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2015年10月10日(土)

『地球の履歴書』

テーマ:自然科学とか
地球の履歴書 (新潮選書)/新潮社
大河内直彦/著、 新潮選書(2015)


人類が海の深さがどのくらいかを知ったのはつい最近のことだという話。

サンゴ礁の進化解明にも関わったダーウィンの話。

海底地形を知るための武器、サイド・スキャン・ソナーとシー・ビームの話。

地球内部に閉じ込められた石油や塩の話。

南極の話。

氷河期の海退、間氷期の海進にまつわる話。

火山の中から吹き上げてくるモノの話。


地球科学エッセイとでも云えそうな内容。

文章が上手。

読み易い。


一つひとつの章が短いので、どこからでも気楽に読める。


寺田寅彦の時代から、科学者が書くエッセイは面白いんだ。


迷って読まなかった、この人の別の作品 『チェンジング・ブルー』 も読もっと!


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2014年11月04日(火)

『大陸と海洋の起源』

テーマ:自然科学とか
ず~っと読みたかったんだ,コレ。

どの書店でも見かけない岩波文庫のなかの一つ。 増刷?復刊?してくれないものの一つ。

ひと月ほど前だったか? 急に思い立って古書店で購入。上巻が1987年発行版,下巻が1983年発行版のものだった。定価だった・・・。


DIE ENTSTEHUNG DER KONTINENTE UND OZEANE (1929)
  

『大陸と海洋の起源 (上)(下) 大陸移動説』 アルフレート・ヴェーゲナー/著,都城秋穂・柴藤文子/訳 (岩波文庫 青 907-2(1981)


『種の起源』 などと並ぶ科学啓蒙書の古典の一つ。


耐震設計やら耐震診断だのといった業務を行うことも多い職種上,地震の発生起源などについてもソコソコの知識を入れとかなきゃならない。そうすると必然的にプレート・テクトニクス なんてことにも立ち入らざるを得ない・・・とか,言ってるけど,子供の頃からこのあたりの分野に興味はあったんだ。だぶん。



プレート・テクトニクスが提唱されるだいぶ前から,かつて大陸は大きな一塊で,それが分裂し,移動することを世に知らしめようとしていた人達がいた。そんな人達の中の代表格がヴェーゲナー。本書の出版によって歴史に名を残すことになった。


21世紀初頭の今だから,本書の主張の中に多くの誤りがあることが明らかであるが,大まかな理屈・理論は現在でも充分な説得力を持つ内容である。

まさにオリジナルな学説。


応用の進んだ科学や技術の分野では,あえてオリジナルに触れようとすることって案外少ないんだけど,こういうのを読むと,折に触れて原点に返ることも必要なんだろうな,と思うのであった。


お薦めです。

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2014年10月13日(月)

『原発事故と放射線のリスク学』

テーマ:自然科学とか
記事を書くのも久しぶり。
たしか本書は2カ月以上も前に読んだんだっけ・・・。

『原発事故と放射線のリスク学』  中西準子/著, 日本評論社(2014)


あれは確か,環境ホルモンやらダイオキシンの問題がまことしやかに世に流れ,マスコミとそれに踊らされた世間がアタフタしていたのも少しは落ち着いた頃のことだった。

化学物質が人体に及ぼす影響について,ファクト(事実)だけに基づいた分析を行い,健康へのリスクを定量化した 『環境リスク学』 という本を読んで,少しだが蒙を啓かされたのだった・・・。

その著者が中西博士。 かなり信頼の高い科学者。


そんな中西リスク学が,汚染された福島県浜通りの除染事業と住民の方々の帰還・移住問題に切り込んでいる。

この中西博士の提言によれば,除染事業の非効率性と住民の方々の帰還・移住問題が,現在の膠着状態を脱し,前進できるのではないかと思えてくる。

もっと,中西提言を大々的に広めてはどうなのだろう?と思った。


一方,過日読んだ 『リスクにあなたは騙される』 と本書を同時期に読んだからか? ヒトが冷静にリスクを判断できないのも,もっともかなと想いながら読んだ覚えがある・・・。

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2014年08月16日(土)

『ドキュメント豪雨災害』

テーマ:自然科学とか

職業柄,防災に関わる専門家の方々から話を聞く機会があるが,大抵の方達は「最近,気象の局所的異常の頻度・規模が増大している」と思っているようだ。


それが地球温暖化によるものか否かはどもかく,古今,震災と豪雨被害は日本人の誰もが気に掛けていなければならないことだろう・・・。




『ドキュメント 豪雨災害――そのとき人は何を見るか』 稲泉連/著, 岩波新書(2014)



2011年9月4日。東日本大震災の半年後,台風12号による豪雨に襲われた紀伊半島。

この豪雨災害によって100人以上の方が亡くなっている。

山は深層崩壊し,土石流は街や人を流し,川を塞ぎ堰止湖を出現させる。堰止湖の決壊の危険性は高まる。災害の爪痕は長期にわたって彼の地に暮らしていた人々の状況を変えてゆく。。。


本書は,その時,その場所にいて,その豪雨災害を体験した人たちへのインタビューを中心にして,台風12号による災害がどのようなものだったのかを記している。

このような災害ドキュメンタリー本にお目にかかることは少ない。貴重な内容の本だと思う。



職業柄,地震が起こった後,その都度,震災などに関する調査・分析報告書が回ってくるが,それらはいずれも専門家が専門家のために書いたものだ。そのような災害調査報告書は,各調査機関や企業のWEB上にPDFファイルとして収納されている場合もあるが,一般の人たちがそのようなものを時間を掛けて探し出すとは思えない。

日常からそういったものに触れている専門家・技術者と,災害後の一時期だけ興味・関心をもつ専門外の人達の間の防災リテラシー格差は大きいと感じている。


リテラシー格差をすこしでも小さくするためには,本書が採った新書や文庫形体にして,専門用語を排した簡易的な表現で記した災害報告書をコトある毎に世に出すのも必要な気がする。

売れる売れないは別として・・・。


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2014年08月11日(月)

『つながる脳』

テーマ:自然科学とか
だいぶ前,1カ月くらい前? に読んだもの。

『つながる脳』  藤井直敬/著, 新潮文庫(2014)


脳科学関連本。


脳科学者自らが,脳科学の行き詰まりに対する率直な気持ちを書いている。


自分以外の外部とのつながりを指向する(社会的な)脳の反応に関する新しい実験,考察を試みている著者に新しさを感じた。


この学者さんの新作にはアンテナを張っておこう。

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2014年08月10日(日)

『リスクにあなたは騙される』

テーマ:自然科学とか
『リスクにあなたは騙される』  ダン・ガードナー/著, 田淵健太/訳, ハヤカワ文庫(2014)


名著。

読むべき1冊。


私自身の独断的所感も少々交えて,主だったところを抜き出しておく。



■ヒトは,客観的(理性的な)なリスク認知がなかなかできない。



■感情が先に立つのはヒトの進化の過程で生じたこと。感情は理性とは異なり,意識的に認識することなく働き,予感や直感として,あるいは不安や心配や恐れなどの情動として経験する瞬間判断の源泉である。



■こうした感情・情動による判断システムは,最近数百年のテクノロジーによって変容した現代世界を生きる上で生み出されたものではない。遊動性の集団の中で暮らし,動物を狩ったり植物を採取したりすることによって生き延びなければならなかった環境で(数万年の間で)鍛えられてきた判断システムである。


感情による判断は,単純な経験則の適用である。その経験則とは,何かの例が簡単に思い出されればそれは一般的なものだと自動判定する。また,正しい答えがはっきりせず推測する場合,感情による判断は最も手近にある数字や最近聞いた数字に飛びつくと言われる。理性はそうした感情による判断を調整しようとするが,調整は不十分になりやすく,最終的な推定は最初に連想された値に偏ることになる。


ヒトは,落ち着いていて,冷静で,慎重に考えているときでさえ確率に目を向けているわけではない。理性的な訓練された判断だけが,確率を気に掛けるが,ほとんどのヒトは感情を修正するために理性を働かせる努力をすることに慣れていない。ヒトは自然に直観的判断に従う。


確実性が確率の判断に影響を及ぼす。100%から95%の変化は,65%から60%への変化よりもかなり大きな重みを持ち得る。世の中を動かす現実的判断の色合いは常にグレーであるが,白か黒かで考える傾向がある。


ヒトは,「数字」と「物語」に対して異なる反応を示す。統計上の抽象概念である数字には出来ないやり方でヒトの心を動かすことが出来るのが物語やイメージ。物語やイメージは,数字に欠落している感情に満ちている。


■「予防原則」は,リスク規制に関する実際的な助言を与える原則になっていない。「予防原則」は行動を取ることと取らないこと,その中間を禁じ,身動きのとれない状態にする。予防原則は本来必要とする措置そのものを禁じることになりかねない。


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2013年11月23日(土)

『流れとかたち』

テーマ:自然科学とか
御無沙汰だったブログ書き。
読み終わったままのが幾つかある(前の記事)。
・・・で、今夜から数日間、1冊ずつアップしていこうと思います。

『流れとかたち 万物のデザインを決める新たな物理法則』 エイドリアン・ベジャン/著、柴田裕之/訳、 紀伊國屋書店(2013)


少し前に話題になってた?


「すべてはより良く流れる形に進化する。生物、無生物を問わず、すべての形の進化は“コンストラクタル法則”にしたがう。」



紀伊國屋書店から出たポピュラー・サイエンスのベスト・ヒットと云えば、ドーキンスの『利己的な遺伝子』を思い出す。

はたして本書『流れとかたち』が、いまや進化生物学の古典ともなったドーキンス本に匹敵するような作品となるのか?(個人的には無理だと思うけど・・・。)


amazonレビューでもかなり高い評価がされているが・・・。


細かいところに引っ掛かった。

例えば、分岐構造一つをとっても、肺の気管支、木の枝、三角州の流線網、生物進化の系統樹などには違いがある。それらを一緒にして議論してもイイのだろうか?

著者は小さな違いに拘るなと何処かのページで言ってたようにも記憶してるが、小さな違いを無視することが、やがてこの理論に綻びをもたらしはしないかと・・・。

また、ボディ・デザインには大きさも関係するだろうと思われるが、サイズの有利/不利の法則がいま一つ明確にされていないようにも思った。それとも、流れ方の違いによって最適サイズも変わると云うことだっただろうか?


ともあれ、著者の云いたいことの概観は判った(ように思う)。

だが、30年前、ドーキンスを読んだ後のような昂揚感が訪れることはなかった。
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2013年09月15日(日)

『群れは意識をもつ』

テーマ:自然科学とか


『群れは意識をもつ 個の自由と集団の秩序』 郡司ペギオ幸夫/著、 PHPサイエンス・ワールド新書(2013)


群れを構成する個体一つひとつは「モノ」である。

モノである個体おのおのの振る舞いは「コト」である。

それぞれの振る舞いの集積が群れという「モノ」になる。

群れとしての行動というものがあり(例えば集団での移動)、それらは「コト」である。


脳の神経細胞、ニューロンは「モノ」であるが、それらのネットワークは意識・知性を生み出す。意識や知識は「コト」といえる。


神経細胞の集団と、動物の群れは違うのか?同じなのか?


↑ このよう問題提起から始まり、


やがて・・・、


生命とは、モノとコトに分化することでその両義性を備え、またあるときは両者を融合して新たな分化のタイミングを伺う。生命とは、モノとコトの分化・融合を繰り返す生成の場と考えることができる。(pp.210)


という考えを導出し、


個体一つひとつの自由な振る舞いが非同期的に相互作用することによって、集団としての秩序・行動に至る・・・・・。

つまり、

個と社会、モノとコトは対立概念とならない。(pp.270) ことを示す。



オモシロかった。

途中、読むのにチョイとめんどくさい箇所もあったが、最終的に著者の云わんとしていることは判った・・・。「判った」、という快感に浸れた。 しばらく経つと忘れるだろうが・・・・・。


科学に興味を持つ高校生以上なら楽しめると思います。お薦めです。

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2013年06月27日(木)

『人間の性はなぜ奇妙に進化したのか』

テーマ:自然科学とか

『人間の性はなぜ奇妙に進化したのか』 ジャレド・ダイアモンド/著、長谷川寿一/訳、草思社文庫(2013)


ジャレド・ダイアモンドのかなりの前の作品の文庫化。

『文明崩壊』や『銃、病原菌、鉄』にくらべるとやはり面白度は落ちる。


進化論をベースにすれば、大抵のことが説明できそう。。。

ただし、多くの人が納得する説明を行うためには、根気のいる思考実験と閃きが必要だ。

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2013年06月15日(土)

『人間はどういう動物か』

テーマ:自然科学とか
『人間はどういう動物か』  日高敏隆/著、 ちくま学芸文庫(2013)


最初に関係ない話で恐縮ですが、「ちくま文庫」はリーズナブル、なのに「ちくま学芸文庫」はチト高い・・・と、学芸文庫を購入する度に思うのです。

“学芸”が付いたくらいで何故?



↓本書の構成↓


第一章 人間はどういう動物か

第二章 論理と共生

第三章 そもそも科学とはなにか

あとがき

解説 教養としての科学(絲山秋子)



私の勝手な解釈ではあるが・・・・・、

「利己的遺伝子」と「ミーム」というものを知り、人間は特殊な存在ではなく数多いる動物の一種に過ぎない・・・という考え方を尊重して世の中を眺め、自分の存在や言動を律する。大局観を持ち、自らの行いなどたかが知れていると思っていれば、この世界をシンプルに生きてゆける・・・ような気がする。

日高敏隆センセのエッセイを読むと、いつもそんなことを感じる。本書の第一章からは、いつにも増してそんなことが感じ取れる。


大局観とは「概念」なのだ、とも思う。

HowTo本ではこうした概念を感じることはできないと思う。

音楽や絵画や小説や随筆など、あまり具体的とも云えそうにない漠然とした他人の考え方・観かたに数多く触れていると、そのうちそれらが混ざり合って、いつしかなんとなく自分なりの「概念」が薄ぼんやりと見えてくる・・・?

もちろん、様々な体験をするのが一番なのだろうが、ヒト一人の体験などたかが知れている。



昨日の寺田寅彦の随筆もそうだったが、エライ先生が書いたエッセイを読むと、俺ってバカでもイイじゃん!って思えてくる。


よくよく考えてみると、↑こう思わせてくれるエッセイを、私は「良いエッセイ」と定義している。。。

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