2016年08月28日(日)

『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』

テーマ:歴史とか

 

加藤陽子/著, 新潮文庫(2016年)

 

 

偏差値の高い中高一貫の私立進学校の中学1年生から高校2年生を相手に行った近現代史の講義のドキュメンタリー.

 

明治期以降の4度の対外戦争.

なぜ,戦争に至ったのかを考える切っ掛け,別の関連書籍への導入,となる良書だと思う.

左・右への偏りも少ないと思えるし,評判が良いのも納得.

 

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2016年08月17日(水)

『文化進化論 ダーウィン進化論は文化を説明できるか』

テーマ:なんでも読んでみよう

 

アレックス・メスーディ/著, 野中香方子/訳, NTT出版(2016)

 

 

ここ数ヶ月の間に読んだモノの中で最も印象に残っているのがコレ.

設計とか解析とかを生業とし,理系寄りの思考にバイアス掛かっている私は,当然のことながら(当然と言ってイイのか?)ダーウィンを尊敬・敬愛している.

そこへきて,『文化進化論』という書名を見たときは,つい触手が動いた.

“ダーウィン進化論は文化を説明できるか”,という副題(問い)にも心引かれた.

 

20世紀後半は,ダーウィンの進化論が理論フレームとなって様々に細分されていた生物学の各分野が統合されだした.そして,今世紀に入ってから,進化生物学は飛躍的発展を遂げており,それは今も進行中だ.

 

人文科学とか社会科学と呼ばれる分野,いわゆる人類学,考古学,経済学,歴史学,言語学,心理学,社会学などの分野は,それぞれに研究されてきたものの,分野間をつなぐ理論的枠組みなどは見当たらず,相互理解に及んでいようには見えない.

理系の世界では,医学と工学とか,機械系と化学系とか,心理学と脳科学とか,文学とコンピュータサイエンスとか,分野を横断した研究,いわゆる学際的研究が頻繁に行われている.

それに対して,文系同士,人文・社会科学の異分野間では,学際的研究が図られているようには見えない...というのが,これまでの私の認識だった.

だが,人文・社会科学の分野,枠組みにも変化は現れてきているのだ.

 

本書は,ダーウィン的進化論のフレームワークを使って人文・社会科学の各分野を統合しようとする企ての書だ.文化を(自然)科学的に説明する書,といってもイイかもしれない.

 

文化を進化論的に説明するとは,社会科学分野の現象や項目が,変異,競争,継承,という3つの条件に当てはまるものなのか否かを検証することだ.

そして,その上で,

 ・過去から現在への流れが説明できる

 ・定量化できる

 ・ミクロとマクロを統合できる

 ・実験や実地調査が,その分野の事柄を説明するのに有効的なツールとなる

ことなどを,示していくのである.

著者は最終的に,文化進化の構造を進化生物学の構造と対比してみせ,自然科学(理系)と人文・社会科学(文系)との統合までが可能であることを示唆している.

 

細かな突っ込みどころがあった気がするが,総論的には非常に面白くエキサイトさせられた記憶がある.日本語訳も熟れていて300ページ強を一気呵成に読むことができた.

 

それにしても,NTT出版は良質の本を出すというイメージが強い.文庫化してくれれば更に良いのだが.

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2016年08月16日(火)

『ぐうたら旅日記』

テーマ:エッセイ・随筆とか

昨年10月,国際学会での発表でクライストチャーチに行った際,機内で読んだのが北大路公子著『キミコのダンゴ虫的日常』っていう,札幌市在住の40代の作家が書いたエッセイだった.脱力エッセイ.

 

 

これが面白かったので,先日書店でたまたま見かけた別のも読んでみた.

同年代の友人知人数人と連れだってフェリーや車で恐山や知床に行く.その道中や宿での何でもない出来事を綴った紀行文.

恐山に行き,知床に行き,また恐山に行き,その後,ウニを食べに積丹に行き,再びウニを食べに積丹に行く.朝からビールを飲み,ウニをたらふく食い,気に入らない奴らに(心の中で)呪いを掛け,早寝早起きをする(してしまう)旅.

読んでると羨ましくなってくる.

 

 

9月に出張と学会のために行く北海道と岡山では,私もできるだけ ぐうたら したい...

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