2014年06月05日(木)

『市民のための景観まちづくりガイド』

テーマ:なんでも読んでみよう

『市民のための景観まちづくりガイド』 藤本英子/著、 学芸出版社(2012)


最近、まちづくりに関する本を幾つか読んでいるが、どの本にも成功した(と云われている)まちづくりの事例が具体的な都市名を挙げて紹介されている。

事例紹介に多くのページを割くということは、まちづくりというのはオーダーメイドであって、すべてに共通した理屈や理論などというものは無いってことなんだろうと思っている。

「良いまちづくり」とは何か?ということを一般化することはできないってことだ。


本書は、「景観」にスポットを当ててまちづくりを行おうとするときのガイド本、日本初のテキストだと銘打っている・・・・・。


本書を読んで気になったところをメモっておく。


■本書の著者は、小樽運河を観光資源としたまちづくりについてポジティブに捉えている。

 だが、別の本の著者は、観光客の増加は観光会社とタイアップした一部の店舗(寿司屋ネ)だけが

 潤っているだけで、大方の近隣住民には関係のないことであり、彼らは別の店に行っているという。

 「まちづくり」とは、そもそも地元住民の幸福度をアップすることが目的だとすると、小樽の例は

 成功事例と云えるのか? 疑問に思えた。


■本書で挙げている景観評価指標について、工学屋の私にはどうにも客観的だとは思えない・・・。

 <本書でいう景観評価指標8コ>

  ・周辺景観との調和を図っている

  ・地域特性(自然・風土・歴史・文化)を活かし、地域性のある景観をつくりだしている

  ・緑化・オープンスペースなどにより、潤い・ゆとりのある景観をつくりだしている

  ・住民が参画し、親しまれ、誇りを持てる景観づくりが進められている

  ・良好な維持管理が図られている

  ・活力を生み出す景観をつくりだしている

  ・優れたデザインにより新しく魅力ある空間をつくりだしている

  ・町並みの形成に貢献している

 

ん~? ↑ こういうのを指標っていうのか??



で、本書も含めてイロイロ読んでみて・・・、

結局、まちづくりの専門家がキチンと全体をコントロールすることの実現性はあまり大きくなくて、多くの普通の住民・生活者が少しづつ長期にわたって関わってゆくことが大事だってコトなんだろうか!?

それじゃ、専門家の役割ってなんなんだ?ファシリテーターか?

専門家の関わりが低いってことは、それだけ成熟した社会なのか?

                              ・・・・・・なんてコトを漠然と考えちゃう・・・・・。


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2014年06月02日(月)

『歴史家が見る現代世界』

テーマ:歴史とか

『歴史家が見る現代世界』  入江昭/著、 講談社現代新書(2014)


世界史の流れの大きなトレンドについて、世間の大部分の人の認識は同様のものだと思う。世界は混合し結合して行く・・・。百年、数百年のスパンを考えたとき、おそらくこの流れは不可逆だろう。


だから、グローバルな視野で歴史を捉える・・・トランス・ナショナルな考え・・・グローバル・ヒストリーを認識することが重要だ・・・と云う、この著者の主張は概ね頷ける。

そりゃ頷けるさ。大きな流れ・・・総論としては・・・当たり前のことを云ってるんだから。


だが,流れにはウネリがあり、そのウネリの振幅はプラス側にもマイナス側にも振れる。

現在、日本と中国との間に存在するマイナス側の大きな振幅を、どのようにニュートラルもしくはプラスの振幅に戻すことができるのか? マイナスの局所解に陥った(ように見える)ときにそこからどのように脱出するのか?

歴史家には、そういったことのヒントを示してもらいたいと期待するのだが・・・。



以前読んだ,入江本 ⇒ 『歴史を学ぶということ』


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2014年06月01日(日)

まちづくり関連本

テーマ:なんでも読んでみよう

ある講義を受講するため、関連本をたてつづけに読んでみた。

市の図書館にお世話になって・・・。市民図書館って,ホントありがたい・・・。



『まちづくりDIY 愉しく! 続ける! コツ』  土井勉・柏木千春・白砂伸夫・滋野英憲・西田純二/著, 学芸出版社(2014)

『地域再生の罠』  久繁哲之介/著, ちくま新書(2010)

『市民のための景観まちづくりガイド』 藤本英子/著, 学芸出版社(2012)

『小布施 まちづくりの奇跡』 川向正人/著, 新潮新書(2010)

『コミュニティデザイン 人がつながるしくみをつくる』  山崎亮/著, 学芸出版社(2011)


要は、どれだけ気長に、気楽に、面白がって続けられるか!? そこにかかっている!ってコトなんだろうが、そうしたコトがいかに難しいか・・・・・


近所付き合いもほとんどせず、自宅の庭の整美さえままならない私などが、何を大それたことに興味を持ったのか???

意識を変えることから始めないとね。。。まずは自分とこの庭からだね。


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2014年04月05日(土)

2014.3月までに読み終わった本

テーマ:メモランダム

■ 中村彰彦 『ある幕臣の戊辰戦争 剣士伊庭八郎の生涯』


■ 葉室燐 『随筆集 柚子は九年で』


■ コナン・ドイル 『緋色の習作』 シャーロック・ホームズ全集(1)


■ 河野至恩 『世界の読者に伝えるということ』

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2014年03月21日(金)

河出文庫 シャーロック・ホームズ全集

テーマ:ミステリーとか

もう何十年も翻訳ミステリを読んできているのに、ホームズものを1冊も読み切ったことがない。

ブログ繋がりの海外ミステリ好きの方に、ホームズは必ず読むべき、と云われてからももだいぶ経つ。

今月、河出文庫のシャーロック・ホームズ全集が刊行されだしたのを機に読んでみようかと思っている。


この全集は、「オックスフォード大学出版社版の注・解説付き 全集」を元にしているらしい。

書店で見掛けた際にページを捲ってみたら,挿絵がふんだんに載っていて、“ほしい!”って思って、『緋色の習作』と『シャーロック・ホームズの冒険』の2冊を購入した。


緋色の習作 (河出文庫―シャーロック・ホームズ全集)/河出書房新社

シャーロック・ホームズの冒険 (河出文庫―シャーロック・ホームズ全集)/河出書房新社
年度が替わり、仕事にも少し余裕が出てきたら、溜めこんできた他の本との優先度を考えつつ読んでみることにしよう。

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2014年03月21日(金)

三カ月ぶり?

テーマ:メモランダム

少し時間が取れるようになってきたので、昨年末からこれまでに読んだ本を列挙しておく。

読んだ順番は忘れてしまったので,積んであるものを下から順番に記録しておくことにしよう。



■ 『チャイルド・オブ・ゴッド』

     コーマック・マッカーシー/著, 黒原敏行/訳、 早川書房(2013)

相変わらず救いようのない人間を描いて魅せるマッカーシー・ノワール。だが、彼の作品は精神のデトックスになるんだよな・・・・・


■ 『脳には妙なクセがある』

     池谷裕二/著、 扶桑社新書(2013)

池谷センセの脳本はつねに判りやすい。学者センセのアウトリーチ本としてのお手本のようなもの。


■ 『地上最後の刑事』

     ベン・H・ウィンタース/著、上野元美/訳、 ハヤカワ・ポケット・ミステリ(2013)

3部作だそうだ。


■ 『柚子の花咲く』

     葉室燐/著、 朝日文庫(2013)

年度末繁忙の仕事の最中、ささくれだった精神にもたらす清涼剤となるのがハムロ作品だ。


■ 『言霊とは何か』

     佐佐木隆/著、中公新書(2013)

神に関連するか神を通じたものでしか,「言霊」とは云わない・・・・・という定義だったかナ?


■ 『スケアクロウ (上)(下)』

    マイクル・コナリー/著、 古沢嘉通/訳、 講談社文庫(2013)

1年近く前に購入していたものをズット積んでおき,年明けにやっと読んだのだった・・・・・


■ 『東西「駅そば」探訪』

     鈴木弘毅/著、 交通新聞社新書(2013)

この本を読んで、いくつかの駅そばを食してきました。まだ行くぞ・・・・


■ 『静かなる炎』

      フィリップ・カー/著、 柳沢伸洋/訳、 PHP文芸文庫(2014)

ベルリン3部作後の復活したグンター・シリーズの第2弾。ナチス残党が逃亡先に選んだ、ファン・ペロン大統領時代のアルゼンチンの様子、などを窺い知ることができた。


■ 『ジュリアン・ウェルズの葬られた秘密』

     トマス・H・クック/著、 駒月雅子/訳、 ハヤカワ・ポケット・ミステリ(2014)

序章、そして300ページ後の終章、この二つの章が繋がって読者を余韻に浸らせる。

その余韻を味わうために必要な300ページの本編。見事な構成と濃密な物語。小説を読む幸福を感じさせてくれる作品。


■ 『HHhH』

     ローラン・ビネ/著、 高橋啓/訳、 東京創元社(2013)

「このミス2014年版」にランクインしていたからフィクションだと思ってたら違った。どちらかと云うとノンフィクションだね。ともかく面白いのは確か。


■ 『福家警部補の挨拶』 大倉崇裕/著、 創元推理文庫(2008)

■ 『福家警部補の再訪』 大倉崇裕/著、 創元推理文庫(2013)

     以前から読んでみたいとは思っていた。ドラマ化を機にね。


■ 『川あかり』

     葉室燐/著、 双葉文庫(2014)

クライマックスは何だか七人の侍や荒野の七人みたいになってきたな。そういうの好きだけど・・・・



■ 『機動戦士ガンダム サンダーボルト 3巻』

     太田垣康男/著、小学館コミック(2014)

もう画がね・・・・。


■ 『セブン・ドラゴン (上)(下)』

     マイクルコナリー/著、 古沢嘉通/訳、 講談社文庫(2014)

ただ今、読書中。



こんなところだったか? なんか忘れてそう???

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2013年12月26日(木)

『歴史をつかむ技法』

テーマ:歴史とか

『歴史をつかむ技法』  山本博文/著、 新潮新書(2013)


物事の概観を“ざっくりと”知ることってのは大事。


学校で習うことは大抵の場合、ある事柄・事象の詳細から入る。これには常々違和感を持ってる。


数学とは、生物学とは、歴史学とは、「だいたい、このようなことを行うこと、知ること。」、「これを知っておくと、こういうことに役立つ。こういう楽しことがある。」といったような、大枠を掴めるようなことから教えるのが良いと思う。

そして、今習っていることは、全体像の中のこの部分なのだ、ということが判るように教えるべきだと思う。

最初に概観を掴む。おぼろげでもイイから全体像を知っておく。そうすると、細部も判りやすくなってくる・・・、と思うのだが。。。


この本は、歴史学の概観を掴みそこなった人向けに書かれたもののようだ。

とびとびの知識の繋がりや、個別の知識の全体における位置付け、などをもう一度理解したいと思う人にはお薦めです。


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2013年12月25日(水)

『ある日どこかで』

テーマ:ファンタジー・SFとか
SOMEWHERE IN TIME (BID TIME RETURN) 1975
『ある日どこかで』  リチャード・マシスン/著、 尾之上浩司/訳、 創元推理文庫(2002)


『鞄図書館 2巻』 作中に出てきたとき、読みたいなと思って購入しておいた。


タイム・スリップもの。

タイム・スリップの方法については、他の同種の作品ではほとんど見たことのない独特の方法が用いられている。このタイム・スリップの仕方自体も物語に深く関係する。それが、タイム・スリップ・モノの成否を決めることにもなる。。。



脳腫瘍で余命半年を宣告された脚本家のリチャードは旅に出た。旅の途中、あるホテルで、75年前の女優の写真を見た。それ以来、その女優の虜となる・・・・・。


リチャードは時間を超える旅を試みる。。。

そして、75年前のそのホテルで女優エリーズと出会う。。。



いやいやいやいや、こりゃ、ラブ・ロマンス小説だぜ。

世界幻想文学大賞を受賞した作品ってことだったんで、もっとSFチック、ファンタジックなものを想像していた。もちろんそういった側面もあるが、ラブ・ストーリー要素がかなり強い。

だが、不思議と嫌いではない。

いや、正直言うと、結構イイ!

中二男子も初老男も、女性に対する願望はさして変わらんだろう、と思うと、この作品はある種、男の理想を描いている。

もしかして、女性の理想も??(それは無いか?)


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2013年12月24日(火)

クライシス・コミュニケーション

テーマ:なんでも読んでみよう


『危機管理対応マニュアル―「情報開示力」が企業の危機を救う!』 東京商工会議所/編、 サンマーク文庫(2005)



『「危機管理・記者会見」のノウハウ―東日本大震災・政変・スキャンダルをいかに乗り越えるか』 佐々淳行/著、 文春文庫(2011)

業務と云おうか学業と云おうか、迷うところであるが、ある課題・宿題として一読を求められたのが前者。

その課題本と併せて自主的に読んだのが後者。

記者会見に備えてのノウハウ本、マニュアル本。

そんなこと経験したくないけどね。


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2013年12月23日(月)

『ジェイコブを守るため』

テーマ:ミステリーとか
DEFENDING JACOB (2012)
 
『ジェイコブを守るため』  ウィリアム・ランディ/著、 東野さやか/訳、ハヤカワ・ポケット・ミステリ(2013)


ミステリ小説(特に海外のミステリ小説)が、単なる謎解きだったり、犯人探しを楽しむためだけのエンターテイメント作品ではなく、いわゆる純文学作品との境界が曖昧になってきている、と云われて久しい。

海外ミステリの場合は、そもそもそのようなジャンル分けすらないのかもしれない・・・。

この作品は、そういったことを強く感じさせる。


読み始めから感情にさざ波がたった。読み進めていっても、その小さなザワツキ感は一向に消えない。

優れたミステリ作品にほぼ共通していると云っていいだろう、イントロ部を読み始めたときに感じるザワツキ。だが、大抵の作品は、読み進めてゆく過程で、プロットの進行とともに、この感覚は消えてゆく。物語環境や語りに慣れてゆくから。


だが、この『ジェイコブを・・・』の場合、この最初のザワツキ感がどこまでも読んでいっても消えない。300ページを超えても、400ページを超えても消えない・・・。

どうにも違和感が残り続けるのだ。巧みな語りなのに、その語りにどうにも釈然としないモノを感じるのだ。

そして、500ページでザワツキ感がピークに至り、その理由がわかり、10ページ後を読んだときに腑に落ちるモノを感じるのだ。 そうだったのか、と。


クライマックスはズシン!ときた。 衝撃といってもいいだろう。

子供に対する父親と母親の愛情の表現の違い、その究極が表された作品だった。

お薦めです。


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