そして、それは突然に…

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彼が書いた念書…。

私はそれを封筒に入れると、
自室にあるタンスの引き出しに
そっとしまいました。

どうか、これを使うことが
ありませんように…、

そう願ったことは嘘ではありません。



そういえば、カフェで、
彼は、お店を閉めると言っていました。

彼一人きりでやっているお店です。
私の他にも女性客はたくさんいる。

それを奥様が心配するのも当然です。

「テナントに入っている、
 もう1店舗の方で働くの?」

私が聞くと、彼は、

「もうこの仕事はしない。」

そう答えました。

しばらく、何もせず、
家で次の人生を考えるのだという。

優雅だこと、、

テナントの店舗があるから、
最低限の役員報酬は彼の懐には入る、、
生活はギリギリ何とかなるのです。

でも、これからは、何をするにも
奥様の目を気にしていくのでしょう。

束縛を嫌っていた彼、
せいぜい奥さまに監視されて、
生きていけばいい。


彼のお店が閉まれば、
私がいつも見ていた風景も変わる、、

少し淋しいけれど、
こうして、また一つずつ
色んなことが終わっていくのだと、
改めて実感したのです。



どうでもいいことですが、
その頃、私は毎日頼んでいた、
宅配牛乳をやめました。

牛乳嫌いの子供です。
どうせ、飲むのは主人だけ。

それも、残ってしまって破棄することも
よくありました。


何でもないことだけど、これも
変わっていくことの一つなのかな、
それぐらいにしか思いませんでした。


でも、なぜこの時期にやめたのだろう?

その答えは、今も出ません。

それぐらい、何となく、、
どうでもいいくらいの出来事でした。



今思えば、、
虫の知らせじゃないけれど、
これは一種の暗示だったのかもしれません。








その日は、突然やって来ました。

休日、天気のいい日でした。

昼近くに、私と主人は些細なことで
口論になったのです。

主人は、いつもにまして感情的でした。

さすがに子供も気付きます。


私に殴りかかろうとする主人を、
必死に止める子供が不憫でした。

「お前達は、俺が邪魔なんだろう!
 俺がいなくなれば、せいせいするのか?
 俺が死ねばいいんだろう!」

「子供じゃあるまいし、
 出来もしないことを言わないで!」


売り言葉に買い言葉の口論が続きました。

子供の前でする会話ではありません。



私は、急いで、
子供を連れて食事に出ました。

主人が感情的なるのは
いつものことでした。

帰った頃には、
主人も落ち着きを取り戻しているだろう、、
そう思ったのです。




私は、この時の行動を
ずっと後悔しています。

そして、これから先も、
ずっと後悔し続けるのです。


 






 






私達が、意識のある主人を見たのは、
この時が最後になりました。





「お父さん!」

そう泣き叫んだ子供の声が、
今も私の頭から離れません。









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  • ”そして、それは突然に…”

    大変な人生を歩まれているみたいですね。否定も肯定もしません。でも、望んでなくても、こんな人生もあるとおっしゃっていたことには、嘘ではないし、共感いたします。誰でも幸せになりたい、それは当たり前です。幸せになりたいから、うまくいかないのです。それを、当たり前と受け止める方、ありえへんと受け止める方、夢…

    yume2435

    2017-12-06 22:16:29

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