしますが、やはり違うジャンルの物からでも吸収できる事は多いですか?

かなた:そうですね。ある人に対する指摘でも、突き詰めていけば結局、自分にも共通する事だったりしますから、なるべくメモを取るように心がけています。

高田:小説の授業後によく、自分の書いた創作落語を塾長に見てもらって、アドバイスをもらっていますよね。この前は「だいぶ落語らしくなってきたやないか」と、お褒めの言葉をいただいてましたが、塾で学んだ事が創作落語を書くにあたって役立っているなという事があれば、教えてもらえますか?

かなた:シナリオの授業で、ト書き(キャラクターの動きや場面の状況などの指定を台詞の間に書き入れた物)の重要性を知ったんですけど、これは落語を書く上で非常に役立ちました。ああやって簡潔に言語化する方法があるのかと、かなりためになりました。

高田:小説の授業の方はどうでしたか?

かなた:こちらでも学んだ事がありまして、先生に落語を見てもらった時に「キャラクターが動いていない」という指摘をよく受けていたんですね。だからどうすればキャラが動くかというので、悩んでいた時期があったんですけど、他の人の書いた小説を読み続けていくうちに、「こうすればキャラが自然に動くようになるのか!」と、まあこれも体感なんですか、理解できるようになりました。

高田:かなたさんは、塾でやっている一分映画にも参加されていましたが、撮影された「トラウマラーメン」は、上映会に来られていた山田誠二監督から、面白いと褒められていましたよね。

かなた:あれに関しては完全にビギナーズラックです。僕自身、映像理論とかまるで理解していないので。だから、もうすぐ次に撮った五分映画の上映会があるんですけど、その時に真価が問われますね。

高田:最後に今後の目標を教えて下さい。

かなた:ずっとモノ作りをしながら食べていけるようになる事と、あとはもっと面白い人間になりたいです。面白くなったら、人生も楽しくなると思うんです。だから、もっともっと面白くなって、楽しい人生を歩みたいです。



次回は9月17日(木)更新予定、ゲストは作家コースの有村君です。

2009-08-20 20:14:44

第二十二回『さかもとゆうこさん』(作家コース)

テーマ:ブログ


『作劇的人々』

高田:さかもとさんは、確か僕と同時期に作劇塾 へ入塾されたんですよね?

さかもと:はい。二年前の四月に入りました。

高田:塾に入るまでの経緯を簡単に教えてもらえますか?

さかもと:絵の勉強をしようと思って、カワチ画材のホームページを見ていたら、作劇塾へリンクが貼ってあったんです。

高田:そこで塾の存在を初めて知られたと?

さかもと:そうですね。塾の事を調べてみたら、面白そうなところだなと思ったので「入っちゃえ!」って感じで(笑)。

高田:思い切りがいいですね(笑)。入られてみての印象を教えて下さい。

さかもと:みんな話しやすい人だったので、ほっとしました。私はお仕事をしながら通う身なんですが、社会に出ると創作の話をできる人間と出会う機会って中々ないんですよ。塾内ならそういった話を気兼ねなくできるので、安心感がありました。例えば映画の感想にしても、こっちが気づいて欲しかったところを、きっちり見ているとか、そういう嬉しさがありましたね。

高田:現在、さかもとさんは作家コースに在籍しておられますが、二年前は漫画コースでしたよね?

さかもと:はい。最近、塾に復帰したんですが、一年ぐらい前になるんですが、休塾している期間に、家で漫画を描いて『いち*ラキ』という雑誌に投稿したんです。それが初めての投稿作だったんです。

高田:結果はどうでした?

さかもと:一万円の賞をいただきました。

高田:凄いじゃないですか。その後、復帰されたというお話でしたけど、漫画コースではなく作家コースを選ばれた理由は? さかもと:賞はいただきましたけど、漫画の方は描いている時、「自分には向いていないな」と感じたんです。

高田:描いていて、苦痛だったという事ですか?

『作劇的人々』

さかもと:うーん。正直言うと、しんどかったですね。

高田:塾に興味をお持ちになったという事は、創作に対して昔から興味があったんですか?

さかもと:はい。物心ついた時から、すでに何かを作ってはいましたね。

高田:その頃はどういう物を?

さかもと:漫画や小説ですね。漫画は小学校の頃から描いていて、同級生に読んでもらっていました。


高田:どういった漫画を描かれていたんですか?

さかもと:ファンタジーとか4コマとか、いろんなジャンルを描いてましたね。高校生から短大の頃にかけては同人活動をしていました。


高田:二次創作をやられていたんですか?

さかもと:はい。でも同人をやってみて、やっぱりオリジナルの方が楽しいなと思ったんです。だからその後、同人の活動はしてないですね。


高田:今までに影響を受けたクリエイターを教えて下さい。

さかもと:漫画家さんでは、萩尾望都さんと荒木飛呂彦さんです。

高田:荒木さんがお好きだという事は、少年漫画もお読みになっていたんですか?

さかもと:私って雑食なんですよ。ジャンルを問わず読む方だと思います。

高田:萩尾望都さんは、どういうところがお好きなんですか?

さかもと:きっちり計算されていて、破綻していないところがいいですね。

高田:じゃあミステリー小説とかもお読みになる?

さかもと:ええ、読みますよ。鳥飼否宇さんなんか、全て完璧に論理で固めて、話を進めてしまうので、舌を巻いてしまうほどです。

高田:以前、中山先生と有栖川有栖先生の対談が行われた時、来られていましたよね。

さかもと:その時は休塾していたんですが、対談を聞きに来ました。有栖川先生の小説は以前から読んでいましたので。その後の飲み会に参加したんですが、有栖川先生とお話できて感激でしたね。

『作劇的人々』

高田:最近、お気に入りの作家さんがいたら教えて下さい。

さかもと:東川篤哉さんなんかお薦めです。この方もミステリーを書かれているんですけど、小説の中にギャグを入れてくれるんで、面白いんですよ。あまりにも論理で推し進めてしまうと、息が詰まるので、優しさでギャグを入れてくれているのかなという感じがします。

高田:僕はギャグが大好きなので、それはぜひ読んでみたいと思います。雑食とおっしゃいましたが、こういうのは苦手とか全くないんですか?

さかもと:ほとんど大丈夫なんですが、人の死んでしまう話や、あとは中山先生には申し訳ないんですが(笑)、怖い話が苦手なんです。

高田:でもミステリーでは、よく人が死にますよね?

さかもと:ミステリーの場合、人が死ぬのを謎解きのひとつとして捉えているので大丈夫なんですが、他のジャンルだと厳しいですね。

高田:では例えばご自分の作品内でも、人を殺すシーンを描きたくないという事ですか?

さかもと:そうですね。恐らく書けないと思います。とにかくグロテスクなのがダメなんですよ。もう血みどろとか、考えただけで……。

高田:なんか想像するだけでも辛そうなので、次の話題に行きましょうか(笑)。


さかもと:そうしていただけると助かります(笑)。

高田:塾に戻ってこられて、最近は小説の合評に課題の小説を書いておられていますが。


さかもと:はい。やっぱりひとりだけで書いていると、自分の欠点ってわかりづらいじゃないですか? それを指摘してもらおうと思って、課題を出しています。


高田:合評に出してみていかがでしたか?


さかもと:やっぱり私って言葉足らずだなって。


高田:言葉足らず、と言いますと?

さかもと:これは小説だけじゃなくて、実生活でもその傾向があるんです(笑)。

高田:でも不思議なもんで、話の上手な人は、構成もきっちりできていたりとか、小説というのは本当に“その人自身”というのが作品に出てしまうんですよね。小説を書く上で自覚している欠点というのがあれば教えて下さい。

さかもと:先ほど言った事と重なる部分があるんですけど、私の場合、自分の意図が伝わっていると思っていても、伝わっていないというのが多いんです。

高田:例えばどういう事でしょう?

さかもと:自分では伏線のつもりで書いているのに、それが読み手には伏線という風に伝わっていないとか、そういう事ですね。だからそういった説明不足の所を、改善していきたいです。

高田:最後に今後の目標を教えて下さい。


さかもと:自分の創作した物でお金を稼げるようになりたいですね。やっぱりプロとアマチュアの違いは、作った物をお金にする事ができるかですから、早くそうなれるように、みんなと一緒にガンガン鍛えてもらって、頑張ります!



次回は9月3日(木)更新予定、ゲストは『かなたさん』 です。






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