C35 ローレル 4ポッドキャリパー交換No.1 | ナルズ工場長の出来事

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皆様(・ω・`*)ノ【。+゜コンニチワ。+】




お盆明けでバタバタしていて
なかなか忙しい毎日であります。

お盆で帰省したお客様や
お出かけしたお客様よりお土産を頂きました。
この場をお借りして、ありがとうございました。

みんな言ってましたが今年は渋滞が
酷かったみたいですね。

何処にも出かけてないのに
渋滞はキッチリ食らいまくるオイラです(´・ω・`)


観光地に住んでる宿命やのう…







今回はC35ローレルのキャリパー交換作業です。

【!注意!】
オーナー様に向けての内容になります。
少し詳細に載せますので内容が長くなります。
何回かに分けての掲載になりますので
ご了承下さい。






車検で入庫したローレルなんですが
ブレーキをチェックしたらですね…


ノーマルのフロントブレーキ



車検の作業内容で
キャリパーのチェック、パッドのチェックは
必ず行います。



キャリパーを詳しくチェックしてみると…
 



わかりますでしょうか?

画像はキャリパーのブーツをマイナスで
めくっているところです。


めっちゃサビてる!!


ちょっとこれは酷いレベル。
このローレルは走行距離は7万キロ未満。
しかし年式的にはもう古い。

距離がいってなくても
こういったブレーキ関係のところは劣化やサビが
進みます。

ここまでサビてると
バラしてみなければわかりませんが
キャリパーピストンにもダメージがいっている
可能性があります。



外したパッドをよーく見てみると…
 


パッド




ちょっとわかりずらいかも知れませんが
片減りしています!

回転方向は右から(金具がついている方)です。
右の方が減ってます。
左に行くにしたがって残りがあります。
ナナメに減っています。

キャリパーがサビで固着し
ピストンが上手く戻らず引きずりを起こしているから
ですね。

おそらくブレーキの効きはかなり半減していたと
思われます。

もちろんこうなってしまっては
キャリパーオーバーホール&パッド交換に
なります。
オーバーホールもインナーシールを交換するだけでは
なくピストンも交換になるでしょう。

引きずりを起こしていたため、ローターも変磨耗しています。
研磨か交換になりますね。

画像はフロントですがリアも固着気味でした。
フロントまで酷くはありませんがサビが発生していました。




オーナー様との相談の結果。

以前オーナーが中古でキャリパーを購入し
所持しているとの事。
購入したけど自分では装着できず
タンスの肥やし状態に。

これを機会に
交換してしまおうといった寸法です。

 


オーナー持ち込み品



日産のキャリパーです。
フロントは4ポッド、リアは2ポッドになります。

ローターはフロントのみですが
スリット入りのローターでした。

オーナー曰く、32GT-R(BNR32)のブレーキと
言ってましたが、おそらく違います。

キャリパーがアルミ製なのでスカイライン系のブレーキですが
ローターがでかいので、おそらく34スカイラインのブレーキだと
思われます。



このブレーキを移植していきたいと思います。


ノーマルはフロント、リア共に1ポッド(シングル)キャリパー。
これはフロント4ポッド、リア2ポッドキャリパー。

かなりピストン数が増えますねw

見た目的にもブレーキがごっつくなりそうです。


んで
持ち込まれたブレーキのチェックを。
 

 

 


フロント



ホイールの逃げを考慮してか
見た目的の問題なのかは不明ですが
本来ここにある「NISSAN」の刻印が削り取られています。

おそらくサンダーか何かで削ったっぽいですね。

とても荒々しい仕上がり(;´Д`) 

オーナー様はとってもこれが気に入らず。
この傷もキレイにして色まで塗って欲しいとの事。
タイヘンダ~~(´Д`υ)




 

 

 


リア



リアにはしっかりと日産の刻印は残ってましたが
なんか傷だらけ。
なにかにぶつけた?挟んだのかな?
ピストンボディに大きな傷が。

これは消すのが大変そうだぜ。



まずフロントキャリパーから
進めていきます。


つるりん



傷を消すのに色々頑張りました。
文章にするとすぐですが
作業的には粗いペーパーから始まり
最後には耐水1000番仕上げです。
これだけでかなりの労力&時間がw

キャリパーがアルミ製なので楽に削れるのが
救いです。
ここまで削って傷は消えました。
 

 

 

 

 


全キャリパー




フロントだけ日産刻印が無くてリアだけあっても
格好悪いのでリアの刻印も消しました。
傷も処理したのですが深く、少し残った状態です。
これ以上は強度の問題が心配で
やめときました。


さて傷の処理が終わったので
塗装したいのですが
中古キャリパーで使用期間や使用距離が
不明なのでオーバーホールします。

ローターの大きさ、ついているパッドから見て
サーキット使用していた可能性大です。
パッドはメタルパッドだったし。

ハードに使われていたかも知れないので
中古キャリパーを使用する時はオーバーホール
必須です(`・∀・)ь

 


キャリパー全バラ



4ポッド、2ポッドキャリパーは
部品点数が多いです。

あまり気にしないでもいいのですが
キャリパーピストンはついていたところに
戻すのが基本です。
アタリの問題ですね。
特にアルミキャリパーはアタリの問題で
不具合でやすいので基本付いていたところに
戻すのがいいです。
んじゃピストン新品にしたらどうすんの?って
事なんですが、新品は新品の組み方が
ございます。
それはまたの機会にでも。

このキャリパーはバラしてみたら
特に固着もなくピストンもキレイでした。
キャリパー側のシリンダ内に少し汚れと白サビがありました。
長期保存のせいでしょう。
でもキレイに除去できるので(これがまた大変だけどw)
インナーシール交換だけで
大丈夫そうでした。

 

 

 

 


インナーキット



これもオーナー持ち込み品です。
BNR32用でとったみたいですが
ぶっちゃけ中身は同じなので問題ありません。

32、33、34のスカイラインの4ポッドキャリパーと
14、15のシルビアの4ポッドキャリパーの
インナーキットは同じです。(ブレンボ除く)

リアは2ポッドのキャリパーなら
スカイラインはみんな同じです。(ブレンボ除く)



もう13シルビアを4ポッドにしたりするのが
定番なのでやり方は周知の事かと思います。
日産系のシングルキャリパーから4ポッドにする場合は
ブレーキホースとキャリパーを接続するバンジョーボルトを
短いものにしなければなりません。

よく使われるのがスバル車のバンジョーボルトや
社外のショートバンジョーですね。
まぁ付いていたバンジョーボルトをカットして短くしても
いいんですけど。

当店ではあまりショートバンジョーでの装着は
オススメしておりません。

元々、4ポッドや2ポッドキャリパーはバンジョーボルトでの
接続ではありません。
車体からはブレーキホースがキャリパーに向かって
いますが途中からパイプになり
パイプがキャリパーに接続されます。
本来接続は金属製のブレーキパイプのフレアナットに
なるのです。


そこに無理やりブレーキホースのバンジョーボルトと
ガスケットでとめる訳なのです。


それを踏まえて…
 


リアキャリパー



リアキャリパーも本来ブレーキパイプによる
フレアナットでの接続になります。

画像では見づらいですが
接続部の奥にフレアの相手があります。
(テーパー状のやつです)

なのでここに普通のバンジョーボルトをつけると
テーパー状の相手が当たってしまうので(底付きするので)
ショートバンジョーが必要な訳です。

その接続部の表面をよーく見て下さい。

なんか凸してるポッチみたいのがありますね。

このままバンジョーボルトでガスケットを
締めこんでいくとガスケットがぴったりと
つきません。

よくプライベーターがDIYでやらかす事なのですが
このまま装着するとブレーキフリュードが漏れてきます。
そうすると締め付けトルクが足りなかったのかな?と
思い増し締めします。

運よくガスケットが変形して止まってくれる時もあります。

しかし大概は締めてもなかなかブレーキフリュードの滲みは
止まらず、さらに締めこんでしまい、結果キャリパーのネジを
破壊するといった事例を数多く見てきました。

だってキャリパーはアルミ製なので柔らかいのです。
すぐにネジ山やっつけますよ(´Д`;)

ネジ山を破壊したキャリパーはタップ立てで復活する場合も
ありますが、ほとんどはアウトです。
ここを破壊しちゃうとキャリパーは使えません。
買いなおしになります。

 

 

今回は
リアだけスペースの問題で
ショートバンジョーを使います。

なので前記した事例にならないように
加工をしていきます。
 

 

ホース取付部



面出し加工をします。
これをする事によりガスケットがきちんと均等に
つぶれ漏れがなくなります。
アルミキャリパーなので高トルクで締めるのが
怖いので、こういった下処理を行います。

きっちり機械で面研するのが一番ですが
けっこうガスケットで馴染むので
研磨してオイルストーンで面出し程度でも
大丈夫です。
オイラもオイルストーンで仕上げてあります。
もちろんちゃんとした工具で面を計測してあります。


これでキャリパー側の加工とオーバーホールが
終わりました。

塗装を早くしないと乾燥する時間も考慮しないと
ならないので焦りますが
まだ塗装前に車体側の加工をしていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 


フロント



これはノーマルのブレーキの
キャリパー、ブラケット、ローターを外したところです。
ローターが大きくなるので
バックプレートがこのままだと接触してしまいます。

そのバックプレートを加工してまいります。

よくある簡単なやり方は
切り込みを数ヶ所に入れて開き逃がします。
いわゆるヒマワリ状態です。

しかし作業的には簡単なのですが
見てくれが悪い。
なので当店では接触部(バックプレートの折り返し部)を
カットする方法です。
 

 

 


カット


こんな感じにね。

意外とプレートは薄いので簡単に切れますが
逆に薄いのでサンダー等の工具だと
難しいです。
柔らかいので無理に切るとベローンと変形しちゃう
事もあります。
慎重にカットすればキレイにできると思われます。

フロント、リア共にカットします。


 

 


カット後



画像はリアです。
カットした感じです。

このままだとカット部がサビてきますので
後に強力サビ止めを塗装します。

実際にローターをつけてみて
干渉部が無いのを確認します。





と、ここで長くなっちゃったので
残りは次回に。

次回からはカットしたバックプレートを
ローターが接触しないよう加工し
キャリパーを仮付けしてホイールとの
干渉を計測していきます。

履いているホイールがビッグキャリパー対応では
ないので、どのくらい逃がせばいいかの計測です。

大体このくらい逃がせばイケルよ。といったデータは
ありますが、実測するに越したことはありません。
ホイールの形状によりますからね。




さてさて次回お楽しみに(*´艸`*)









それでは
(* ̄▽ ̄)ノ~~ マタネー♪