2013年02月28日

藤森照信氏の茶室について(続)

テーマ:茶室

 藤森氏は自作の茶室(「湯も沸かせる小屋(根岸)」)の具体特徴として、利休からし継承した要素を次のように列挙しています。

 ①極小化、②火の投入(炉)、③にじり口、④デザインの自由性、⑤素材の自然性


 以上から分るように藤森氏は、「茶室を茶室たらしめている建築構成的特徴」を継承していないのです。ですから茶室ではなく「湯も沸かせる小屋」と呼んだほうがいいと思うのです。


 そうしますと、次は必然的に「茶室を茶室たらしめている建築構成的特徴とは何か」ということになります。


 それについては、以前私が書いた論考があります。これからはそれを順次分割掲載していくことにしましょう。



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2013年02月27日

藤森照信氏の茶室について

テーマ:茶室

 「藤森照信の茶室学 - 日本の最小空間の謎」を読み終えました。少し感想を述べます。


 本の中に藤森照信氏の設計した茶室の写真があります。藤森氏は従来の「茶室」からいろいろなものを取り去り、「にじり口」と「炉」だけを残して茶室を設計しました。掲載されている「一夜亭」、「矩庵」、「高過庵」、「入川亭」、「ビートルハウス」、「忘茶舟」などの6作品が、そのようにしてつくられました。


 私は、藤森氏の作品は茶室と呼ばない方がよいのではないかと思いました。茶室というツッカイ棒を外して「お湯も沸かせる小屋」とでも呼んで、そこに面白さを発見したほうが収穫多い建築ではないかと思うのです。


 例えば、次のように言いかえたらどうでしょうか。サッカーは「サッカーのルール」に則ってやるからサッカーなのであって、サッカーーのルールを外してしまっているものをサーッカーと呼ぶわけにはきません。それは新しいゲーム:(例えば)ラクビーなどとして試合を楽しんだほうがスッキリするはずです。


 藤森流茶室までいきますと、「茶室」から欠落する部分がもったいない感じがします。「茶室」をむりやり逸脱的に発展させると、「茶室」の価値が貶められる危険があると思います。


 「茶室」はそのままそっとしておいてやりましょう。そしてその手法を共有財産の一つとして素直にとっておくほうが得策ではないでしょうか。

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2013年02月15日

茶室:真夏の「待庵」見学

テーマ:茶室

 大分以前に、私は友人達と「茶室勉強会」をやっていました。ある年その仲間達と京都に建物見学に行きました。真夏の午後京都山崎に集合して、見学会が開始されました。


 まずは、駅から少し歩いて水無瀬神宮に行き、「灯芯亭」を見ました。このたいへん好ましい茶室については、後日書いて見たいと思います。


 次は、駅の反対側の坂を登り、藤井厚二の住宅「聴竹居」を見ました。この近代和風住宅の傑作についても、後日書いて見たいと思います。


 そして、最後に駅近くの妙喜庵で、「待庵」を見たのでした。「しなうムチがピンと張った」ような構成の室内空間です。真夏でしたが背中がゾクゾクとしました。私はこの茶室が好きで、大分前にある雑誌にこの茶室に付いて書いたことがありますが、これについてもまた後ほど書いて見たいと思っています。


 半日で偉大な建物三つも見てしまいました。当然理解し切れていませんが、大満足の見学会でした。


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2013年02月15日

茶室:「藤森照信の茶室学 - 日本の最小空間」

テーマ:茶室

 最近、東北大の後輩の藤森照信氏が、「藤森照信の茶室学 - 日本の最小空間の謎」という本を書いています。私は今その本を読んでる最中なのですが、「待庵の誕生過程」というヶ所がたいへん面白いのです。


 国宝「待庵」は、京都の妙喜庵にある囲(かこ)いで、千利休の作と伝えられ、天正十年(1582)頃に造られたと言われます。今までも待庵は秀吉の戦いのさなかに利休が急造した茶室であると言われてきましたが、藤森氏をはその言わば「間に合わせの茶室」の制作過程を、具体的建物を想定して図解で説明しているのです。


 藤森氏によりますと、利休は宝積寺の境内で放置されていた古い阿弥陀堂を見つけます。建物は一軒四方(四畳半)の板敷きの小堂で、四周に三尺の縁側が回ります。藤森氏は、利休はこのお堂の中に待庵を造り込んだ、と言うのです。仏像のスペースとして一畳半を当て、残りの三畳と縁側(一畳半)を含めた四畳半で「待庵」を囲い造ったというのです。


 私は、藤森氏の著作を読んで、久し振りに茶室への興味を刺激されました。これから時々茶室について考えを書いてみることにします。


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