『本だけ読んで暮らせたら 2010年のお薦め本』 | 本だけ読んで暮らせたら

『本だけ読んで暮らせたら 2010年のお薦め本』

明けましておめでとう御座います。


例年に比べると少し遅くなりましたが、2010年に私が読んだ本の中からお薦め(かな?)と思える作品を紹介させていただきます。 おこがましいかもしれませんが、お付き合いいただければ・・・



まずは、ミステリー関連


2010年ミステリ作品で真っ先に思い浮かぶのが、早川書房のポケット・ミステリ・シリーズ(HPM)各品のレベルの高さでした。

ベニオフ著 『卵をめぐる祖父の戦争』 と、新人作家ブライアン・グルーリー著 『湖は餓えて煙る』 は、2010HPMの代表作だと思います。

数年前までHPMは、読みたくなるような新発掘作品が余り出ていなかったように思えたのですが、今年は出る作品でる作品、皆ハイレベルだったように思えました。

既存のHPMのシリーズモノの中では、イアン・ランキンのリーヴァス警部シリーズが、 『死者の名を読み上げよ』『最後の音楽』 と、2作も出たのが嬉しかったですね。シリーズとしては終わっちゃったけど・・・。


その他の長篇では、各社ミステリー・ランキング本でも上位に入っている、トマス・H・クックの 『沼地の記憶』 と、ジョン・ハートの 『ラスト・チャイルド』 はテッパンです。

短篇集では、ジャック・リッチーの日本オリジナル編集 『カーデュラ探偵社』 。コージー好きの方にはイイかも。

短篇の名手ローレンス・ブロックの 『やさしい小さな手』 もイイです。


さて、私にとってのTOP3、一つ目は、久しぶりのボストン・テランの新作です。

あまりにも悲しく苦しい人生であるにも拘らず、生きることに希望を失わず闘いぬく女性達を感動的に描いた 『音もなく少女は』 。 読み終わった直後は、コレが2010年のベストだと思った程はしゃいでました。。。

しかし、年末によくよく考えてみたら、ハメット作品の新訳 『ガラスの鍵』 がベストなんじゃないかと思えてきました。 これぞハードボイルドだ! と言える、ジャンルを代表するド真ん中の傑作だと思います。 ノワールの原型も入ってます。

3番目は、珍しくハードカバーで読んだ 『古書の来歴』 というのが良かったです。歴史ミステリーです。



次は、ポピュラー・サイエンス関連・・・といっても、余りお薦めできるものがありません・・・。昨年は私自身が読んだものが少ないもので・・・。

敢えて1冊だけ挙げれば、 『セミたちと温暖化』 。 動物学者だった故日高先生のエッセイ集はいつ読んでも何度読んでもイイです。



歴史関連では、

『進化考古学の大冒険』 に圧倒されました。この本を書いた松木武彦さんという学者は、私にとっては一種の革命家にも見えます。ホント、面白いものを読ませていただいて感謝感激です。

それと、今さらながらで申し訳ありませんが、梅棹忠夫著 『文明の生態史観』 も物凄く面白かったです。



その他では、

ヘレーン・ハンフ編著 『チャリング・クロス街84番地』 ってのが面白かったです。本の売買のために交わす手紙だけで構成された物語です。 本好きの方なら是非!



ん~、こうしてみると、ミステリ以外は余りお薦めできる本がないですね。。。orz

昨年は読書量が低下したことが良く判ります。 このブログを書く回数も確実に減ってきていますし・・・。



ともあれ、ここまで当記事をお読み頂きました皆様、わざわざ当ブログに御越しいただきました皆様、本年も宜しくお願いいたします。