大切な人 | 仲代奈緒オフィシャルブログ「ココロの部屋」Powered by Ameba

大切な人



今日、5月15日は亡くなった母、宮崎恭子の誕生日。



女優であり、演出家であり、昨年、公演した「大切な人」の原作者でもあります。




私は母の命日より、

母が生まれた日である、今日5月15日のほうが、大切に思えます。



母は私が21歳の時に亡くなりましたが、小さい頃から沢山のことを教えてくれました。


「時間を大切にすること」

「いつも人から自分がどう見えてるかアンテナを張ること」

「常に自分が大切と思う順番を決め、一番大切なことのためにがんばること」・・・。




当時は「うるさいなぁ~」って右から左でしたが、今、私を支えてくれてるのは、それでも言い続けてくれた、「母から教えてもらった沢山の言葉達」です。

「右から左でも良いのよ。
でも、耳にたこができるくらい言えば、いつの間にかそれは残るから・・・」

母の言うとおり、それらの言葉は、しっかり私の体に残っていました。





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この写真は私が8歳の時、無名塾公演「マクベス」にマクダフの息子役で出演したときのもの。


一生懸命、メイクをしてくれてます。


この公演は私の初舞台。

引っ込み思案の私が「やりたい!」初めて自分から声を出した事でした。


私は舞台の空間が大好きで、学校が休みになると地方公演に付いていき、通行人や市民、何かしらの役で舞台に立たせてもらいました。


母が衣裳になりそうな服を探してくれて、メイクをしてくれて・・・。

母の思い出と友に私の記憶にしっかり刻み込まれてます。




私が歌手デビューして3年で、しかもミュージカルなど、芝居を初めてすぐに母は亡くなってしまったので、教えてもらいたかったことは沢山あります。

教えるのが大好きだった母は、初ミュージカルの時は私が一人稽古場で稽古をしていると、こっそり稽古場に入ってきて色々教えてくれました。

きっと、まだまだ教えてくれたかったことがいっぱいあったんだろうな・・・とも思います。



でも、母が亡くなってから今日まで、私がやってきた作品はいつも母が支えてくれていたから出来たと思えて仕方がないのです。


今日まで得た沢山のことは母のお陰のような気がしています。




母が亡くなる前に言った言葉。

「ただ、頑張って、頑張ってって言っても、どう頑張って良いか分からないでしょう。

頑張ることはみんなが仲良くすること、頑張ることの中心は『愛』よ。」


今、このような世の中になり、母のこの言葉は益々心にしみます。

「みんなが愛を持って仲良くすること。」それがあれば、こんな世の中にはならなかったでしょうし、

今、皆がこの思いになれば、日本は本当に美しい国に戻れるのではないかと思います。