額に汗して働く姿は尊い。

だがいつまでも額に汗して働くのは知恵のない話である。

 

それは東海道を、汽車にも乗らず、

やはり昔と同じようにテクテク歩いている姿に等しい。

東海道五十三次も徒歩から駕籠へ、駕籠から汽車へ、

そして汽車から飛行機へと、

日を追って進みつつある。

 

それは、日とともに、人の額の汗が少なくなる姿である。

 

そしてそこに、

人間生活の進歩の跡が見られるのではあるまいか。


人より一時間、よけいに働くことは尊い。努力がある。勤勉である。

 

だが、今までよりも一時間少なく働いて、

今まで以上の成果をあげることも、また尊い。

 

そこに人間の働き方の進歩があるのではなかろうか。


それは創意がなくてはできない。

くふうがなくてはできない。

 

働くことは尊いが、その働きにくふうがほしいのである。

創意がほしいのである。

 

額に汗することを称えるのもいいが、

額に汗のない涼しい姿も称えるべきであろう。

 

怠けろというものではない。

楽をするくふうをしろというのである。

 

楽々と働いて、なおすばらしい成果があげられる働き方を、

おたがいにもっとくふうしたい

というのである。

 

 

そこから会社の繁栄も生まれてくるのであろう。
 

 

松下幸之助氏/パナソニック創業者

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