『100年予測』
テーマ:歴史とか- THE NEXT 100 YEARS A Forecast for the 21st Century (2009)
- 『100年予測―世界最強のインテリジェンス企業が示す未来覇権地図』 ジョージ・フリードマン/著、 櫻井祐子/訳、 早川書房(2009)
本書の内容は、21世紀における世界情勢の変化、勃興する国々に関する大真面目な予測シミュレーション結果だ。
21世紀を通してアメリカは依然、世界唯一の超大国として世界に君臨するとか・・・、
現在、天然エネルギー産出国として羽振りの良いロシアが2020年頃までにジリ貧になって、東欧諸国が力を付け、特にポーランドが強国の一つになるとか・・・、
中国は2020年代に分裂危機に陥るとか・・・・、
ロシアと中国といった2つの大国がプレゼンスを低下させるに従って、ユーラシア大陸の東西の両端に位置する日本とトルコが覇権を握るとか・・・、
そして、やがては・・・・アメリカ vs 日本・トルコ連合軍による戦争・・・しかも主な舞台は宇宙空間・・・が起こるとか・・・、
今世紀の終わり頃、アメリカに対抗できるのは地政学的な利点からメキシコであるとか・・・
なぜ、このように世界情勢が推移するのか?
そんなプロセスを、“地政学”と“人口動態”を主な手掛かりに、著者なりの合理性を持って説明している。
これが、読み物としてはメチャメチャ面白れェ! イヤァー、充分に楽しませてもらった。
お薦めです・・・物語としては。。。
しかし、ノンフィクションとしてはどうか・・・。
本書で予測された未来の信憑性については、個人的には??????????ハテナだらけだ。
シミュレーションであるからには何らかの予測モデルとそのモデルに入力するパラメータがあるはず。
だが、著者が使っている予測モデルについては、そのスペックが明確ではない。また、著者が明らかにしている主なパラメータは地政学と人口動態だけだ。
確かにこの2つのパラメータについては客観性もそこそこ高く、将来の世界情勢に寄与する大きな要因となるであろうことは理解できる。しかし、たった2種類程度のパラメータしか考慮しない予測モデルなんて大雑把過ぎるだろう!
科学技術の進歩の程度、地球環境・気候の変動、エネルギー問題、等々、未来予測には他にも影響しそうなパラメータは膨大にある。 そうしたパラメータの評価に関しては、著者の客観性は著しく低下している。
例えば、2030~40年頃に日本が月面にミサイル基地を保有し得るだけの科学技術を持っているのか?、仮にそういった技術を持っていても、それらの技術を行使可能な社会状況・財政状況にあるのか?、などといったことについては一切の議論も無く、著者は当たり前の事実のように前提としている。
宇宙空間で太陽光発電した電力をマイクロ・ウェーブで地上に供給する技術なんてのも、当たり前のように前提条件となっている・・・。ホンマかいな?
┐( ̄ヘ ̄)┌ ・・・・信憑性は低いと云わざるを得ない。
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