バーでカップルが誕生する話 | 雨降る町のBAR歳時記

雨降る町のBAR歳時記

どこかのバーのマスターブログ。しがない店をやっていてもの思うこといろいろ。2、3日ごとに更新。

 

バーはたぶんいろいろな出会いがある場所なんだろうが、うちの店のお客さん同士で男女のカップルが誕生したという話はそんなに多くはない。もちろん、僕が知らないだけという可能性もある。

 

常連客はカップルをつくりにくい。たぶん、うちの店でのキャラが固定化してしまっているからなんだろう。自由がきかない。

 

たまに来るお客さん同士が、たまたまうちの店で出会ってカップルになることならある。後日、

 

「実はあれからつきあうことになって・・・」

 

と、なぜか申し訳なさそうに打ち明けられたりする。

 

常連客同士がつきあっていたことも過去にはあった。でもあれはこじれると面倒くさい。なぜか僕が「仲人」みたいな位置づけに立たされてしまう。

 

別々に店にやってきては、さんざん相方の愚痴を言って帰る。愚痴を聞くだけならまだしも、相方を説得してほしいと頼まれたりする。僕にそんな責任はない。でもほうっておくわけにもいかず、調停役みたいなことをするハメになる。

 

もともと常連だった人が、新しくつきあい出した彼女(彼氏)をつれてくることはけっこうある。向こうから紹介してくることもあるが、何も言ってこない場合、こっちから聞くようなヤボなことはしない。

 

つきあって長いカップルとか、夫婦はあまりいっしょにやってこない。両方が常連客でも、別々にやってくる。うちの店を避難場所みたいにして使っている。

 

「つきあった」という話はまだしも、「別れた」という話はほとんど聞かない。

 

いつもふたりで仲良く店に来ていたのに、突然両方とも来なくなったりする。もしも別れたのだとすれば、バツが悪いのだろう。僕は何も聞かなくても、常連客に根掘り葉掘り聞かれる可能性がある。

 

そしてほとぼりが冷めた半年とか1年たって、ひとりで照れ笑いのようなものを浮かべて、ふらりとやってくる。

 

<参考>

ご夫婦ですか?のあと無言

バーのマスターとつきあう方法

バーのマスターとお客さんとの恋愛