家造りとは 昔はもっと真剣だった | 奈良県古民家再生協会ブログ

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家の価値観は人それぞれです。

坪100万でも妥当と考える人もいれば、坪40万も掛ければ十分

という人もいます。

単価だけ見れば大きな差がありますが、坪100万でも例えば100年

持てばそれはそれで値打ちがあります。

一方、坪40万でも20年で取り壊し様なことがあればこれは高い買い

物です。


昔の家は、高かったと思います。

それは一家のご主人が自分の子供や孫のことを考えて、子々孫々

の繁栄を願って家を建てた人が多かったのだと思います。

そして誰もが家を建てることができる時代でもなかったでしょう。

それだけに家造りは真剣だったはずです。

だからこそ、傷んだところを修繕しながらも住み続けたから昔の家は

長持ちしました。

また、そういった環境に住むことで家はどういうものかを自然とおぼえ

たのでしょう。

長男が家を継ぐのが当たり前という風潮は私の時代でもありました。

長男も当然のこととして跡を継いでいます。



しかし、戦後の住宅不足が大量生産を生み出しました。

誰もが一戸建ての家を持てるようになったのです。

これはこれでありがたいことですが、昔からのいい風習も否定される

ようになりました。


今の時代、「自分の代さえ持てばいい」という人がほとんどです。

子どもは子どもでまた考えればいいという人がほとんどです。

この考えは、家造りだけでなくいろんな面で悪い影響を及ぼします。

「家族のつながりを考えた家造り」などといっても所詮は核家族だけの

話です。

次の代のことは考えていません。


今、住宅はあまり出しています。

新築住宅も今までのようには建たないでしょうし、実際必要もありません。

まだまだ、住める家が空き家となって放置されています。

景気の良くない時代ですが、昔の本来の家造りが見直されるべきいい

機会かもしれません。