2005年07月21日(木)

夏の夜 打ってなんぼの 野球かな

テーマ:野球のルール、初歩の初歩
突然ですが、野球は打たなければ得点できません。今回は『打撃から見た野球』です。え? タイトルが違う? スポーツ俳句さまの影響で五七五になっていますが、これは『打撃から見た野球』と読みます(ウソです)。

打球の方向

whereballgoes

野球中継を見ていて実況アナが「打球はサチューカンに飛んでいきました」とか「ウチューカンをぬけてフェンスまで転がっていった」とか言うことがありますね。打球の方向にはそれぞれを表現する言葉がありますので、ご紹介します。

・~塁間
例えば「1・2塁間」というと文字どおり1塁と2塁の間のことですが、この場合の「塁間」はベースそのものではなく、それぞれを守備する野手を指します。ですのでまったく同じところをコロコロと抜けていった球でも、それが1塁手と2塁手の間なら「1・2塁間」だし、2塁手と遊撃手の間だったら「二遊間」になります。「三遊間」は遊撃手と三塁手の間。

・左中間&右中間
文字どおり、「レフトとセンター」「ライトとセンター」の間という意味です。これも守備位置ではなく、野手同士の間ということになります。「~中間」ということは、ボールは外野手と外野手の間を抜けていったのですから、ヒットになる確率は高くなります。

・(外野)前
「センター前ヒット(文字メディアでは“中前打”)」だったら、中堅手の前でポトリと落ちるヒットのことです。内野手には使いません。内野手の前でポトリと落ちたら、内野ゴロか内野安打です。

・(外野)オーバー
打球が外野手の頭上を超えていくこと。レフトオーバーだったら左翼手の頭上を超えるヒットになります。

・ポテンヒット(テキサスヒット)
内野手と外野手が打球を追っていき、結局その中間に落ちてヒットになることを言います。

〈おまけ〉
・ピッチャー返し
打球が投手のいるところに飛んでいくこと。投手がこれをノーバウンドで捕球したら「ピッチャーライナー」、ゴロになった打球を1塁手に送球してアウトにしたら「ピッチャーゴロ」になります。これでヘタをしたら負傷することもあります。話は変わりますが、ピッチャーに折れたバットが当たることだってあります。但し、バットを捕ってもアウトにはできません。

たとえば、3塁線ギリギリのところでフライを捕球したのが2塁手だったら、そのフライは「セカンドフライ」になります。昨年の日本シリーズ最終戦9回表二死の場面、高々と打ち上げられた打球は西部ライオンズの守護神(抑えのエース)豊田投手のほぼ頭上に落ちてきました。が、いつの間にか1塁手のカブレラが近付いてきてそれを横から捕球したので、記録は「ファーストフライ」になりました。ウィニングボールを捕れなかった豊田はカブレラに文句を言ったとか、言わなかったとか。このように打球を「どこで」捕ったのか、ではなく、「誰が」捕ったのかが記録されるのです。

たとえ己は死なずとも・たとえ己は死のうとも
ヒットとはなんでしょう。自分のバッティングという行為によって誰ひとりアウトにならないこと、なのです。例えば走者1・2塁で内野ゴロを打ったとします。1塁走者が2塁で封殺されました。打者走者は無事1塁に到達しても、記録は「内野ゴロ」でヒットにはなりません。
また、二死以外のとき走者3塁で外野フライを打ちました。打者はこの時点でアウトですが、走者は「タッチアップ」が認められ、本塁に還って1点入ったとします。この場合、打者は「犠打(飛)1、打点1」が記録されます。

「タッチアップ」とは、打者の打った球がフライになった場合(野手にノーバウンドで捕球される球になった場合)、捕球と同時に塁を離れて次の塁に辿り着いたら、その進塁が認められるというルールです。もちろん、次の塁に辿り着く前にボールを持った野手にタッチされたらアウトになりますので、やみくもにタッチアップで走るということはありません。なにより、捕球が済むまでは塁を踏んでいないとタッチアップは認められません。もし、その前に飛び出していたりした場合は、いったん帰塁してスタートを切り直さなければならないので、打球の見きわめが重要になります。

ヒットエンドラン? ランエンドヒット?
あなたは1塁走者です。現在の打者のボールカウントが2-3(2ストライク3ボール)になりました。投手も打者も追い込まれた形です。実質次のボールで最後です。さあ、あなたならどうしますか?

1)打者がヒットを打つか、四球になるか見きわめる
2)ヒットになるにしろ、四球になるにしろ、とにかく走る

ふつうは2)の行動がとられます。打者が打ってもスタートダッシュが遅れたら、2塁封殺で1塁もアウトと「ダブルプレー(併殺)」になるかもしれません。ですが、たとえ内野ゴロになっても、1塁走者が好スタートを切っていれば、2塁封殺は免れるかもしれないのです。四球になってもそのまま2塁に走っていけばいいだけの話ですね。ボールカウントが2-3になったら、実況アナがよく「ランナーは自動的に走ります」と言うのはこのためです。

このように、打撃(ヒット)と走塁(ラン)を同時に行うことを「ヒットエンドラン」と言います。ベンチからこの「ヒットエンドラン」(エンドラン、とよく言いますね)のサインが出たら、打者はどんなボールでも打たなければなりませんし、走者はスタートを切らなければなりません。1塁アウトになっても仕方がないとして、あわよくば二人とも無事塁に到達、最悪ダブルプレーというプレーです。
「ランエンドヒット」は走者のスタートに合わせてヒットを狙うという作戦です。ちなみに「エンドヒット」と言う言葉は聞いたことがありません。
どちらもヒットすることに失敗、なおかつ進塁に成功したら「盗塁(スチール)」が記録されます。

ワンバウンドホームラン? そんなのあり?
打球がスタンドを越えるとホームランになり、打者はダイアモンドを一周できますね。ところが、スタンドに入る前にフィールドでワンバウンドしたら、これってホームランになるのでしょうか……?

答えはなりません。ホームランは、打球があくまでフィールドに一度も触れることなくスタンドに入らなければならないのです。では、上のような場合、スタンドに入ったボールはどうすることもできませんが、一体どういう扱いになるのでしょうか?

この場合「エンタイトルツーベース」が宣言されます。entitle(d)許諾されたtwo-base二塁打で、事実上二塁打になるということです。(尚、この言葉は和製英語で、英語では「ground-rule double(ground-rule=球場によって決められたルール、double=二塁打)」と言うそうです。メジャーでは球場によって決められたローカル・ルールらしいのです。和製英語にしては持って回った言い方だと思うのはわたしだけ?)たとえ足の早い選手で本来なら3塁打になっていたかもしれなくても、たとえ外野手が強肩の持ち主で2塁を踏ませなかったかもしれなくても、2塁打は2塁打なのです。

宿題
ボールカウント2-3に注目しましょう。TV観戦では走者の動きまで確認できませんが、スタジアム観戦なら見えますね。
また、ベンチのサインもカウントによって変わることがあります。奥が深いですね、野球って。
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2005年04月26日(火)

投手から見た野球〈失点と自責点〉

テーマ:野球のルール、初歩の初歩
前回、勝利投手と敗戦投手について説明しました。今回は投手には欠かせない〈失点と自責点〉について説明します。

失点とは…
失点とは文字通り、点を失うことです。つまり、相手チームに得点を許すことです。2005年3月27日、ロッテ対楽天の試合は記録づくめの試合でした。中でもそのスコアは新聞でも大きく取り上げられました。ロッテ26-0楽天。この26得点というのは1950年5月31日、当時毎日オリオンズだった現在のロッテが東急戦で23得点をあげた記録を55年ぶりに更新するというものでした。これを逆にいうと楽天はチームで26失点したということになります。

では、投手に科せられる「失点」はどのように決められるのでしょうか。
例えば、あなたは先発投手だとしましょう。さあ、勝利投手の権利がつく責任投球回数の5回を投げ終わって0点のまま6回に突入です。あなたの調子の良いことから、ベンチは続投を決めました。ところが、気のゆるみからか制球が定まらず、ヒットと四球であれよあれよという間に無死満塁になってしまいました。ベンチが慌ただしく動いたかと思うと、あっさりとあなたは降板させられました。
あなたの後のマウンドを引き継いだ投手Aはなんとか二死まで持ちこたえたのですが、依然として塁は埋まっています。ここで相手チームの4番打者が登場です。力みすぎたAはこの打者になんと本塁打を打たれてしまいました。相手に一気に4点が加わります。
さて、あなたとAの失点は何点ずつになるのでしょう?
え? わたしにも失点がついちゃうの? と、思われたでしょう。はい、ついちゃいます。ここで言う「失点」とは、投手が許した走者が本塁に帰ってきて相手チームに入る得点という意味なのです。
そもそも満塁のピンチを作った責任はあなたにありますよね。Aはその走者を丸ごと背負わされた状態で登板するわけです。たとえ押し出しの四球を与えても、その走者さえいなければ得点にはならなかったはずです。そう考えるとAはかなり不利な条件で登板しなければなりません。そこで、走者を出した責任を負う意味で上のような考え方が採用されているのです。
つ・ま・り、この場合あなたの失点は3点、Aの失点は1点が正解です。

失点についてはよろしいですか? 
では、「自責点」についてもみてみましょう。

自責点? 自分に責任のある点?
あなたは先発投手です。5回、ここまで三振を奪うことで無失点で切り抜けてきたあなたですが、疲れが出始めたのか三振が減り始め、打たせて取る投球内容になってきました。そんなとき、遊撃手が簡単な打球の処理を誤って走者を許してしまいます。記録はエラーです。ドンマイ、ドンマイ。あなたは声をかけて投球を続けたのですが、運悪く次の打者に本塁打を打たれてしまいました。
この時点でのあなたの失点は2点です。が、納得できませんね。本塁打を打たれたのは投手であるあなたの責任だとしても、本来なら難なく取れる打球を上手く処理できなかった遊撃手のせいで許した走者の分まで責任をとるのはおかしいと思いますよね。
そこで、失点から投手の責任を問うのが不当である点数を引いた「自責点」を設けたのです。
ですから、上の場合、あなたは失点2点、自責点1点ということになります。

こんな場合はどうでしょう? ある打者が無死で2塁打を打ちました。次の打者のとき、捕手が上手く捕球できずに後ろに球を逸らしてしまったとします(後逸・パスボール)。その間、2塁走者が3塁まで進塁しました。さらに、打席にいた打者が犠飛を打って1点入ってしまいました。
2塁走者が3塁にいなければ、次の打者がフライを打っても得点にはならなかったはずです。そもそも2塁走者が3塁に進塁したのは、捕手のパスボールが原因ですよね。投手には責任がありません。エラーがなければ得点にはならなかったというわけです。ですからこの場合は失点1点、自責点なしになります。

このエラーですが、投手がエラーをすることもありますよね。ですが、そんな場合投手は他の野手と同じ扱いになり、自責点には数えられません。つまり、投手の責任は投球行為のみに課せられるというわけです。フィールディング(打球処理)は投手としての責任の範囲外になります。

ほかにも、二死からエラーで走者を出した場合、それ以降の失点は自責点にはなりません。例えば二死走者なしから次の打者をエラーで生かしてしまったとしましょう。さらに運悪く、その次の打者に本塁打を打たれて2失点しても、最初の走者をエラーで出してさえいなければその本塁打もなかったわけですから、自責点はなしになります。

防御率
自責点は「防御率」の計算に使われます。防御率とは、投手がその試合での自責点のペースで一試合分(9イニングス)投げ切ったとしたら何点失点するかを表した数字です。ですから、数字は小さいほど優秀な投手ということになりますね。

防御率=自責点×9÷投球回数

まず、自責点を単純に9倍します。その後実際に投げた回数で割るということです。ですから、同じ自責点でも投球回数が少ないほど防御率は高くなってしまうということです。そこで、一定の投球回数をシーズンを通して投げ切らないと公式記録として残さないことになっています。

規定投球回数=そのリーグの1シーズンの試合数

シーズン中、140試合が予定されている場合、規定投球回数は140回になります。140回といいますと、9イニングスを投げて約15試合分です。責任投球回数だけ投げるとしたら28試合分です。

ちなみに前年度最優秀防御率を取ったセ・パ両リーグの投手の成績は

セ・リーグ:上原浩治【巨人】2.60
パ・リーグ:松坂大輔【西武】2.90

です。2点台で最優秀ですから、各球団のエースクラスなら3~4点台というところでしょうか。
まあ、防御率は見ている者が各自で計算するわけではありませんので、新聞などで計算された数字を確認する程度でいいと思います。

※追記(2005年5月4日)
つかささまのご指摘に防御率の目安についてご指摘がありました。詳細はコメントをご覧ください。

〈先発投手〉
2点台=かなり優秀
3.20=エース級
3.40=中軸投手級
3.60=並
3.80=やや不戦力
4.00=登板させるのが怖い

〈抑え投手〉
1.00=優秀
2.00=良い
3.00=並
4.00=投げさせるのが怖い


というのが、つかささまのご意見で、たぶんこの見方が一般的なのだと思います。初めのわたしの説明ではおおざっぱすぎるのと、誤解を生じやすいということでここに追記させていただきます。
つかささまには再度御礼申し上げます。

また、お詳しい方にはご意見等お寄せいただけましたら、幸いです。
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2005年04月18日(月)

投手から見た野球〈勝利投手と敗戦投手〉

テーマ:野球のルール、初歩の初歩
わたしは好きな選手に投手が多いので、ここでは投手から見た野球、野球を投手中心に見てみたいと思います。

勝ち投手、負け投手
投手は成績のひとつとして「勝利数」が数えられます。自分の登板した試合で勝ったか、負けたかということですね。先発した投手が試合終了まで投げ続けることを「完投」といいますが、最近では完投する機会が少なくなってきています。先発投手の後に「救援投手」と呼ばれる投手が継投することが普通になりつつあります。これを「投手の分業制」などということがあります。
投手が完投した場合、もしその試合に勝ったら先発投手がそのまま「勝利投手」になります。

例1
2005年4月10日 ロッテv.s日ハム戦
先発投手:
ロッテ・小林宏之 
日ハム・金村暁(→のち吉崎勝が継投)

試合は7回に4得点したロッテがそのまま逃げ切って、5対1でロッテが圧勝しました。さあ、この試合の勝利投手は?

小林宏之投手ですね。簡単です。

先発投手は5回(イニング)が責任投球回数として決められています。つまり、最低5回までは投げ続けないと勝利投手の権利がなくなるのです。そして、先発投手が登板している間に自軍が勝ち越していて、勝ち越したまま一度も逆転もされず、同点にもされずに試合が終わるとめでたく勝利投手になります。

では、次のケースはどうなるのでしょう?

例2
2005年4月11日 西武v.s日ハム戦
先発投手:
西武・帆足和幸(→のち森慎二、豊田清が継投)
日ハム・正田樹(→のち井場友和が継投)

西武先発の帆足は7回まで投げましたが、降板した時点でスコアは2対2の同点でした。そして森が登板した8回裏、味方に1点が加わり勝ち越します。その後日ハムに追加点を許さず、9回に豊田がマウンドに上がります。そしてそのまま西武が勝利しました。

ややこしいですか? 赤字の部分がポイントです。
帆足は7回まで投げていますから、本来なら勝利投手の権利を持っているはずですね。ところが、この時点でスコアは同点です。勝ち負けがついていない状態です。そして8回表に森が登板して無失点に抑えました。この裏、このブログでもご紹介した中島裕之が決勝点となるタイムリー(打点付きとなる)ツーベースヒットを打って勝ち越します。9回には豊田が登板して、勝ち越した状態を保ったまま試合は終わります。
この場合、決勝点が入った8回裏の直前(つまり8回表)に登板した森投手に勝利がつくのです。
そして豊田には「セーブ」がつきますが、これは後述します。

ではでは、先発投手が5回までもたず降板した後、二人以上の救援投手が登板した場合を見てみましょう。

例3
2005年4月3日 阪神v.sヤクルト戦
先発投手
阪神・能見篤史(→のち吉野誠、橋本健太郎、藤川球児、ウィリアムス、久保田智之が継投)
ヤクルト・高井雄平(→のち河端龍、山本樹、吉川昌宏が継投)

阪神能見はこの日、プロ入り初登板だったのですが、プロの壁は厚く、2本塁打を含む5失点をゆるして5回を待たず4回で降板します。実はこの時点で阪神は7点をとっていたので能見が5回まで投げ続けたら、ひょっとして勝ち投手になれていたかもしれませんでした。しかし、この試合がプロ初舞台となる能見には荷が重いと思ったのでしょう、ベンチは思い切って交代を言い渡しました。
その後、5回を吉野と橋本の二人がかりで、6~7回を藤川が、8回をウィリアムス、9回は久保田がヤクルト打線を0点に抑えて、阪神が勝ちました。

ポイントをまとめましょう。
・能見は責任投球回数に満たず降板したので、勝ち投手にはなれません。
・投球回数が1回に満たない投手は原則として勝利投手になれません(2005年より)。従って、5回を二人で抑えた吉野と橋本も権利がありません。
・残った藤川、ウィリアムス、久保田の中から勝利投手が選ばれます。

この中から最も有効にリードを守り切った投手と、公式記録員が判断した投手が勝利投手になります。この試合では6~7回と2イニングスを投げて0点に抑えた藤川投手が勝利投手に選ばれました。

敗戦投手ついても見てみましょう。
投球回数に関係なく、勝敗を決定する得点を相手チームに許した投手が敗戦投手になります。ですから、4回で負けた状態で先発投手が降板し、その後一度も逆転せずに試合が終わったら、先発投手が負け投手になります。

例4
2005年4月13日 阪神×巨人戦
先発投手
阪神・井川慶(→のち橋本健太郎、吉野誠、江草仁貴が継投)
巨人・工藤公康(→のち林昌範、シコースキー、佐藤宏志、久保裕也が継投)

阪神井川は味方に先制点2点を貰って、5回まで巨人を無失点に抑えていました。ところが6回、突然投球が乱れ始め、この回3失点で逆転されてしまいます。その後1と2/3(アウトカウント2つ分)イニングを橋本が1/3イニングを吉野、最終9回を江草が登板します。その内江草が1失点して、巨人に追加点を与えてしまい、結局試合は2対4で巨人が勝ちました。

この場合、勝敗を決定する得点は井川から挙げた3点目です。9回の追加点はあってもなくても勝ち負けには関係ありません。ですから敗戦投手は江草投手ではなく、井川投手になるのです。

んじゃ、「セーブ」って?
勝利投手の他に、勝ったチームの投手に「セーブ」というご褒美がつくことがあります。ではどんな投手にセーブがつくのでしょうか。

1. 勝ったチームの最後に投げた投手で、勝利投手ではない投手である
2. 登板中、同点にもならず、逆転もされずリードを守ること
3. 次の条件を満たす
  a)3点以内のリードで、1イニング以上登板する
  b)1イニングにならなくても、2連続本塁打されたら同点あるいは逆転される局面で登板する(例:4点リードで走者1・2塁。本塁打1本で1点差に詰め寄りますね。で、もう1本打たれたら同点です。)
  c)点差に関係なく3イニング以上投げる。

例2をもう一度見てみましょう。9回豊田が登板しましたが、このとき点差は1点差です。1と2の条件を満たし、さらに3の内、a)の条件を満たしていますので、彼にセーブがつきます。

次回は「失点」と「自責点」について説明します。
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2005年04月04日(月)

得点しなくちゃ始まらない〈進塁編〉

テーマ:野球のルール、初歩の初歩
前回の説明から日数が経ってしまいましたが、得点の続きを説明します。今回は出塁した走者がいかにして次の塁へ進むか、です。


その前に…
出塁した際に忘れてはいけないことをいくつか挙げておきましょう。

○一つの塁に走者は一人
  前にも説明しましたが、一つの塁は一人の走者で占拠します。間違っても走者が2人以上になってはいけません。
○ベースは踏むもの
  ベースは通過する際、必ず踏まなければなりません。
○ボールは“ともだち”ではない
  占拠しようとする塁にはボールより早く到達しなければなりません。塁を離れている間にボールが塁に到達したらアウトです。


小説・あなたは1塁走者です
《第一話》
次の打者がバッターボックスに入りました。最近ぐんぐん打率を上げてきている打者です。きっと打ってくるでしょう。
「かーーん!」
気持ちのいい音がスタジアムに響き、打球はセンターの手前でぽとりと落ちて、センターを守っていた野手が前に走り出してきました。「センター前ヒット」です。
あなたは打者が打った瞬間2塁に向けて走り出します。走らないと1塁走者が二人になります。そして2塁に到達しました。ボールはまだ戻っていません。
セーフ、です。無事2塁に進塁できました。

☆進塁の奥義:その1
打者がヒットを打ったとき、走者が進塁してセーフになる。また、四死球にあたる投球だった場合は無条件で進塁
→走者も打者走者もセーフ

《第二話》
次の打者がバッターボックスに入りました。カウントはノーアウト、走者1塁。打者はバントの得意な選手です。ベンチのサインはやはり「バント」。
ピッチャー、第一球投げました。球速の速いストレートでしたが、バッターは器用にボールの勢いを殺して目の前に転がしました。あわててキャッチャーがボールを拾い、1塁に送球して1塁、つまり打者走者をアウトにしました。
その間、あなたは2塁に進塁できました。

☆進塁の奥義:その2
打者が犠牲バント(送りバント)を成功させる。
→打者はアウト、走者はセーフ

※もしこのとき、打者走者がめっぽう足の速い選手だったりした場合、1塁もセーフになることがあります。これを「セーフティバント」と言って、足に自身のある選手は走者なしでもセーフティバントを狙うことがあります。バントが犠牲にならずヒットになるので「バントヒット」とも言います。

2004年7月31日。この日阪神は宿敵(?)巨人と戦っていました。走者1塁でバッターは鉄人4番打者・金本。この2日前に彼は左手首に死球を受けており、コンディションは決して万全ではありませんでした。あとで分かったことですが、実は骨折していたそうです。ですが、翌日もスタメン出場を果たし、左手をかばうように右手一本で2安打を放った彼のことです。4番の責任を果たそうと必ず全力で打ってくるでしょう。
ところがピッチャーが投げた瞬間、彼はヒッティングの構えからすかさずバントに切り替え、1塁に全力疾走で自らも生き残ったのでした。
「記録のためだけに出ているようで申し訳ない」と言う男・金本の意地が炸裂したひとコマです。
2004年ペナントレース感動のひとコマ…金本の執念のバントヒット…でした。


《第三話》
次の打者がバッターボックスに入りました。あなたは足に自信があります。ピッチャーはくせのあるフォームで投げることで有名です。当然、この投手の投球動作のくせをあなた自身もよく知っています。ピッチャーの方も、足の速いあなたを警戒して隙を見せないように工夫して投げています。
ところが見つけてしまいました、わずかな隙を。投球と同時に、あなたは考えるより早く体が反応して2塁ベースに走り出していました。
捕球したキャッチャーが素早く2塁に送球したのですが、わずかにそれをかわして滑り込んでセーフになりました。

☆進塁の奥義:その3
盗塁に成功する
→走者は進塁、打者は通常のボールカウントがつき、スリーストライク目だったらアウト。

※このとき投手は走者の動きを牽制するために、走者のいる塁に向かって「牽制球」を投げることがあります。盗塁を狙う走者は2塁ベース方向にリードをとっていますので、牽制球より速く帰塁しなければなりません。もし、牽制球でタッチされるとアウトになります。

盗塁と言えば、阪神・赤星です。昨シーズンは64個の盗塁を決めてぶっちぎりの盗塁王でした。(2位の荒木【中日】は39個)「セ界の盗塁王」の「セ」とはセ・リーグのことです。本当の「世界の盗塁王」は福本豊氏【元阪急】で、通算盗塁数1065個。シーズン最多は106個。現在は関西方面のTVやラジオで「ぼやき解説」をなさっています。

《第四話》
次の打者がバッターボックスに入りました。このとき投手が「ボーク」を犯しました。ボークとは塁に走者がいるとき、投手が行う投球上の反則行為のことです。どのような反則があるのかはここでは詳述しません。たとえば、投手は投球の際、マウンド上にあるプレートに触れなければなりませんが、これを怠るとボークを宣告されます。
ボークを宣告されると、走者に1個進塁が認められます。あなたはラッキーにも相手投手のボークで2塁に進塁できました。

☆進塁の奥義:その4
相手投手のボーク
→走者は無条件で進塁、打者の扱いはそのときの状況による(ボーク宣告時1塁に進塁している場合はボークに関係なくゲームが続けられる等)

2005年3月30日、日ハム対西武の試合でのことです。わたしがTVをつけたときは既に2回裏まで試合が進んでいました。画面を見てカウント等を確認しようとしたら西武・石井貴(たかし)投手がボークをとられました。これで日ハムの走者進塁だなと思っていたら、3塁からセギノールがホームに帰ってきたのです。このとき走者3塁だったわけです。
このようにボークで得点することもあるのです。ちなみにこのときのボークは「プレートに触れている投手が投球動作を途中でやめてはならない」に抵触した模様です。


《第五話》
次の打者がバッターボックスに入りました。ピッチャー、第一球投げました。が、ボールは大きく逸れてキャッチャーは捕球できませんでした。ボールはころころと後ろに転がっていきます。 その間あなたは2塁に進塁できました。

☆進塁の奥義:その5
相手バッテリーのミス
・ピッチャーの投球ミス=ワイルドピッチ、暴投
・キャッチャーの捕球ミス=パスボール、捕逸
→走者はよほどのことがないかぎり進塁、打者は打席続行

《最終話》
一塁走者だったあなたも無事本塁に戻ってきたら得点になります。おめでとう。
ところあなたはどのような進塁行為で本塁に戻ってきましたか? もし「奥義その1」および「その2」で戻ってきたのであれば、そのときの打者には「打点」という記録がつきます。
言い換えると「打者の打撃行為によって入った得点」ということです。この場合「その2」のバントは「スクイズ(squeeze:搾り取る)」と呼ばれることになります。
そして本塁に戻ってきたあなたには「得点」という記録がご褒美として与えられます。

宿題
この小説の感想文…ではなく、ひいきチームの各選手の打点と得点をつけてみましょう。得点の合計数はチームの得点数と一致しますが、打点は必ずしも一致しません。なぜなのか、考えてみましょう。


「得点しなくちゃ始まらない〈出塁編〉」追加項目
※振り逃げ
たまに三振したはずなのにいきなり1塁に走り出す打者がいますが、これは「振り逃げ」というルールがあるからです。
「振り逃げ」とは次の条件下で認められます。
 ・無死または一死で、1塁に走者がいないとき
 ・走者の有無に関係なく二死のとき
 スリーストライク目を捕手が正規に捕球できなかったら、打者はアウトにならず、この打者をアウトにするにはタッチアウトか一塁送球アウトが必要になります。ただし、セーフになっても打者の記録は「三振」です。
また、「振り逃げ」という名称ではありますが、空振りしなくてはいけないわけではありません。見逃しであってもスリーストライク目というのが重要なのです。
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2005年03月24日(木)

得点しなくちゃ始まらない!〈出塁編〉←※見出し変更

テーマ:野球のルール、初歩の初歩
いよいよ得点するときがやってきました。アウトもいいけど点が入らないことには勝敗がつきません。では野球ではどのようにして得点していくのでしょうか?

得点! その前に出塁だ!
野球は4つの塁をすべて陥落させて(踏んで)得点するスポーツです。順番も決まっていて1塁→2塁→3塁→本塁と、ひとつも洩らしてはいけません。そしてこれは打者のお仕事です。ではどんなときに打者は大切なバットを放り投げてまで出塁できるのでしょうか。

1. ヒット
「安打」とも言います。打者は打球がフェアゾーンに入ったら1塁に向けて走らなければなりません。それまでの間に守備側の野手が打球を1塁手に送球したらアウトになりますが、その前に1塁ベースを踏んでしまえば「ヒット」になります。
よく走者が勢いよく1塁ベースを駆け抜けていくシーンを見ますが、このとき送球のタイミングが微妙(間に合うか合わないかのタイミング)だったらファウルラインの外側に駆け抜けていることに注目してください。駆け抜けた走者は塁を離れていますが、これをタッチしてもアウトにはなりません。ですが、もし走者が2塁の方向に駆け抜けた場合、進塁の意志があるとみなされればタッチアウトにすることができるのです。

1塁まで送球より先にたどり着いたら「単打」もしくは「シングルヒット」と呼ばれます。
2塁までたどり着いたら「2塁打」もしくは「ツーベースヒット」と呼ばれます。
3塁までたどり着いたら「3塁打」もしくは「スリーベースヒット」と呼ばれます。

では、次のようなときはどのように記録されるでしょうか?
打者走者は2塁を回ったところでボールの行方を見ると、どうやら外野手が処理にもたついていてこの分だと3塁まで走れそうです。3塁コーチも腕をぶんぶん振り回しています。そこで3塁まで一気に走っていきました。ところがボールは意外と速く3塁手のグラブに納まり、スライディングしたもののタッチアウトになってしまいました。
この場合は2塁までは安全にたどり着いていますので、記録は「2塁打」となります。でもアウトはアウトです。

ヒットは打球が飛んだ方向によって呼び名が変わります。もし、中堅手の前でバウンドしたら「センター前ヒット」、頭上を越えてしまったら「センターオーバー」、内野手と外野手がお見合いするような格好で中間に落ちるような当たりは「ポテンヒット」あるいは「テキサスヒット」と呼ばれます。

また、2塁打以上のヒットは「長打」とも言います。

2. フォアボール
「四球」とも言います。文字通りボールカウントが4つになったら打者は無条件で1塁に出塁できます。あとで説明しますがフォアボールは「打数」には含まれませんので、打率が落ちることはありません。

3. デッドボール
「死球」とも言います。恐ろしいネーミングですね。これは打者が投球に当たった場合無条件で出塁できることです。ですが、このとき打者がわざと当たりにいったと判断された場合は適用されません。また、スピードの速い球が頭部に当たった、あるいは当たりそうになった場合は危険球とみなされて投手は退場させられることもあります。

4. エラー、フィルダーズチョイス
それぞれ「失策」「野選」とも言います。例えば明らかに内野ゴロの当たりの打球を、野手のミスで速やかに1塁送球できずに走者を生かしてしまった場合、ヒットではなく守備側の野手に「エラー」がつきます。スコアボードには「E」と表示されます。打者は内野ゴロと記録されます。

「フィルダーズチョイス」の方は、例えば走者1塁で、ショートゴロの当たりの打球を捕球した遊撃手が、余裕のある1塁に送球せず2塁でアウトにする目的で2塁に送球したが、間に合わず2者とも生かしてしまった場合等を言います。これもヒットではなく守備側の野手に「フィルダーズチョイス」が記録されます。スコアボードには「FC」と表示されます。

この2つは審判の判断によりますので、実際にはエラーと言われればエラーだし、ヒットと言われればヒットだしということも結構あります。
先日もご紹介したシーツ選手【阪神】ですが、彼は名手と言われるほど守備のうまい選手ですが、2004年のセ・リーグ失策王(エラーの最も多い選手)でもあるのです。これは並の選手なら打球にまったく届かずヒット性の当たりに見えるのが、シーツ選手はなまじっか届いてしまうためエラーに見えてしまうから、と言われています。だからこのような逆転現象が起こってしまうのです。
このようにエラーかヒットかの見極めはたいへん難しいとされています。

宿題
本日はここまでにします。ひいきチームの選手の打撃成績をつけながら観戦してみましょう。第一打席:フォアボール、第二打席:右前打(ライト前ヒット)、第三打席:空振り三振……という具合に。スコアをつける前段階としていい練習になります。
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2005年03月15日(火)

アウトいろいろ《改訂版》

テーマ:野球のルール、初歩の初歩
あれもアウト♪ これもアウト♪

野球の試合を進める上で最も重要なことはなんでしょうか? ヒットを打つこと? 確かにヒットを打たないことにはサクサク得点することはできません。4連続フォアボールで1点というのもありですが、それではあまりに退屈です。
それよりも重要なのは「アウトをとること」なのです。アウトとらないことには攻守交替ができず、9回で試合が終了するのに回が進まず、コールド規定がない限り試合が終わりません。


※コールドゲーム(called game)
大量に得点差が発生し、見ている方がさむ~くなる試合…ではありません。五回以上の攻守を終えたあとの時点で、降雨・(ナイター設備のない球場での試合で)日没や得点に大差がついた場合に、主審の裁量でその回で試合の終了を宣言する試合。勝敗はその時点の得点で決められるゲーム(試合)のことです。calledとは「判定された」「宣言された」くらいの意味です。


では、試合の中でどのようなときにアウトになるのでしょうか。

1. フライ
 打球が地面に落ちる前に(=ノーバウンド)守備側の選手が捕球するとアウトになります。これを「フライ」と言います。これはフェアゾーンでもファウルゾーンでも同じです。「ゾーンで見る野球-その1」で「ファウルボールを積極的に捕るといいことがある」と書きましたが、この故です。二塁手が捕球してアウトにしたら「セカンドフライ」、ファウルゾーンで捕球したら「ファウルフライ」と呼ばれます。

 「ライナー」という言葉もありますが、意味はフライと同じです。弾道が低く、高く打ち上がらないタイプの打球のことをこう呼んでいます。

2.ゴロ
 地面についた(バウンドした)打球を守備側の選手が捕球して、打った走者(打者走者)が1塁に到達する前に、1塁に入った(1塁ベースを踏んでいる)選手に送球した場合、あるいは自分で1塁ベースを踏むとアウトになります。これを「ゴロ」と呼びます。投手が捕球して処理したら「ピッチャーゴロ」、1塁手が捕球して処理したら「ファーストゴロ」になります。総称して「内野ゴロ」と言います。
 「外野ゴロ」はあまりありません。なぜなら、外野までコロコロとボールが転がっていったらまず間違いなくヒットになるからです。
 また、打者走者はセーフになったけど、そのとき塁にいた走者が次の塁でアウトになった場合(4. 封殺参照)、打者の記録はゴロになります。自分の打席でアウトを作ってしまったからです。

3.タッチアウト
 捕球した選手がボールの入ったグラブで走者(塁を離れた走者)をタッチするとアウトになります。

4.封殺
 例えば1塁に走者がいる状態で打者がゴロを打った場合、1塁走者はその瞬間2塁に向けて走らなければなりません。1つの塁に二人以上の走者がいてはいけないからです。ついでにいうと追い越しもいけません。この走者は、先に2塁にボールが送球されると走者へのタッチなしでもアウトになります。
 このように進塁しなければならない走者を次の塁でアウトにすることを「封殺(フォースアウト)」(forced out)と言います。走者を塁間に封じ込めるから…でしょうか。(forceは「強制する」という意味ですから、走ることを強制されたランナーをアウトにするという意味です。)

5. 三振
 もうご存知ですね。ですが三振してもアウトにならない場合があります。が、これはまた別の機会に説明します。
 また、2アウトからのバント(後述)がファウルになった場合、「スリーバント失敗」でアウトになります。普通、2アウトからのバント以外でのファウルはストライクカウントになりませんので、アウトにもなりません。

アウトォー! でも……

それではアウトはいつも「悪」なのでしょうか。たしかにアウトカウント3つで攻守交替ですから、嬉しいものではありません。しかし、打者がアウトになっても、走者がいた場合進塁できるパターンがいくつかあって、運が良ければ得点が可能です。「肉を斬らせて骨を断つ」戦法ですね。
ただし、アウトカウントはつきますので以下のプレーは2アウトでは不可能です。

☆犠牲(送り)バント
 バントとは、ボールの勢いを殺して投手と捕手の間に転がすように球を打つことです。よく打者がバットを横に寝かせるような構えをすることがありますね。あれが「バントの構え」です。
 1塁走者は次の打者が打つ時点で2塁側に多少リードしていますし、走る体勢で待っていますので、打者が1塁に到達するのと比べるとかなり早く進塁ができます。そこで、守備側は確実にアウトを取れる1塁に送球します。これにより、1塁はアウトになりますが、結果的に走者は2塁に進塁します。このときバントした打者は自分を犠牲にして進塁させたということで、記録は「犠打」になります。これは進塁を意図したことが明らかな場合に限られ、結果的に進塁打になったような当たりのときは「犠打」にはなりません。(この箇所、追加)

 また、バントではなくても、走者進塁して、アウトになったのが打者だけの場合も「犠打」になります。

☆犠牲フライ
 打ち上げた打球をノーバウンドで捕球したら、打者はその時点でアウトになります。このとき走者は一旦帰塁(元の塁に戻る)して、捕球と同時にスタートを切って走塁することができるのです。これを「タッチアップ」と言います。
 走者3塁で次の打者が外野の深いところにフライを打ち上げたとしましょう。3塁走者は飛び出していたら一旦帰塁して、外野手が捕球するのを待ちます。そして捕球と同時に本塁に向かって走塁を始めます。ボールが外野から戻ってくるまでに本塁を踏めば1得点です。打者はアウトですが、一人帰還(本塁に戻ってくる)して得点したわけですから、記録は「犠打」「打点1(後述)」になります。
 犠牲フライは「犠飛」とも表記されます。
 またタッチアップで1-2塁、2ー3塁へ進塁しただけでは「犠打」にはなりません。(この箇所、追加)

実例
H.17年3月10日、甲子園球場で行われた阪神対日ハムのオープン戦の試合で、珍しいタッチアッププレーがありました。
4回裏(阪神の攻撃)無死(ノーアウト)1塁で打者は町田。彼は高い高いキャッチャーフライを打ち上げてしまいました。日ハムの捕手はそれを追いかけて、背後のファウルグラウンドに走り出し、フェンス際で捕球しました。この時点で町田はアウトです。現場で見ていた私はこの間、当然捕手の動きに注目していました。
と、そのとき捕手が慌てたような動きを見せたのです。そして次の瞬間には持っていた球を2塁に送球。一瞬何が起こったのか分かりませんでした。が、2塁を見るとヘッドスライディングをしたばかりらしい、泥だらけの1塁走者のシーツが立ち上がろうとしています。
??? ひょっとして、キャッチャーフライタッチアップ成功? キャッチャーフライでタッチアップから走塁というのはかなり珍しいことです。私自身、これ以前に聞いたことはあったとしても、見た記憶がありません。

インフィールド・フライ?

「インフィールドフライ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? ない、という方も多いと思います。いったい何のことなんでしょうか?

もっとも効率のよいアウトの取り方は「併殺(ダブルプレー)」です。封殺可能な走者がいる状態で、内野ゴロ等を処理して走者と打者走者の両者をアウトにすることです。例えば、走者1塁で、打者がショートゴロを打ったとします。走者は2塁に進塁しますが、到達前に2塁に送球して1アウト、さらに2塁から1塁に送球して1塁に走ってきた打者走者もアウトにするようなプレイです。攻撃側は併殺だけは避けたいわけです。

逆に守備側はダブルプレーが取れれば万々歳です。そこで、多少のズルをしてでも併殺しようとすることもでてくるのです。
例えば、1アウト1・2塁でもし併殺プレーがでたら攻守交替という場面で、打者が内野フライを打ち上げたとします。これを普通に捕球すれば打者をアウトにできますが、あくまで1アウトのみです。走者は1塁に戻って次の打者を迎えるところですが、ボールをわざと落としてゴロ扱いにし、2塁封殺の後1塁送球アウトで併殺というプレーを行えば、意図して2アウトをとり、攻守交替することができます。

ですが、これはあまりに姑息なプレーということで、少なくとも2アウトを取れなくするためにルールを設けました。それが「インフィールドフライ」です。

もう一度今の例を見てみましょう。普通のフライとして処理されていたらアウト1つが加算されるだけです。ですからわざとボールを落としてゴロにします。そうすると、1塁走者は進塁の義務が生じて2塁に進塁しますが、タイミング的に封殺になる公算が高いのです。そのあと1塁送球でこちらもアウト。結果アウト2つカウントされて攻撃側に不利です。

これを防ぐにはどうしたらよいのか。インフィールドフライは次のように規定されています。

無死または一死で、走者1・2塁または満塁のとき、内野手が普通の守備行為をすれば捕球できる飛球(フライ)が打ち上げられたら、捕球する前にアウトが宣告される。

これは外野フライには適用されません。インフィールド(infield)は内野という意味です。外野フライだと併殺は難しいので、これは内野フライのみに適用されます。
これで故意に落球して併殺を取ろうとするプレーを防ぐことができます。

インフィールドフライとは?」(きょうろぐ)参照

宿題

三振以外でアウトになった場合、なぜアウトになったのか考えながら試合観戦しましょう。分からなくても深く考え込む必要はありません。そのうち、すぐに分かるようになりますし、それより大切なのは試合を楽しむことですから。
もうすぐ開幕です。リコちゃん、しょこちゃん、そろそろ準備はよろしいですか?
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2005年03月03日(木)

「ゾーン」で見る野球-その2

テーマ:野球のルール、初歩の初歩
もうひとつのゾーン「ストライクゾーン」

strikeとは「打つ」ことを意味します。野球の場合「打つ」といえば「バットでボールを」打つことに決まっていますね。「ストライクゾーン」というのはすなわち

「打者がもっともボールを打ちやすい空間」

という意味になります。ですからその空間=ゾーンに入ってきたボールは打ち返さなければならない、平たく言うと打たないあんたが悪いのよ、ということです。これを打た(打て)なければ「ストライク」がカウントされます。そして打者にとってチャンスは3回。すなわち「スリーストライク」で打者はアウトになり(これを「三振」といいます)、さらに3人の打者がアウトになると攻撃のチャンスが相手チームに移ってしまいます。

ストライク×3(三振)=1アウト
アウト×3=攻防の交替

では、投手の投げたボールがストライクゾーンをはずしたらどうなるのでしょうか。
この場合「ボール」が宣告されます。ボールがカウントされると今度は投手が追い込まれます。なぜかと言うと、ボール4つで対戦中の打者は無条件で1塁に出塁できるからです。当然アウトはカウントされません。出塁(塁に出ること)という観点から見るとこれは「シングルヒット(ボールを打つことによって1塁に出塁できる)」に匹敵します。これを「フォアボール」といいます。

ボール×4(フォアボール)=打者が出塁

ごく単純に言うと
・「ストライク」は投手に有利
・「ボール」は打者に有利
ということです。

問題です。打者が「ボール球(ボールも球も本来は同じ意味なのですが、これはストライクゾーンに入らなかった球という意味です)」に手を出して、しかも打つことができなかった場合カウントはどうなるでしょうか?

答えは「ストライク」です。飛んできた球がストライクゾーンに入らないことを見抜けなかったあんたが悪いのねン、といったところでしょうか。
これらのことから、
○打者はボールがストライクゾーンに入るか否かを見極める能力(選球眼)が必要
○投手は投げた球の軌跡(コース)を打者に見抜かれないように自在に投げる能力(制球力)が必要
なのです。

試合の得点が表示される球場のスコアボードやTV中継の画面には、ストライクは「S」、ボールは「B」で表されます。また、アウトは「O」です。

どこにあるの? ストライクゾーン

次にそのストライクゾーンがどこにあるのか見てみましょう。
ストライクゾーンはホームベースの上の空間に存在します。ということは幅はホームベースの幅(ボール約6個分)に等しいわけです。
高さの説明は少し複雑です。用意はいいですか?

「打者の肩の上部とユニフォームのズボンの上部との中間点に引いた水平のラインを上限とし、ひざ頭の下部のラインを下限とする」

??? 一読しただけでは分かりにくいですね。そこで横浜ベイスターズの種田選手のシルエットさんにお越しいただきました。種田選手のシルエットさん、よろしくお願いします。
シルエット「……」
すみません、シルエットはしゃべれませんでした。
みなさんはこの記事の一番上の画像をクリックしてください(拡大表示されるはずです)。シルエットさん、ちょっと構えてみて……あ、もう構えてらっしゃいますね。……ずいぶん個性的な構えです。


《先に進む前に》
種田選手の構えは「がに股打法」としてよく知られています。明らかに一般的な構えではありませんが、バッティングフォームには少なからず打者の個性が出るものです。
なお、種田選手は「がに股以前」と比べて「がに股以後」では打撃成績が上がっているそうです。ですが、誰がやっても打撃がよくなるというわけではありません、たぶん…。
ちなみにベイスターズの本拠地、横浜スタジアムではファンによる「種田ダンス」が見られます。


図1のシルエットさんから伸びている2本の赤いラインの内側がストライクゾーンです。上限はわきの少し下あたりになると思います(下限が少しずれていますが、気にしないでください)。
また、シルエットさんにわざわざ構えていただいたのには、わけがあります。ストライクゾーンは決してまっすぐ立った状態で判断するのではないということを、分かっていただくためです。極端な話、うんとしゃがんだ状態で構えるとストライクゾーンはうんと低めになるのです。

ストライクゾーンの中

打者はホームベースの右か左に立ちます。右打者は投手から見て右に、左打者は左に立ちます。図3はキャッチャーから見たストライクゾーンですが、打者は右打者でキャッチャーから見て左側に立っているものとします。
ストライクゾーンといっても、その中を通過する球すべてが打ちやすいとは限りません。もっとも打ちやすいのは図の中の赤い部分で、いわゆる「ど真ん中」というものです。ここを通過する球はどんな打者にとっても、打ちやすい球になります(実際にはタイミングやスピード等で必ず打てるというわけではありません)。

黄色い部分を通過する球は、打者に近いところを通る「インコース(内角)」の球と言います。ボールが自分のすぐそばを通っていくわけですから、打ちにくいコースと言えます。また、自らが球に当たってしまう(デッドボール , 死球)危険性もあります。
青い部分を通過する球は、打者から遠いところを通る「アウトコース(外角)」の球です。体の大きい、腕の長い打者なら届くかもしれませんが、背の低い、腕の短い打者にはつらいコースと言えます。

黒い点々の部分は「高め」、赤い点々の部分は「低め」になります。これらを組み合わせて「外角高め」とか「内角低め」、あるいは「インハイ(内角高め)」「アウトロウ(外角低め)」などと言います。また、打ちにくい、とは言っても打者によって得意なコースがあるようです。

宿題? ありますよ

とはいえ、ストライクかどうかを見極めるのは審判(球審、キャッチャーの後ろに立っている人)のお仕事です。観戦するときはその結果だけ見れば(聞けば)十分です。
そこで、この次観戦するときはひいきのチームの打者がバッターボックスに立ったとき、そのストライクとボールの数を数えてみましょう。ビギナーが退屈するのはおそらく打者がなかなかヒットを打たないからだと思いますが、ボールカウントを意識しながら見るとあっという間に時間が過ぎていきますよ。

◇補足◇
ボールカウントが2ストライク以外のとき、打球がファウル(「ゾーン」で見る野球-その1参照)となった場合はストライクとしてカウントされます。これは故意にファウルを打ち続けて投手を疲れさせようとするのを防ぐためです。
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2005年03月01日(火)

「ゾーン」で見る野球ーその1

テーマ:野球のルール、初歩の初歩
ここらへんで野球のルールらしきことなど、お話してみましょう。先週の土曜日から「オープン戦」と呼ばれる、公式戦に先立って行われる試合も各地で始まったことですし。
今日は「ゾーン」についてです。

「ゾーン」とは?

野球の試合を見ていても「ゾーン」という言葉を単独で聞くことはほとんどありません。たいてい「ファウルゾーン」のように前に別の言葉がくっついてきます。ゾーン”zone”は「区域」のことで、特に境界線がはっきりした場所のことを言うときに使う言葉です。スポーツで領域や陣地のことを表すのにも使われます。

野球では主に3つの「ゾーン」があります。

・フェアゾーン
・ファウルゾーン
・ストライクゾーン

「フェアゾーン」と「ファウルゾーン」はグラウンドに目に見える形で存在します。では、野球が行われるグラウンドはどのような形をしているのか見てみましょう。

この記事の一番上の図は典型的な球場を図式化したものです。(アメブロで画像を任意の場所に配置する方法がわからないのです…)手前に本塁を置いてみました。AとA'はそれぞれファウルラインと言います(赤い破線を含む)。B(黒い破線、Dの実線を含む)は本塁から最も遠いところまでの距離を表しています。AおよびA'の先端とBの先端を曲線で結んだ青いラインより向こう側(外側)で、赤い破線の内側は観客席(外野席)になります。
野球のプレイグラウンドは本塁を軸に扇形をしていますが、この扇の内側が観客席を含めて「フェアゾーン」になります。
ですから、この外側が「ファウルゾーン」というわけです。このうちAとA'(赤い実線)の先端から下方向にアルファベットのUの字の形にグラウンドが広がっていて、その外側に観客席(内野席等)が続いています。

ちなみに図中の「両翼」「中堅」等の言葉は今は分からなくても結構です。また、数値もまったく気にすることはありません。

フェアゾーンとファウルゾーンの違い

さて、試合の中でこのふたつはどのように扱われるのでしょうか。
野球は投手(ピッチャー)が投げるボールを打者(バッター)がバットで打とうとすることから始まります。


《先に進む前に》
 野球は英語でBaseballというくらいですから、ベース(塁)と呼ばれる白くて四角い一種のプレートを陥落させて(踏んで)得点するスポーツです。ベースはそれぞれ次のように呼ばれています。

・本塁(ホームベース)
・一塁(ファーストベース)ここを守る人は「一塁手」
・二塁(セカンドベース)ここを守る人は「二塁手」
・三塁(サードベース)ここを守る人は「三塁手」

本塁にも選手が陣取っていますが、本塁を守ることもそうですがもっと大切な役割があって、それゆえ「捕手(キャッチャー)」と呼ばれています。そうです、ピッチャーの投げたボールを受ける(捕らえる)役割です。

この4つの塁は正方形を描くように配置されています。この正方形は一角を軸に見るので菱形にもなります。ですから、別名ダイナ……いえ、「ダイアモンド(菱形)」とも言われています。(あやうく年がばれるところでした。なんのことか分からなかった方はくれぐれも深追いしないように。)


ピッチャーはダイヤモンドのちょうど中心の位置から本塁の少し後ろにいるキャッチャーに向けて投球します。打者は本塁の右か左に立ち、これを打ち返そうとします。もちろんバットに当たりもしないこともありますが、ここではボールが当たったと仮定します。

打ったボールは「打球」と呼ばれます。このときピッチャー以外の守りについている選手(野手)は本塁の方を向いて立っていて、本塁の方から飛んでくる打球を捕って塁を踏ませないように邪魔します。ピッチャー自身が打球を処理することもあります。

ですが、これは打球がフェアゾーンのうちグラウンド(フェアグラウンド)に落ちてきた場合です。フェアゾーンでも観客席に飛び込んだ場合は「ホームラン(本塁打)」になり、否応なく1~4点を得点することになります。
もし、打球がファウルゾーンのうちグラウンド(ファウルグラウンド)に落ちてきた場合は、基本的に野手はなにもする必要はありません。ただし、この「基本的に」は「戦術的に」という意味ではありません。ファウルグラウンドに落ちてきたボールを積極的に捕ると、いいことがあります。(後述)

宿題

今日から野球の試合を見るときは、打球がどのゾーンに飛んでいくのかに注目しましょう。
次回は「ストライクゾーン」についてです。

追記
リコちゃんがヤクルトスワローズの高橋敏郎捕手に一目惚れした模様です。ヤクルトは私の守備範囲外なので、どなたか彼について情報をお持ちの方はコメント欄にでもご一報ください。リコちゃんにフィードバックします。
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