Josy

 スペイン語の発音は難しくない。
日本人にとって、読み方はほぼ直感的である。

 “h”が無音である、などの違いは、スペイン語の教本をめくれば
すぐ分かる部分である。

やっかいなのは、以下のものである。

 lla、lle、lli、llo、llu。
正しくは、リャ、リェ、リ、リョ、リュ であるが、地域によっては、
     ジャ、ジェ、ジ、ジョ、ジュ (一番使われる)
     ヤ、イェ、イ、ヨ、ユ と発音するところもあり、
     シャ、シェ、シ、ショ、シュ がブエノスアイレス周辺。

 ya、ye、yi、yo、yu。
これも、ジャ、ジェ、ジ、ジョ、ジュ が一般的であるが、
    ヤ、イェ、イ、ヨ、ユ というところもあり、
    シャ、シェ、シ、ショ、シュ がアルゼンチン首都圏。

 もちろん sha、she、shi、sho、shu も、シャ、シェ、シ、ショ、シュ
(一部の国で、チャ、チェ、チ、チョ、チュ)。

 それでは、怪我からの早い回復を願う「小林慶行」をローマ字にしてみよう。
「KOBAYASHI Yoshiyuki」が正しいと思われるが、一般的な書かれ方、
「Yoshiyuki Kobayashi」とし、スペイン語発音で読んでみることにしよう。

 「ヨシユキ コバヤシ」と読む地域は確かにあるが、
「ジョシジュキ コバジャシ」が最も多いと思われる。
そして、ブエノスアイレスに行けば、「ショシシュキ コバシャシ」
と呼ばれることも覚悟してなければいけない。

 彼のニックネームは「コバ」か「ヨシ」だが、“shi”に慣れてないのか、
ベトは「ジョスィ」という。

                    つづく
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祝!

 日本で車を運転するため、シトンには外国からの免許の切替が
必要だった。そのため、試験場へ何度か通った。

 1回目は、頑張ったのだが、試験場の最寄りの駅にタクシーが
待機してなくて、受付終了の3分後に到着してしまい、
「また来て下さい」。片道1時間前後。ガックリ。

 2回目は、時間的には余裕だったのだが、書類の審査が外国人の
犯罪増加に伴い、厳しくなっていた。よって、ブラジルから追加で
取り寄せなければならないものもあり、書類待ち。
間に合ったのに... ガックリ。

 3回目は、書類OK。
適正検査も、問題なくパスで、筆記の試験もクリア。
実技確認の日にちをもらう。
第一関門通過。希望。

 4回目は、実技確認。
コースの途中で帰される。ガックリ。

 5回目の実技確認では、ポイントも押さえていて、慎重に走る。
コースを終えたところで、試験官の話を聞いたあと、次のひとが
廻るとき、「じゃあ、後ろに乗って見てて」と言われる。悪い予感...
やはり、次回の参考のために、ということだった。ガックリ。

 「早く家族に日本を観せたいのに...」

 6回目であった本日、受付を済ませ、呼ばれるのを待った。
一緒に(6回とも)行ったチーム編成部の江原さんと一服済ませ、
待合室にいるシトンのところへ向かう途中、売店の近くを通った。
江原さんと目が合い、トッポを探した。見当たらない。諦めて
去ろうとしたそのとき、ちょいと高いところに置いてあったのを
発見。「元気付けてやろう」と、江原さんが1箱購入。

 「シトン、こんなのがあった...」
ポリポリサクサク「何?」と振り向いた。
さすが。

 コースの方も、慎重かつ軽快に廻り、ほぼ完璧な走りで合格。
諸手続きを済ませ、免許証を受け取ったシトンは、それにキスをし、
両手で高々と掲げた。タイトルを獲ったときの顔だった。歓喜。

 と、このようにシトンはこれまで、精神的に苦しい状況で戦って
いたのだ。気持ちが軽やかになったいま、更なる活躍を期待しよう。

                    つづく
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 ウルグアイとしか共有していないアルゼンチンのスペイン語の
アクセントは、他のスペイン語圏の人にいわせると、歌っている
ようであるらしい。テンポがいいのは、イタリア人の移民が多い
からなのかも知れない。「言い回しが少し古風で、ちょっぴりお洒落だ」
とスペイン人が評しているのを聞いたこともある。

 それでは、アルゼンチン国内の、いろんな地域での言い方を
イメージでとらえよう。 (注:あくまでもイメージ)

 例文:「何をしているのですか?」

 ポルテーニョ風にいうと、「何しとんのしゃ?」
(↑アルゼンチンの首都圏出身の人間に出会ったことがあるひとは
よく分かると思うが、やたらと“しゃ、し、しゅ、しぇ、しょ”が
多いのである。もっと厳密にいうと、「しかしお主、何のしょうも
ないことしとんのしゃ?」みたいな感じである。“お主”はないか...)
コルドバ風にいうと、「何やって~んだあぃ?」
(↑動詞の変形が、“普通のスペイン語+い”というケースが多い。
また、途中の音節が伸びるのも特徴)
北西では、「なぁにぃしーてんの?」
(↑インカの影響・ボリビアに似てる。ゆっくり)
北東では、「何、やっ、てんだ?」
(↑グアラニの影響・パラグアイと似てる。ちっちゃい“つ”(っ)が
入りこんできまくり。ちょっと詰まったような話し方)
エトセトラ。

 と、多様である。
お気づきのように、コルドバのアクセントはユーモレスクかつ
のんびりである。

 ところが、「お前、よく聞き取れるな...」とアルゼンチン人の友人にも
言われたほどのオジーのあの早口は無国籍だ。スペイン語が話せても、
オジーのことを知らないひとは「どこ出身だろう?」と思うはずである。

 聞き取りにくいと感じたことはないが、確かに早口(普通の人の
1.4倍。当社比)だ。ちょっと前のファンカーゴのCMほどではない
かも知れないが、近いものがある。しかし、お互いテンポが分かって
いるので、かなりスムースに通訳できる。

 だが、録音されたものをあとで聞くと、オジーのテンポにつられて、
自分の通訳も、気持ち早口になっていることもよくある。

                    つづく
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 アルゼンチンの国土は日本の約7倍。人口は4分の1ぐらい。
そこにはさまざまな方言があるが、一般的に“アルゼンチンの
アクセント”と言われているのが、首都圏のそれに近いものだ。
日本語の標準語が東京弁に近いのと同じである。

 そのアルゼンチンは移民の国である。
『母をたずねて三千里』のマルコの母親のようにイタリアから
渡ったひとも多い。例えば、ボカ地区にはジェノバ出身の人が
たくさん集まった。サッカーチームのボカ・ジュニオルスや、
ボカのサポーターのことを“セネイセ”というが、これには
“ジェノバの/ジェノバ人”という意味がある。

 また、港町ブエノスアイレスの人のことを“ポルテーニョ”
というが、これは“プエルト(港)の”ということである。
ちなみに、“港を離れる”ことを指す“デスポルテ”が語源になり、
日常を離れるという意味で、“デポルテ”という言葉が誕生した。
ポルトガル語の“エスポルチ”も同じである。そして、英語が
“スポーツ”だということを聞けば、意味もお分かりであろう。

 さて、話しがそれてしまったので、テーマをアクセントに
戻そう。話しがそれるといえば、ハイスクール3年(高一)の
ときの地理の担任の、本人の知らないところでのニックネームが
“アリンコ”だった。本題である木の幹から、枝の方へ、更に
細い枝の方へと、どんどんどんどん進んで行き、しまいには、
たまたま重なっていた他の木の枝に移っていたりもした。
地理の授業なのに、いつの間にか『猿の惑星』の話になっていたり、
チーズについて語っていたりしてたのだ。

 チーズといえば、やっぱりフルボディの赤ワインに合うのは
ブルーチーズだ。なかでも、ロックフォールのあの「んふっ」
と鼻を抜ける青カビの感じが何ともいえない。ビールにもよく合う。
ビールといえば...

                    つづく
 あれは、大分戦の前日だった。
羽田空港に少し早く着いたオレらは、搭乗ゲートの近くで時間が
経つのを待っていた。

 そうだ、機内用の飲み物でも買おう。
ふと、そう思ったオレは、近くの売店へと向かった。
緑茶のペットボトルを手に、雑誌を物色していたそのとき、

 「これって、おいしい?」

 それがその後、ずっと遠征の友になることを知る由もないシトンが、
トッポを見つめていた。「サクサクしてて、中にチョコが入ってるよ」
そう言うと、いきなり2箱購入。それ以来、トッポを買うときは、2箱ずつ。
無理もない、あの体格だ。1箱では物足りないのだろう。

 こんな感じで、シトンは日本のいろんなものを試していて、結構気に
入るものが多い。しかし、苦手なものがひとつあった。それが納豆だ。
あのネバネバがどうも食べづらいらしい。おいしいのに。


 昨日、用事がありシトン宅へ行くと、今日のバス移動用のおやつにと、
既に用意していたトッポの箱を笑顔で見せてくれた。

 みなさんも、スーツケースを持つ移動中のシトンを見て、
「あの中にトッポが2箱入っているんだな」と思ったりして楽しんでみよう。

                    つづく