【リズと青い鳥】の感想。これまた見事!絶妙な人間関係を描く傑作音楽映画爆誕! | アニメ映画情報ブログ【 ねじまき恋文のヤブレター 】

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かなり期待してきました。

 

●山田尚子監督最新作!「リズと青い鳥」の感想

 

 

 

リズと青い鳥

を観てきました。

公式サイト:http://liz-bluebird.com/

 

TVアニメや劇場版シリーズが展開されてきた「響け!ユーフォニアム」シリーズ内の登場人物に焦点を当てたスピンオフ的一作。

監督は「たまこラブストーリー」「聲の形」の山田尚子監督です。

 

 

 

本作を観てきた感想をざっくり一言で言うと

 

 

 

 

とっても素敵

 

 

 

という感じになかなか満足の一作でした。

もうちょっと詳しい感想を書いていきます。

 

 

 

●同性愛未満?特殊な友情を描いた一作!

 

 

これまたトンでもない尖り方した傑作でしたね。

受験を控えた高校三年生の同じ吹奏楽部のみぞれちゃんと希美ちゃんという二人の人間関係が描かれるのですが、すーっごく絶妙な人間関係を描いていて面白いです。

 

この二人ね。

 

 

一見、同性愛のような導入も予感させて最初は「そういう映画なのかな?」とも思ったのですが、“内気な子”と“そこに声をかけられる活発な子”という意外と普遍的に万人の共感が得られるような仲を取り上げていた作品でした。仲が良いとか親しいとかそんなシンプルな一言で言い表せない、絶妙にリアルな人間関係を見事にアニメ化していて見ものでした。

この部分、山田尚子監督らしい絶妙な匙加減の賜物だと思うのですが、どうなんでしょうね。

 

 

 

上映前に「あさがおと加瀬さん」というまさに同性愛ものの予告編が挟まれていたのでちょっとそこに引っ張られたというのもあるかもしれません。

 

 

 

●童話との交錯も面白い味

 

ただ、二人の『出来事』だけを描いていくのではなく、劇中劇『リズと青い鳥』という『物語』とその派生品である『曲』というのを交錯していくところが、「リズと青い鳥」という映画のまたテクニカルなところ。

 

 

 

ジブリチックなイラストで物語をアニメーション化したパートが用意されているものの、ここはそこまで絵的な魅力を感じなかったのがやや残念ですが(変なセリフ回しはわざとなのか童謡感が感じられるという意味では面白い)、クライマックスにかけて繰り返される鳥の描写であったり、一風変わった演出などは「なるほどォ・・・」と唸りながら鑑賞した次第です。

 

 

この『リズと青い鳥』の物語が作中で一つ、ミスリード的な役割も果たしていて、そこも一つ面白い部分として用意されてはいるのですが、この点は割と早い段階で仕掛けに察しがついてしまったので、その点でも楽しみ損ねた感じはあります。

 

この辺りの魅力自体を感じたには感じたといえるのですが十二分な魅力としては映らなかった部分でもあったりします。

 

 

あとこの二人を演じる本田望結ちゃんはそんなにうまくないという問題もあるけど、絵本ということでギリOK・・・かな?

 

 

 

 

 

●さすが音楽が題材の映画!牛尾さんのお仕事の妙!

 

そしてなによりこの映画・・・というか「響け!ユーフォニアム」で舌を巻く部分が音楽です。

音楽の授業でしか音楽を習った経験がないような、全然音楽知識がない私でも、作中で演奏される音楽の「どんな感じだった」って部分に説得力を感じられるのがすごく面白い体験でした。

今の演奏が微妙だった・・・、とか、今の演奏のどこがすごかった・・・、といったようなセリフに対して「確かにそうだった!」と音楽音痴の私でも感じられるのがこの映画、もといこのシリーズのすごいところです!

 

また作中の演奏シーンに限らず、使われる劇伴も抜群に良い!!

今回も「聲の形」に続いて牛尾憲輔さんが音楽を担当しているそうですが、さすがです。

映画を観ながらも、ここの音楽の使い方すげーいい!という瞬間の多いこと、多いこと。

 

 

agraph名義でもご活躍されている方です。「DEVILMAN crybaby」でもお世話になりました。

 

 

 

音楽が題材の映画だけあってここの部分こだわってるのは流石だと思います。

この一点だけでもほんとに素晴らしい映画だと思います。

 

 

欲を言えばその先の演奏も聞きたかったよなぁ・・・。

 

 

 

 

 

 

間延びしがちなので、そう短期間に何度も何度もみたいような映画ではないのですが、脳に染み入るような刺激として記憶に残る傑作映画でした。

楽しいとか激しいみたいなポイントがないだけに悪く言えば地味ではあるのですが、刺さる人に間違いなく鮮烈に刺さるような映画なので、大作傑作が揃う中ではありますが、ぜひ映画館へ足を運んで鑑賞して欲しい作品でした。

 

推しの一作です!

 

 

 

ちなみに前シリーズを観ていなくても問題はないのですが、ちょっとは噛んでた方がキャラクターの整理はつきやすいので、「響け!ユーフォニアム」の劇場版の総集編を見ておくと、ちょっと見やすさが増すかと思います。

 

 

 

響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 前編 (宝島社文庫)

響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部のホントの話 (宝島社文庫)

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