2014-03-11 19:43:03

拝啓 佐々木明様

テーマ:ブログ
私がまだ中学生だった頃の話だ。

私は旭川のカムイスキーリンクスというスキー場でとあるレースを観戦していた。

自分が出場しないレースを見るというのは私の人生の中でもあまりないのだがこの日は違った。

1人の 「化け物」 と呼ばれる男を見たくて私はスタートに向かったのだ。

スタートは既に多くの人だかりでその男の顔はよく見えなかったが黒く大きな物体が物凄いスピードで滑り降りてゆくのが見えた。

私がただ一方的に見ただけなのでこう言うのは相応しくないと思うが、これが私と彼の初の出会いだった。

この黒く大きな物体の名は 「佐々木明」 

現在まで日本のアルペンスキーの歴史の中で最も輝かしい功績を遺した男だ。

それから数年が経った高校1年生の頃、私ついに彼と同じフィールドに立った。
彼との初の対決はインターハイだった。


結果は私が2位で彼が1位だった。

中学生のあの頃、私は彼の後姿しか見えなかったのが高校1年生で彼と肩を並べて表彰台に立てた事をその頃の私は少し満足していたんだと思う。

そして「化け物」 と言われた男に私の名を知らしめた事と彼を射程距離に捉えた事に対して満足していたんだと思う。

しかしそのまた数年後、そこで得た自身は彼のとんでもない活躍により跡形もなく吹き飛ばされる事になるのだった。

時は2003年、、私が大学1年生の頃だった。
私はヘルニアになってしまい戦線を離脱せざる負えない状況となった。

日本に帰国しリハビリを余儀なくされ、いつ直るか分からない恐怖や耐え難い激痛と戦っていた時、佐々木明はウェンゲンという難コースで自信初の表彰台に立っていた。

それをテレビで見た時はヘルニアの激痛よりもはるかに大きな衝撃が私の体中を駆け巡った。

この日から私の壮絶な旅が始まった。

佐々木明という人物の背中を追う壮絶な旅が。





元々あまり仲がいい方ではなかったと思う。

私はそもそも生意気だし、明さんの事を食い入るように見ていたその眼差しはきっと殺気に良く似た何かを発していたのだろう。
それを感じ取ったのかは定かではないが、彼も私という生意気な後輩とは決して馴れ合おうとはしなかった。

そして2人の仲を近付けない決定的な要素があった。

「スタイル」 が真逆なのだ。

彼はその大きな体にピッタリな性格で、何もかもが大きかった。

よく笑うしよく怒る。

人を騙す様な事とは無縁で、その真っ直ぐな性格とライン取りは多くの人を引き付けるのだった。

一方あの頃の私は彼の目覚ましい活躍を目の当たりにし、高校生の頃隣にいた彼がとてつもなく遠くに行ってしまった事に焦り、その焦りが劣等感を作りだし、その劣等感と自分の弱さと戦うのに精一杯だった。


今思えば私も彼のその大きな魅力に引き付けられていたのかもしれない。

どんな時も笑っている彼に引き寄せられていたのかもしれない。


時は流れ2006年。
明さんが人生で3度目の2位表彰台に立った時だ。

私は初のワールドカップ一桁代の記録を残し、その年に行われたオリンピックでも7位に入賞した。

その頃からだろう。
私の中で激しく渦巻いていた劣等感というドス黒い雲が少しずつ晴れてきて、佐々木明という存在と真っ直ぐ向き合えるようになったっていったのだ。


その様子に応えるかのように明さんとの人間としての距離がどんどん近づき始めていったのを覚えている。

その後2010年 私がオリンピックで代表漏れした時も一番最初に声をかけてくれたのは彼だったし、今年のオリンピック直前で私が負傷した時も真っ先に日本から骨折に効くサプリメントを調達してくれた。

お互い意識はしていないものの昔とは比べ物にならないほど密な間柄となっていたのだ。

それもそのはず、、
私たちは15年近くも共にヨーロッパを旅し、アルペンスキーという競技に向き合い続けてきた戦友なのだから他にはない感情を抱き、共に戦ってきた2人しか分からない「何か」 があるのだと思う。



2014年3月9日

佐々木明 がワールドカップを去った。


いつかこの日が来るとは思っていたのだが、いざその日を迎えると私は彼がいなくなるという現実が全くもって受け入れられなかった。

長年追い求めてきた大きな背中が私の前から消えたのだ。

いなくなって分かった事がある。

私は相当明さんの背中を頼りにしてきたという事だ。

一国の代表としては情けなく聞こえるかもしれない。

でも事実だ。

いつも明さんを見ていた。

いつも彼の滑りをひとつの指標に練習していた。


そして今日 3月11日

彼が去って初めての練習をヒンターライトでした。

分かっていたが、独りだった。

あのデカい背中はもうない。

あの笑い声も聞こえない。


明さんのいないピステはいつもより広くて冷たく感じた。


本当にさみしいよ。


でももうそんなことを言っている場合ではないのは分かっている。

私は独りでも戦わなければならない。

私が後輩にその背中を見せて滑らなければならない立場になったのだ。



明さんが最後のレース、、私は明さんより成績が悪かった。

なんだか明さんに顔面を殴られた気分だった。

「それで俺を超えられるの? そんなのでアルペンスキー引っ張っていけるの?」

って言われた気がした。


明さんが最後の最後になっても、私はまだ明さんから学んでいた。
自分は明さんに教えた事なんて一つもないのに。

最後の最後まで頼ってしまった。

こんな情けない後輩が彼に認めてもらえる道は一つしかない。

世界一になることだ。


彼の達成できたなかったことを私が必ず成し遂げる。

 
明さんのように 真のスーパースターになるんだ。






私は彼と一緒に滑れた事を誇りに思います。



心から お疲れ様でした。



心から




ありがとう。






らぇjbらw
たおいれあ


また会える日を楽しみにしています。

ゴル友としても、これからも末永く宜しくお願いします。




湯淺直樹
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コメント

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29 ■あの日…

ソチの2本目。序盤の振り幅の広いオープンゲートからヘアピンの入口で体勢を崩して、滑り直して再び転倒。
最後まで、どんなにみっともなくても、カッコ悪くても闘うことを止めなかった明の姿を見て、単純に『凄い』と思った。
湯浅さんの決意に水を差すつもりはまったくないが、
本当の最後の最後まで『闘う姿』を後輩に見せるかどうか。

それが大切だと思う。

カッコ悪くても、泥臭くても、いや。
泥臭くて、カッコ悪ければ悪いほど良いと思う。

ひとつの事柄に『人生を賭けて闘う』のはたやすいことではないと思います。

言葉で言ったり、文字に書いたりするとカッコ良く聞こえるけど、闘いの現場はそんなものではなく、汗臭く血まみれで、涙も吐瀉物さえも伴う。

そんな闘いを後輩に見せることが、あなたの使命だと思う。

そんな闘いの当事者の『汗と血と涙』は一般のファンは知らずに言いたい事を言う。

それで良いと思う。

根性論はいらないと思うが、もし後輩や未来に『なにかを残す』のだとしたら、悪い部分や辛く苦しい部分を一杯見せた方が良いと思う。

それが成績に現れた時に『明のようなやかましい程の大声で笑う』事が出来る。

そんな『闘いの真実』を見せてやる。
それが後輩への贈り物になると思う。

世界一になった姿を見せるのではなく、世界一になるまでを見せるのが、後輩には一番効く薬になると思う。

28 ■腰痛に関して

もしお役に立てればとURLを。

27 ■目を引くブログですね!!

折角なのでコメントさせて頂きます。
ブログってその人の個性も出ますし楽しいですよね!?
良ければ仲良くして下さいね♪

26 ■こんばんは。

私も1983年4月24日生まれです。
宜しくお願いします。

25 ■おじゃましまーす(^▽^)

楽しいブログをUPされてますね☆
記事の書き方など上手ですね♪
良かったら私のブログも見てほしいです♪

24 ■ジャパンチームは、最高だ!

二人とも最高だ。
ファンには、大事なものが伝わってる。
もちろん、後輩たちにも。
ありがとう。(^-^)

23 ■そろそろ

ご機嫌いかがですか?そろそろ更新お願いします。ファンとの交信もお忘れなきように。お願いします!!

22 ■スキーフォーラム(^O^)

一昨日行って来ました!

湯浅直樹選手と佐々木明選手の
信頼関係…

戦友でもあり心友でもあるんでしょうね…。

あ―あ羨ましや~☆

サインに握手
ファンサービス!
どうも有り難うございました

トークショーも
とても良かったです(^w^)

一緒にお話も出来て
とても楽しかったです!

有り難うございます

またお会い出来る日を
とても楽しみにしておりますm(_ _)m


これからも
頑張って下さいね(^_^)v

いつも応援しておりますo(^-^)o

21 ■湯浅さんは強い!強い!

湯浅さんに良きWCポイントが雪崩のごとく有りますように!!

20 ■来シーズンもがんばってください

Lenzerheideでは写真を一緒にとっていただき、ありがとうございました。来シーズンは、怪我無く、全力が発揮できることを心から祈っています。

19 ■無題

お疲れ様です。しばらくは体を癒して下さいね。少し時間も取れると思うので。
これからもずっと応援していきたいので、そのためにも、入念に!絶対に!本当に!お願いします!!

18 ■前だけ見てればいい。

私は今48歳です。これからレースに復帰しようと必死でトレーニングしています。何を追いかけているのか・・・。それは、高校で挫折した自分をもう1度スタートに立たせ、あの時、前にいたライバルを追う為に・・・。でも、もう、彼はレースにはいません。あの時のゴーストを自分は追い続けてます。直樹さん、ずーと、明さんを追いかけていていいとおもいます。完璧に超えるまで。

17 ■お疲れ様!

レンツァハイデ 悪いコンディションの中
魂の滑りでした。 
骨折以来レースを戦い抜きましたね
あなたにしかできないことです 
手術を終え早く北海道に帰ってきてくださいね
美味しいものたくさん食べて 体力回復!

佐々木明さんの解説良かったです。
あらためてアルペン競技の厳しさ、醍醐味教えてもらいました。
湯浅コールもすごかったよ!

16 ■ありがとうございました.(非掲載希望)

昨日Lenzerheideでのレース後にRacing Bibsを頂いた者です.
興奮しすぎてBibsにサインを御願いするのに加えて,お礼を言うことも忘れてしまいました.大変失礼いたしました.またお会いできる機会があれば改めてお礼を申し上げたく思います.
菅平で湯浅選手が練習している姿を見てから,ワールドカップで湯浅選手や日本の選手が滑っている姿を見るのが夢でした.次の夢は表彰台のてっぺんに立っている姿を見ることです.
今シーズンもお疲れ様でした.オリンピック直前のケガの調子はいかがでしょうか.無事に回復して来シーズンこそ表彰台の頂点に立てるよう細やかながら遠くより応援しております.

15 ■レンツェルハイド

申し訳ありません。中継最後、少ししか観られませんでした。従って湯淺さんの映像は録画の2本目だけ。
佐々木明氏のゲスト解説を聴きながら、様々な事を思い観戦しました。

よく最終まで滑りましたね。驚きと共に頭が下がります。
シーズンお疲れさまでした。足お大事に。
またフルアタック見せてください

14 ■攻めろ!!

皆川、佐々木、両選手からタスキを繋いだ湯淺選手。
今では湯淺選手が「怪物」と言われる立場。
佐々木選手も先日のJーSPORTSで「湯淺は勝つ!」と言ってたぜ♪

日本のエースらしく、堂々と胸はって行こう☆ゆあさん

13 ■感動

トップアスリートの二人、
とともに、一人間としての二人、
を垣間見ることができました。
スポーツって素晴らしい!

12 ■無題

お互いにお互いのブログで感謝の気持ちを書くなんて‥‥‥友情が愛情に変わらないようにして下さい、一線を越えてはなりませぬ。。。

さすがの佐々木さんらしい最後っ屁。どうかきっちりお返しして差し上げてください!!いっぱいいっぱい湯淺さんを応援しています!ブログの更新も忘れずにお願い致します!いっぱいいっぱい湯淺さんに良いことがありますように祈ってます!!


11 ■やっぱり次は。。。

明さん、長い間日本アルペン界を背負ってきました、本当にお疲れさまでした!そして、いよいよ世界一は湯浅さんに託されました。これからたった一人で世界を転戦するにはちがいない、けど、ゆあさんには私たちがついています。
どんなことがあったってみんな全力応援しています。応援しかできないけど、いつも想いをエールを送っています!
Be strong enough!いかなる時も勇気をもって前に進もう!
迷ったら、もちろん困難なほうを選ぶさ!
もう、ずっと越えてきたでしょ。そうやって。
明さんを超えてください!ゆあさんならできます!

10 ■いつもながら味のある文章

泣けた(T_T)。。。

9 ■いい文章、泣けます

佐々木明選手 最後のワールドカップ
全力の滑りでした!
世界の壁を突き破る成績!
私たちに夢と感動をあたえてくれました。
道産子の一人として心からお礼申し上げます
Ski life goes on 明さんのブログ最高です

いよいよ最終戦 スイス レンツァハイデ
jスポーツで観戦します。
今回もハラハラドキドキさせてください

真のスーパースターなりましょう

8 ■明さん、ありがとう

泣いたーーー。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。

佐々木明選手がいかに
湯淺直樹選手にたくさんの影響を与えてたか・・・

わたしも直樹選手と切磋琢磨されていた
明さんの引退はとてもさみしいです・°・(ノД`)・°・

直樹選手の仰るとおりです

これからは以前にも増して

後輩に背中を見せて滑ってください☆彡

そして必ず成し遂げてください☆彡

世界一☆*゚ ゜゚*☆:..。o○☆゚☆*゚ ゜゚*☆:..。o○☆

7 ■伝説を伝承し、そして頂に!!!

ランキングでは、数年前に入れ替わっていたし、世の中の「日本のエース」という呼び名も入れ替わっていたけれど、本当にこれで、バトンタッチなのですね。

お二人の滑りは、同じです。
共に、「熱い、熱すぎる!」んです。

これからも、場所は違うかもしれないお二人の活躍を楽しみにしています!

そーしーて、世界の頂を、ぜひともゲットしてください!!

6 ■無題

佐々木明さん。4年前、このプログでの湯浅さんへのコメントが思い出されます。これからは、新たなフリースキーでの『佐々木明の世界』を見せてくれるのではと思っています。

5 ■思い

本当に素晴らしいお二人ですね!これを書くことも本当に勇気がいることだと思います!二人の昔の関係や出来事、凄く感動しました!なおさら湯浅選手が明さんが好きになりました!頂点必ず取って下さい!!必ず!

4 ■無題

素晴らしい戦友をもっていらっしゃったんですね。きっと二人で高め合っていたんだろうなと記事を読んで感じました。最後のありがとうでは、うるっときてしまいました。この気持ちを胸に、またこれからも活躍してくださいね。とても良い記事なのでFacebookでシェアさせてもらいます。

3 ■無題

感動した ええ話しやなぁ

2 ■越えてゆく大きな選手

越えていって下さい。
それは、明さんも望んでいる事。
第一シードに、
トップスリーに、
その瞬間を楽しみにしています。

1 ■恩返し

そう、その背中を越えてゆくんです。
また、今この瞬間も湯浅直樹という大きな壁のような背中を追いかけて越えていこうという若武者がいるんです。さみしいなんて…言っていられないかも。どんどんがんがん進んで下さい。そして、日本のレベルを上げて下さい。てっぺん獲って下さい。
それが佐々木明さんへの湯浅直樹の恩返し、ですよ。ピステでは独りかもしれませんがゆあさんを応援する皆のハートが背後に背後霊のようにピッタリと寄り添っております♪さみしくな~い、さみしくな~い(*^o^*)

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