お話させていただきます
CM撮影、無事終了
3月下旬から4月あたまにかけて流れます
お楽しみに
ところで今日は皆さんにお話しておきたいことが・・・・
旦那はんのHPの
シェフストーリーVOL、42
「ご心配いただきありがとうございます」
を
お読みになった方は
もうご存知だと思います
最近彼の
テレビを見た友人からも
トシさん、左目が痛々しい
大丈夫?と心配してもらい・・・
とくに充血がひどいときは
お店でもTVでも
アイパッチ(眼帯)を
つけさせていただいている旦那はんですが
自らのHPで明らかにしたので
私もお話することにします
結婚した2009年
生まれて初めて人間ドックを受けた彼
その結果、
眼底の乳頭視神経に異常あり
要・精密検査
と診断されました
知人の眼科医を訪ねたところ
今はとくに急いで何かする必要はないけれど
今後の生活習慣に注意してください
と言われました
パティシエという仕事がら
甘いものの試食は毎日
お酒も強いし大好き
血糖値や血圧も
職業的にも
年齢的にも
気にしないといけない
妻の栄養管理はもちろんんですが
外でも彼自身
気をつけてくれなくちゃいけません
でも
ときおり飲みすぎて
私はそのたびにハラハラ
喧嘩になるのを覚悟で
強く強く
止めたこともあります
いつか彼の健康になにかあったら
目を悪くしたらと・・・
幸せな結婚生活の中
常につきまとう思い
そんな妻の心配はよそに
彼には危機感などみじんもありませんでした
だって視力は両目ともに1.5
五体満足
人間ドックでは前述の結果でも
一見どこも悪くないのですから
でもそれから数ヵ月後
2010年5月
彼から
「左目の視力が急に落ちてきて」
と言われたときは
寝耳に水と言うより
(とうとうきたか)
というかんじでした
すぐ治療すればなんとかなると信じ
大病院の信頼おける知人ドクターに
一任することにしました
精密検査の結果
網膜中心静脈閉塞症
目の奥の血管がつまり
血の塊ができているとのこと
手術はリスクもあるし
入院も必要
となると
仕事人間の彼がすぐ手術
受けるわけありません
ステロイドの注射をして凌ぎました
それでもまだ彼には
それほどの危機感はなかったと
思います
二人三脚で治していこうね
と話し合い
さらに栄養管理など気をつけてましたが
連絡もないまま
遅くまで外で飲んできたりしたときは
喧嘩したことも
良くならないまま年はあけ
2011年2月
初めて手術を受けることになりました
修学旅行に行く子供の荷造りをするように
あれこれ入院の準備をしていた私をみて
「ふん
なんかなおはん
楽しそうやな」
と旦那はん
「つらいときほど明るくする性分なの、
ごめんね」
なんて言った覚えがあります
小学生のとき盲腸で入院して以来の
病院生活
彼をいとおしいなと思えたのは、
病院食の時間
普通、味気なさそうで、
げんなりするところです
女友達のご主人が入院したときは
「こんなまずいもん食えるか!
旨い寿司でも買ってこい!」
と言われたとか
でもうちの彼は
「うん
美味しいなあ」
と、
プラスチックのお皿の
冷めた煮魚を
すごく美味しそうにほおばっています
このときは
こんな心豊かな人に育ててくれた
お母様と亡きお祖母さまに感謝しました
初めて手術室に運ばれるとき
点滴しながら、
車椅子を看護師さんに押されていく姿
彼の小首が左右に揺れて
妙に可愛らしく
笑ってしまいました
同時に
涙があふれてきました
あのときの彼の心もとなげな後姿
一生わすれないでしょう
手術と入院は
たった3ヶ月の間に3回も
詳しい事情を知らない彼のスタッフには
多大な心配をかけてきました
手術をしてよくなるものなら・・・・
毎回祈ってきましたが
先生方のご尽力もむなしく
手術するたびに悪くなっていった
というのが正直なところです
高い眼圧
目の奥で
繰り返す出血
光さえ感じられなくなっていき
今年に入ってセカンドオピニオンの
病院にも行きましたが
診断は同じ
完全にあきらめてください
とは誰もおっしゃいませんが
難しいですねと首をふるばかり
彼の左目は
光を失ったままです
外見からしても充血がひどく
目薬の影響か
まつげが伸びて
右目との違いが顕著です
人さまから心配の声をいただくたびに
「独眼流政宗みたいな
かっこいい眼帯でも
特注しようかな?」
と彼
そこでネットで調べたら、
お洒落な眼帯が
アメリカには豊富にあると知り
NYに住んでる友人を通じて
取り寄せました
コックコートのときはベージュ
ダークスーツのときは黒のアイパッチ
ほかにもスノウマン模様や迷彩柄
ドットにチェック
ニコちゃんマーク
あるわあるわ
彼もまんざらではない様子
先日のバレンタインなんて
こんな可愛いハートをつけて
お客様に喜んでいただけたようです
現実は受け入れて
ポジティブに考えて
明日に向かう
いつもそうやって
生きてきた
悲観して
彼の目がよくなるならそうしますが
嘆いても始まらない
だから私は落ち込んだりしません
左目の視力と引き換えに
味覚や職人としての感覚は
ますます鋭くなり
これからももっと
素晴らしい仕事を成し遂げていくと
信じています
彼から聞きましたが、
ジョーフレージアという
アリを初めて倒したヘビー級世界チャンピオンは、
左目失明のボクサーだったそう
片目見えないぶん
何か特別な力が備わっていたのでしょうか
実際旦那はんの
右目の視力は1.5あるので
運転もできます
左目を患ってからも
エクアドルでのカカオ農園オープン
小田原で農園&レストランオープン
今年も
渋谷で新しいプロジェクトがスタート
と
次々と夢を叶え続けています
頑固で短気なところもある彼ですが
最近すこし
まあるくなってくれた気がします
かえって心の視野が広がったと
HPには書いてます
そして前以上に
自分の健康に留意してくれるようになりました
結婚する前すでに
「これからは
なんでも二人で乗り越えていこうね」
と彼に話しました
今がそのときです
私生活では
私が彼の左目になります
仕事では
たくさんのスタッフが支えてくれています
それにアイパッチした旦那はん
今まで以上に
なんかかっこいいんですよ
自ら
独眼流パティシエ
なんて言って
トレードマークにする気かしら?
私は彼の笑顔が大好きなので
その笑顔をいつまでも見せてもらえるよう
これからも
がんばります
心配しないでください
彼のお店のクオリティ
彼の職人力
彼の笑顔は健在です
これからも
よろしくお願いいたします
長いブログ
最後まで読んでくださり
ありがとうございました