「22歳で年収1000万円」のケータイゲームクリエイターが生まれた理由モバイルサイトの主な利用者は10代を中心とした若者だ。上の年代と比べ、よりクリエイティブな仕事にあこがれを持ったり、実際に何らかの活動をしたりするという傾向が強い。最近ではそうした活動の中から実際に収入を得て、プロとして活動するケースも見られるようになってきている。「恋空」などで話題になったケータイ小説はその代表例といえるが、他にもさまざまなジャンルで、ケータイの中からプロのクリエイターが生まれてきている。
今回はそうした中から、携帯電話アプリで年収1000万円を稼ぐクリエイターの事例を紹介する。彼への取材を通して、携帯電話で収益を得る手段や、プロとなるのに必要な要素などを考察する。
そのチャリ走を開発した星野氏は、現在22歳。ゲーム作りに取り組んだのは、高校3年生の頃だという。
当初はWindows用のゲームを開発しようと志したものの、「勉強してみた結果、これは難しいと思って中断した」(星野氏)。だがそれでもゲームを作りたいという思いは消えず、他にゲームを作る方法はないかと調べていたところ、普段遊んでいた携帯電話向けのゲームアプリが、自分でも開発できることを知ったという。
携帯電話アプリは環境がシンプルで、C++などと比べて複雑な要素が少ないJavaで開発できることもあって、Windowsよりハードルが低い。これなら自分でもできるのではないかと参考書を片手に、独学で携帯電話ゲーム作りを始めたのだそうだ。携帯電話の強みの1つに、課金システムが整っていることが挙げられる。PCインターネットの世界でも
「ニコニコ動画」に代表されるように、個人が作品を制作し、発表するケースは多く見られる。しかし、それを収入に結びつける手段が少ないことから、「才能の無駄遣い」という言葉が流行するような事態になっている。だがモバイルサービスの場合、コンテンツの代金を携帯電話の月額利用料と合わせて請求するプラットフォームが確立されている。これを利用することで個人クリエイターでも収入が得やすくなっているのだ。
チャリ走だけでなく、前回紹介した「リアル系乙女ゲーム」などにも共通して言えることなのだが、ケータイユーザーの中で人気を得るためには、PCとは全く異なる独自の発想とセンスが求められている。だがそれを理解している人は意外と少ないようだ。スパイシーソフト営業企画部部長の滝本功氏は「ファミコン世代は手がこんだものを作りたがるが、それがケータイにマッチしているかどうかは別」と話している。
その点、星野氏は22歳。初めて携帯電話に触れたのが高校生の時という、ケータイ世代のはしりともいえる存在だ。高校時代にクラスや友達の間で評判となっていた携帯電話ゲームについて聞いたところ、本格的なロールプレイングゲーム(RPG)などではなく、アマチュアが作成したワンキーで遊べるシンプルな無料ゲームで、移動中や休み時間などのちょっとした空き時間に仲間と楽しむことが多かったという。携帯アプリを作る時のこだわりに関しても、
「お金をかけて絵などを豪華にするよりは、純粋に面白いゲームを作りたい。ゲームも難しいシステムがあるわけではなく、内容が面白ければいいかな、と思っている」と話している。
また星野氏に携帯電話用ゲームを作ることの魅力について聞いたところ、「携帯ゲーム機より携帯電話を使っている人の方が多い。それだけ多くの人々に対して、自分が作ったものを楽しんでもらえることが魅力」という回答が返ってきた。
シンプルさを求めるユーザーが数多くいる携帯電話向けに、ニーズに合ったゲームを開発し、提供していることが、星野氏が成功している理由といえるだろう。
クリエイターを育てる携帯電話という環境
チャリ走を開発した当初は福島の大学に通っていたという星野氏だが、大きな収入を得るようになった現在は大学を中退してプロクリエイターとして独立、東京に移って新たな可能性を追求している。
「スーパーマリオブラザーズ」や「ドンキーコング」などの開発で知られる任天堂の宮本茂氏を、目標とするクリエイターとして挙げており、今後も面白さの本質を追究するようなゲームを作っていきたいと話す。将来はゲームに限らず、「世の中に貢献する凄いソフトを開発したい」とのことだ。 考えてみれば、現在活躍しているゲームクリエイターの多くは、かつてゲームプログラムのコンテストやプログラム投稿雑誌などで評価や収入を得て、そこからプロへの道へと進んでいった。しかし現在は、当時と比べ市販のゲームが高機能、複雑化してしまっている。そのためゲームを作るためのハードルが大幅に上がってしまい、星野氏がWindows用のゲームプログラムの開発で一度挫折を味わったように、アマチュアのゲームクリエイターが育ちにくい状況が生まれている。
だが携帯電話の世界には必ずしも高機能、高性能を追い求めないユーザーが多く存在しており、ゲームに対価を支払うための環境も整っている。クリエイティブな活動をする人の多くは、表現力や文化的側面などからPCに目が向きがちである。だが
新しいクリエイターを生み育てるには、実は携帯電話の世界の方が適しているのかもしれない。ちょっと長く引用しましたがだいぶ影響されました。
プログラム勉強したいと思います。